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超魔の目覚め
規格外的作戦
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オボロを狙う電磁加速砲の絶え間ない攻撃が、シキシマの装甲に着弾して爆炎と化する。
しかしながら金剛石を上回る硬度を誇る金属体弾の超高速の直撃を受けても、海洋戦人の超合金装甲に傷一つ付きはしない。
「……ジュオッ」
無駄な攻撃、とヴァナルガンは判断したのだろう。
鈍い電子音を鳴らすと、頭部に備わる電磁加速砲の射撃と足底部のスラスターの噴射を停止させる
そしてオボロを背後に隠すシキシマを見据えた。
砲撃にしても動くにしても、エネルギーは消費するもの。
目障りな超人はシキシマが遮蔽物となり姿を見せず、その魔人は攻めてこない様子。ゆえに超獣も無駄な行動で浪費しないためにも動きを止めたのだろう。
しかしだからと言ってヴァナルガンは油断などはせず、魔人を注目し続ける。
……いきなりに攻撃を中止してオボロの遮蔽物になる、と言う奇妙な行動。
超獣は知能が高い。あの魔人と超人達はまた何か目論んでいる、と考えるのは当然のこと。
いつでも、どんな攻撃が来ても対処できるように、近すぎず、そして遠すぎない位置で佇む。
いずれにせよ体内の融合器官の修復までの時間を逃げ続ければいいだけのこと、敵が攻撃してこないのであれば不要な行動はせず、対象を警戒しつつ再生に集中すれば良いと、ヴァナルガンは考えたのだろう。
しかし、そんな束の間の戦闘中止は発射音で破られた。
座り込むクサマの両肩部の装甲が展開、さらに方膝をつくシキシマの腹部にあるシャッター状の部位が開いた。
(クサマ、シキシマ、撃てぇ!)
そして二体の魔人に、遥か遠くにいるハクラの指示が伝達された。
「ン゙マッシ!」
「ガァオォォォォン!」
二体の魔人は即応するように咆哮する。
そして放たれしは無数の精密誘導弾と小型魚雷。
大地に佇むヴァナルガンに、轟音を響かせながら幾つもの誘導兵器が目標を違えることなく舵を取る。
「ジュオッ!」
だがしかしヴァナルガンはこの程度のことは予測していたであろう。
高速で向かってくる誘導兵器群に向け、弾種を変更し電磁加速砲を射出する。
速射されしは貫通力に物を言わす徹甲弾ではなく、飛翔体付近で爆散し高速で金属ペレットをばらまく調整爆散弾。
誘導弾群がばらまかれた金属ペレットにより迎撃され、中空で爆炎と黒煙となりはてた。
「ジュオォォォォ!」
だからと言ってヴァナルガンは安心しない。
発生した黒煙を掻き分けて迫ってきたのは、右の噴進鉄拳、さらにその後方には次弾となる左の拳。
誘導弾の爆発で発生した黒煙で視界を塞いでからの波状攻撃。
超獣の脇腹を削いだ時と同じ戦術である。
「ジュオッ!」
しかしやはりこれも予測済み、同じ手はそう何度も通用するはずもなく。
向かってきた二つのロケットパンチをヴァナルガンは横っ飛びで回避せしめた。
噴進鉄拳は高速かつ強力ではあるが、高速ゆえに軌道変更が困難。
高速時の軌道は一直線と分かっていれば、いくら速くとも回避事態はそう難しくはない。
……むろん超獣クラスの凄まじい能力あってこそできる芸当ではあろうが。
「ガァオォォォォン!」
だがそれはシキシマとて理解していよう。超獣に対して、同じ手段がそうそう通用しないことは。
大地を激しく揺さぶりながら黒煙を通り抜けシキシマが猛進する。
そして噴進鉄拳を巧みに避けたヴァナルガンに向け、前蹴りを放った。
