大怪獣異世界に現わる ~雇われ労働にテンプレはない~

轆轤百足

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怪物達の秘話

偽りの英雄

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 利き腕である右腕を肩口から落とされたアルフォンスは、少年の言った通り国の君主たる女王に事実の全てを伝えた。
 敗北して腕も聖剣も奪われたことも。
 自分を最強たらしめていた英力えいりきを失ったことも。
 そして、少年が二度と自分に近寄らないでくれと言ったことも。
 隻腕と化した剣聖のその報告に女王は顔面蒼白で表情を歪めることしかできなかった。国の切り札が惨敗したのだ、女王がそうなるのも仕方ないこと。

「女王様。私は剣聖の地位を返上いたします」

 しかし、アルフォンスは満足そうに返上という言葉を口にする。




 だが全ては作り変えられた。
 国内にも他国にも、とんでもないでっち上げが伝えられたのだ。
 その内容は“剣聖と勇者一党と多数の正位剣士しょういけんしの活躍により、国家存亡の危機は終息した。しかし彼等は多大な損害を被った”と言うものだった。
 英雄達は何か別の手柄を与えられ、事実上彼等を蹂躙した銀髪の少年の存在は揉み消された。
 これにより英雄達、いや国の面子は保たれた。
 全て作り話にされてしまったのだ。




 ――神滅暦しんめつれき1106年。
 この神滅暦とは創造の女神が死亡してから始まった紀年法である。
 剣聖の地位を返上したアルフォンスは、故郷である辺境の地で隠居していた。
 女王からの命令で、田舎に閉じ込められたのだ。
 たった一人の少年に国の自慢の英雄達が蹂躙された事実を広めないための処置でもある。
 しかし、アルフォンスにとってはこの上ない幸せな生活だった。
 ……あれから一ヶ月。

「もう魔族や魔物と戦わなくて良い。最高の生活だよ」

 右腕を失い非対称の体になった元剣聖は、椅子に腰掛けて呟く。
 彼の容姿は変化していた。綺麗だった青い髪には白髪がまじり、鍛えあげられていた肉体も痩せ細っていた。 
 ここは田舎の隅にあるログハウス。アルフォンスは、ここで新しい生活を満喫していた。

「空気も水も上等。なにより、もう戦場にいく必要もない」

 彼は思い出す数々の戦場を。
 銀髪の少年以外との戦いで、あまり傷をおったことはないが精神的な苦痛は凄まじかった。
 手には肉を斬る感触が伝わり、鼻は血と臓腑ぞうふの臭いを理解し、耳は即死できなかった者の悲鳴をとらえた。
 いかに肉体は傷つかなくとも、その中にある精神は常に疲れきっていたのだ。
 初めて生き物を殺した時の衝撃は大きかった。何ども嘔吐し、数日間悪夢をみることもあった。

「食事の準備ができましたよ。師匠せんせい
「ありがとう、メリッサ」

 女性の声に反応し、アルフォンスは立ち上がり非対称になった体をふらつかせながら食卓に向かう。
 二人はテーブルにつくと穏やかに食事を開始した。
 献立は野菜たっぷりのスープとパンとチーズである。

「うむ、うまい! やはりメリッサの手料理は最高だよ」
「いえ、そんな。簡単な物しか作れませんし、そこまで上手じょうずではありません。きっと食材がいいんですよ」
「君の国の食材は、とても上質だからね」
「この食材は、すべて私の国の北の辺境で採れたものです」

 剣聖を返上して弟子達が離れていくなか、古参の直弟子であるメリッサだけは彼のもとから去ることはなかった。
 付き合いが長いだけに、それだけ師を慕っているのだろうか。
 定期的に、このメルガロスにやって来てアルフォンスの生活を支えていた。

「師匠、よろしければ私の国に来ませんか。ここよりもいい生活ができると思うのですが?」
「ふふ、優しいな君は。私はここを気に入っているし、何よりここに隠居させられたのは女王からの命令だよ。ここを離れることはできないさ」

 それを聞いてメリッサが不愉快そうに口を開いた。

「……まったくひどい話です。片腕を犠牲にしてまで、国家存亡クラスの危機を終息させたと言うのに。ましてや元剣聖にこんなぞんざいなあつかい……」
「いいんだよ。私は気にしてないし、今の暮らしには大満足さ!」

 剣聖と言えども国家に従える存在。君主のために身を削りながら戦い、役目が果たせなくなれば地位を返上させられる。
 ……まるで国の道具のようである。
 しかしアルフォンスにとっては、そんなことどうでもよいのだ。

「メリッサ。君もわざわざ大変だろ、私のために隣国から来るのは? いいんだぞ私の世話なんかしなくても。親衛騎士の副隊長になったばかりなんだろ」
「な、何をおっしゃいます! 私はあなたの剣術指南で今の自分になれたのです。弱虫で臆病だった自分から生まれ変われたのです。あなたを見捨てるなど……」

 メリッサは子供の頃を思い出す。
 よく村の男の子達にいじめられては泣いていた、しかし仕返しをするほど力もなければ勇気もない。
 そんなある時、非番で旅行していたアルフォンスと街で出逢い、いきなり彼から剣才があると言われたのだ。
 その後、アルフォンスの計らいで直弟子になることができた。
 それからと言うもの、みるみる実力をつけ最高の弟子とまで称されるようになり、膨大な魔力も持っていたことも分かり親衛騎士になることができた。そして、今では副隊長の座である。