しかし超獣はこの第四波の攻撃も察知していたのだろう、足底スラスターを急激に噴射させ大きく後退してシキシマの蹴りをかわした。
「ガァオン!」
だが避けらたことを気にした風もなく、魔人は再び接近してヴァナルガンを蹴り飛ばそうとする。
が、これも容易く避けられた。
そして蹴り攻撃の連続。……だが避けられる。
噴進鉄拳を使用中のため、現状の武器は強固な巨体と足位のもの。
ゆえにシキシマの攻撃が予見されやすいのだろう。
「ジュオッ!?」
だがしかしヴァナルガンはここである重大なことに気づくのであった。
超獣が機能させていたのは量子デバイスを用いた索敵。
あらゆる情報を察知して分析し外敵の位置を探る高性能センサーである。
……が、その機能にあの目障りな超人の反応がないのである。
あの超人は、かなり厄介極まりない。とりつかれようものなら、その対処がどれ程大変だろうか。
ゆえにシキシマの攻撃を避けつつヴァナルガンは周囲にも警戒の視線を巡らせる。
……高性能センサーのみに依存せず、自己の視界でも確認しようとする様はさすが超獣と言えようか。
だがやはりオボロの姿はどこにもない。
一人で逃げ出したのか?
と、その時に轟音が響き渡る。
ヴァナルガンの後方から爆炎を発しながら魔人の両鉄拳が迫って来ていた。
回避された二つの噴進鉄拳が帰ってきたのだろう。
再びヴァナルガンにぶつかろうと、必殺の鉄拳が狂うことなく目標を目指す。
「ジュオォォォォ!」
だがやはりヴァナルガンに真っ直ぐな軌道を読まれ、その巨体に似つかわしくない素早い挙動によって高速の右鉄拳を避けられる。
そして、それよりやや遅れて左の鉄拳が超獣の横を通り抜けようとした。
「よおっ!」
その軽快な声が聞こえたのは、通り抜けようとしていた左鉄拳の手が開かれた時だった。
シキシマの左手のひらに乗っていたのは、四メートル半を軽々と越える超人。
……なぜ超獣の高性能センサーにオボロの反応がなかったのか。
それはシキシマの手の中に潜んでいたがためだった。
ロケットパンチの中に人を忍ばせておく、無論のこと超人でもなければこんな作戦は実行できまい。
「わちゃあぁぁぁぁぁ!!」
そして間いれずにオボロは奇声を響かせシキシマの手から跳躍。
ヴァナルガンの顔面に飛び付いた。
「ジュオォォォォ!」
あまりにも奇っ怪な作戦により超人の密着を許してしまったヴァナルガンは、オボロを振り払うように体を激しく動かした。
が、オボロの握力の前ではその程度の遠心力で振り飛ばすことなどできず。
それに加え両腕もシキシマの分離鉄拳で破壊されてるため、掴んで引き剥がすこともできない。
「さんざんやってくれた礼だぜ!」
そしてオボロは超獣の顔を素早くよじ登ると、右の電磁加速砲の砲身を力任せにねじ曲げて破壊。
さらにそこからヴァナルガンの金属の顔を蹴りつけて跳躍。
今度は左の電磁加速砲に飛び付いて、両腕でその砲身をへし折った。
「これで電磁加速は使えねぇだろう」
さんざん己を痛ぶってくれた武装の破壊。
それに成功したオボロは満足げに凶暴そうな笑みを見せた。
(オボロ! 奴の頭の後ろに向かえ。お前が装甲を剥ぎ取ったおかげで損傷している、その穴をもっと拡げてほしいんだ)
「おう! 任せておけ。穴ぁぶっぴろげてやるぅ!」
そして突如頭の中に響いたハクラの指示に応じ、手足を使ってオボロは超獣の後頭部を目指す。
「ジュオォォォォ!」
電磁加速砲を破壊されたことでヴァナルガンはかなり危険と判断したのだろう。
いっそう激しく体を動かす。
「ガァオォォォォン!」
しかし超獣が相手しないといけないのはオボロだけではない。
オボロに取りつかれて間にもシキシマが攻撃を仕掛けた。
「ジュオォォォォ!」
ヴァナルガンは足底部スラスターを急激に噴射させ、急いで魔人から距離をとろうとしたが……。
(クサマ、あいつを逃がさないで)
「ン゙マッシ!」
ナルミの指示を素直に応じた別の魔人が誘導弾を発射した。
クサマから放たれし誘導兵器が超獣の足下へと向かう、だがもう迎撃はできない。
オボロによって電磁加速砲は全て破壊されたのだから。
ヴァナルガンの足元で幾つもの炸裂が起きた。
だが超獣の装甲を破壊するには至らない、しかしスラスターに異常を与えて停止させるには十分。
大地からわずかに浮上していた銀色の巨体が推進力停止により地面に降り立った。
「ガァオォォォォン!」
そして超獣はシキシマのタックルをもろに胴体部へと食らった。
凄まじい轟音と衝撃が辺りに拡散し、ヴァナルガンは背中から大地に激突。
もちろん超獣にへばりつくオボロにもその余波は来ているだろうが、その腕力と握力で吹っ飛ばされないように耐えしのいでいた。
「よおし今の内だ!」
超獣が立ち上がろうとしている隙にオボロは一気に後頭部へと向かう。
そして装甲の一部が剥がれて内部が露出している部位を発見した。
「あれだな!」
到着するなりオボロは破損した部位の周辺の装甲に爪を突き立てめり込ませた。
体格差と装甲の性能ゆえに打撃で破壊するのは困難だと言うことは分かりきっている。
……だからこそ引きちぎるのだ。
対核装甲を貫く超人の爪、そいつを引っ掻けて超怪力で引っ張ったらどうなるか。
超獣の装甲がメリメリと裂けて剥がれ落ちた。
「まだまだだぁ!」
そして今度は大きく顎を開くと、オボロは変形した装甲に噛みつき引きちぎった。
オボロはあまり戦いで爪や牙は使わないが、いずれにせよ恐るべき破壊力であることは言うまでもなくである。
そして徐々に後頭部の装甲を剥ぎ取られた結果、内部の全貌が見えてきた。
以外と中は空洞で内壁は装甲同様に銀色。配線のようなものは見られない。
そして中央部に鎮座するが如く、青白く輝く立方八面体が存在していた。
(そいつが超獣の中枢器官だ! そこを攻撃すれば奴の動きを更に低下させられるはずだ!)
しかしながら金剛石を上回る硬度を誇る金属体弾の超高速の直撃を受けても、海洋戦人の超合金装甲に傷一つ付きはしない。
「……ジュオッ」
無駄な攻撃、とヴァナルガンは判断したのだろう。
鈍い電子音を鳴らすと、頭部に備わる電磁加速砲の射撃と足底部のスラスターの噴射を停止させる
そしてオボロを背後に隠すシキシマを見据えた。
砲撃にしても動くにしても、エネルギーは消費するもの。
目障りな超人はシキシマが遮蔽物となり姿を見せず、その魔人は攻めてこない様子。ゆえに超獣も無駄な行動で浪費しないためにも動きを止めたのだろう。
しかしだからと言ってヴァナルガンは油断などはせず、魔人を注目し続ける。
……いきなりに攻撃を中止してオボロの遮蔽物になる、と言う奇妙な行動。
超獣は知能が高い。あの魔人と超人達はまた何か目論んでいる、と考えるのは当然のこと。
いつでも、どんな攻撃が来ても対処できるように、近すぎず、そして遠すぎない位置で佇む。
いずれにせよ体内の融合器官の修復までの時間を逃げ続ければいいだけのこと、敵が攻撃してこないのであれば不要な行動はせず、対象を警戒しつつ再生に集中すれば良いと、ヴァナルガンは考えたのだろう。
しかし、そんな束の間の戦闘中止は発射音で破られた。
座り込むクサマの両肩部の装甲が展開、さらに方膝をつくシキシマの腹部にあるシャッター状の部位が開いた。
(クサマ、シキシマ、撃てぇ!)