「すまないな……。今じゃ近所の子供達に剣の握り方と、振り方を教えることしかできない」 

 アルフォンスは苦笑いを見せるだけだった。




 それから二週間後。
 メリッサは大量の食材を背負ってアルフォンスのもとに訪れた時だった。
 彼の家の前で村人達がガヤガヤ騒いでいたのだ。
 メリッサは食材を背負ったまま、彼等に問いかけた。

「どうかしたのですか?」

 すると一人の老人が慌ただしい様子で歩み出る。

「大変なのです! 村の子供達が森に行ったきり帰って来ないのです! それをアルフォンス様に報告しましたところ、剣を持って助けに……あの森には魔物が出ることが!」
「魔物だと!」
「はい、鉄顎獣アイアンジョーが生息しているのです!」

 鉄顎獣。小型の四足獣のごとき魔物だが、鋭い牙と大型獣並の咬合力を持つ。
 小さく敏捷のうえに、噛み砕く力が強いため囲まれると厄介な魔物だ。
 それを聞いたメリッサは、表情を変えて東の森めがけ駆け出した。
 ……いかに元剣聖とは言え、もうまともに戦える体ではない。




 メリッサが森の入口に到達すると、藪の中から大声で泣き叫ぶ子供達が突然飛び出してきた。
 彼等はメリッサの膝にしがみつく。

「うあぁ! アルフォンス様がぁ!」
「僕達を……魔物から助けるために!」
「お願い、速く助けてぇ!」

 子供達は相当に混乱しているようだった。
 よほど恐ろしい目にあったのだろう。

「ここでおとなしく、していなさい」

 メリッサは抜剣すると、森の深部めがけ駆け出す。
 彼女の心は不安でいっぱいになる。
 アルフォンスはもう戦える状態ではないのだ。
 無事であってほしい、ただそれだけ考えるだけだった。

「グガガガ」
「グガー」

 疾走していると、獣が呻くような音が耳にはいった。
 メリッサは鋭い聴覚でそれがどこにいるのか見極め、鳴き声のした方向に向かって走り出す。

「師匠!」

 たどり着いた先には、横たわるアルフォンス。それを囲むサメのごとき牙をした子熊のような生物が二匹。それは鉄顎獣であった。

「師匠から離れろ!」

 メリッサの神速の剣は、一瞬にして二匹の魔物の首を切り飛ばした。
 噴水のように鮮血が放出される。
 血に濡れた彼女はアルフォンスに目を向けた。急いで彼に駆け寄り体を抱き起こす。

「師匠!」
「……め、メリッサか……すまないな……迷惑ばかり」

 苦しそうに、小さい声をあげるアルフォンス。
 彼の右脇腹がごっそくと抉られ、内臓が飛び出していた。一部の臓器は完全に食い尽くされている。
 もう助かるような状態ではない。

「ああ……そんな……こんなのって」
「ふふ、不様だろ? ……私は所詮……この程度の人間」

 英力も失い、体力も衰え、利き腕もない。それゆえ二匹の魔物に対処できなかったのだ。
 涙を溢すメリッサを見上げるアルフォンス。しかし、その顔はどこか穏やかで満足げであった。

「……メリッサ。……君にだけは……伝えて……おこう。剣聖の真実を。……私の机の引出しの……手紙」

 アルフォンスはゴボゴボと血をふきながら語りだす。

「……よき……若者達が……この世界にはいる」

 そういい終えると、やすらかに歴代最強の剣聖は息を引き取った。
 
「うぅ……師匠」

 森の中で、しばらくメリッサの静かな泣き声が続いた。 





 やあ、メリッサ。
 君がこれを読んでいるということは、私はもうこの世にはいないのだろう。
 こんな田舎で生まれたにも関わらず、私は無数の英力えいりきを授かっていた。
 そして私は王のもとで剣の修練に励み、わずか十歳で剣聖の英力をえることができたのだ。
 多くの人々は私を慕っていたようだが、中には嫉妬して恨んでいた者達もいただろうに。
 さて、ここからが本題だ。
 世間では私達が、あの神にも劣らぬ三道魔将さんどうましょうの一つである空帝ジズを撃退したことになっているが、それらは全て作り話だ。
 本当に空帝を撃退したのは、少数精鋭の傭兵部隊だったらしい。彼等が何者かまでは分からないが、全員が毛玉人だったと聞いている。
 ここは人間至上の国だから、その事実を隠すためにも私達にその手柄を与えたのだろう。
 そして事実的に私達に損害を与えた者を隠すためにも……。
 ……三道魔将。
 実際は歴代最強の剣聖と言われた私でも、太刀打ちできない相手さ。
 当時、奴はメルガロスの辺境で殺戮を繰り返していた。
 もちろんのこと私達は馳せ参じた。しかし奴の前では、なぜか英力の神秘が無力化してしまうと言う不可解な現象がおきたのだ。
 それにより、まともに戦いもせず撤退を余儀なくされた。
 結局、傭兵達が現れるまで空帝を野放しにすることしかできなかったのさ。 
 そして事実、私達英雄を大敗させたのは一人の少年だった。
 言うまでもなく、情報の操作で彼の存在は隠蔽された。
 あの子は強すぎる。
 この国は最大の過ちをしてしまった、それは彼を敵にしてしまったことだ。
 それにしても彼は素敵な剣士だった。非常に純粋で、剣に関しては誰よりも真面目であろう。
 たしか名前はニオン・ロイザー……いや家名は捨てたと言っていた。
 彼の名は、ニオン・アルガノス。
 彼のような剣士が現れてくれただけで、私はもう満足だ。
 もう英雄は必要ない時代が来ようとしているのかもしれない。
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