そして二体の魔人に、遥か遠くにいるハクラの指示が伝達された。
「ン゙マッシ!」
「ガァオォォォォン!」
二体の魔人は即応するように咆哮する。
そして放たれしは無数の精密誘導弾と小型魚雷。
大地に佇むヴァナルガンに、轟音を響かせながら幾つもの誘導兵器が目標を違えることなく舵を取る。
「ジュオッ!」
だがしかしヴァナルガンはこの程度のことは予測していたであろう。
高速で向かってくる誘導兵器群に向け、弾種を変更し電磁加速砲を射出する。
速射されしは貫通力に物を言わす徹甲弾ではなく、飛翔体付近で爆散し高速で金属ペレットをばらまく調整爆散弾。
誘導弾群がばらまかれた金属ペレットにより迎撃され、中空で爆炎と黒煙となりはてた。
「ジュオォォォォ!」
だからと言ってヴァナルガンは安心しない。
発生した黒煙を掻き分けて迫ってきたのは、右の噴進鉄拳、さらにその後方には次弾となる左の拳。
誘導弾の爆発で発生した黒煙で視界を塞いでからの波状攻撃。
超獣の脇腹を削いだ時と同じ戦術である。
「ジュオッ!」
しかしやはりこれも予測済み、同じ手はそう何度も通用するはずもなく。
向かってきた二つのロケットパンチをヴァナルガンは横っ飛びで回避せしめた。
噴進鉄拳は高速かつ強力ではあるが、高速ゆえに軌道変更が困難。
高速時の軌道は一直線と分かっていれば、いくら速くとも回避事態はそう難しくはない。
……むろん超獣クラスの凄まじい能力あってこそできる芸当ではあろうが。
「ガァオォォォォン!」
だがそれはシキシマとて理解していよう。超獣に対して、同じ手段がそうそう通用しないことは。
大地を激しく揺さぶりながら黒煙を通り抜けシキシマが猛進する。
そして噴進鉄拳を巧みに避けたヴァナルガンに向け、前蹴りを放った。
しかし超獣はこの第四波の攻撃も察知していたのだろう、足底スラスターを急激に噴射させ大きく後退してシキシマの蹴りをかわした。
「ガァオン!」
だが避けらたことを気にした風もなく、魔人は再び接近してヴァナルガンを蹴り飛ばそうとする。
が、これも容易く避けられた。
そして蹴り攻撃の連続。……だが避けられる。
噴進鉄拳を使用中のため、現状の武器は強固な巨体と足位のもの。
ゆえにシキシマの攻撃が予見されやすいのだろう。
「ジュオッ!?」
だがしかしヴァナルガンはここである重大なことに気づくのであった。
超獣が機能させていたのは量子デバイスを用いた索敵。
あらゆる情報を察知して分析し外敵の位置を探る高性能センサーである。
……が、その機能にあの目障りな超人の反応がないのである。
あの超人は、かなり厄介極まりない。とりつかれようものなら、その対処がどれ程大変だろうか。
ゆえにシキシマの攻撃を避けつつヴァナルガンは周囲にも警戒の視線を巡らせる。
……高性能センサーのみに依存せず、自己の視界でも確認しようとする様はさすが超獣と言えようか。
だがやはりオボロの姿はどこにもない。
一人で逃げ出したのか?
と、その時に轟音が響き渡る。
ヴァナルガンの後方から爆炎を発しながら魔人の両鉄拳が迫って来ていた。
回避された二つの噴進鉄拳が帰ってきたのだろう。
再びヴァナルガンにぶつかろうと、必殺の鉄拳が狂うことなく目標を目指す。
「ジュオォォォォ!」
だがやはりヴァナルガンに真っ直ぐな軌道を読まれ、その巨体に似つかわしくない素早い挙動によって高速の右鉄拳を避けられる。
そして、それよりやや遅れて左の鉄拳が超獣の横を通り抜けようとした。
「よおっ!」
その軽快な声が聞こえたのは、通り抜けようとしていた左鉄拳の手が開かれた時だった。
シキシマの左手のひらに乗っていたのは、四メートル半を軽々と越える超人。
……なぜ超獣の高性能センサーにオボロの反応がなかったのか。
それはシキシマの手の中に潜んでいたがためだった。
ロケットパンチの中に人を忍ばせておく、無論のこと超人でもなければこんな作戦は実行できまい。
「わちゃあぁぁぁぁぁ!!」
そして間いれずにオボロは奇声を響かせシキシマの手から跳躍。
ヴァナルガンの顔面に飛び付いた。
「ジュオォォォォ!」
あまりにも奇っ怪な作戦により超人の密着を許してしまったヴァナルガンは、オボロを振り払うように体を激しく動かした。
が、オボロの握力の前ではその程度の遠心力で振り飛ばすことなどできず。
それに加え両腕もシキシマの分離鉄拳で破壊されてるため、掴んで引き剥がすこともできない。
「さんざんやってくれた礼だぜ!」
そしてオボロは超獣の顔を素早くよじ登ると、右の電磁加速砲の砲身を力任せにねじ曲げて破壊。
さらにそこからヴァナルガンの金属の顔を蹴りつけて跳躍。
今度は左の電磁加速砲に飛び付いて、両腕でその砲身をへし折った。
「これで電磁加速は使えねぇだろう」
さんざん己を痛ぶってくれた武装の破壊。
それに成功したオボロは満足げに凶暴そうな笑みを見せた。
(オボロ! 奴の頭の後ろに向かえ。お前が装甲を剥ぎ取ったおかげで損傷している、その穴をもっと拡げてほしいんだ)
「おう! 任せておけ。穴ぁぶっぴろげてやるぅ!」
そして突如頭の中に響いたハクラの指示に応じ、手足を使ってオボロは超獣の後頭部を目指す。
「ジュオォォォォ!」
電磁加速砲を破壊されたことでヴァナルガンはかなり危険と判断したのだろう。
いっそう激しく体を動かす。
「ガァオォォォォン!」
しかし超獣が相手しないといけないのはオボロだけではない。
オボロに取りつかれて間にもシキシマが攻撃を仕掛けた。
「ジュオォォォォ!」
ヴァナルガンは足底部スラスターを急激に噴射させ、急いで魔人から距離をとろうとしたが……。
(クサマ、あいつを逃がさないで)
「ン゙マッシ!」
ナルミの指示を素直に応じた別の魔人が誘導弾を発射した。
クサマから放たれし誘導兵器が超獣の足下へと向かう、だがもう迎撃はできない。
オボロによって電磁加速砲は全て破壊されたのだから。
ヴァナルガンの足元で幾つもの炸裂が起きた。
だが超獣の装甲を破壊するには至らない、しかしスラスターに異常を与えて停止させるには十分。
大地からわずかに浮上していた銀色の巨体が推進力停止により地面に降り立った。
「ガァオォォォォン!」
そして超獣はシキシマのタックルをもろに胴体部へと食らった。
凄まじい轟音と衝撃が辺りに拡散し、ヴァナルガンは背中から大地に激突。
もちろん超獣にへばりつくオボロにもその余波は来ているだろうが、その腕力と握力で吹っ飛ばされないように耐えしのいでいた。
「よおし今の内だ!」
超獣が立ち上がろうとしている隙にオボロは一気に後頭部へと向かう。
そして装甲の一部が剥がれて内部が露出している部位を発見した。
「あれだな!」
到着するなりオボロは破損した部位の周辺の装甲に爪を突き立てめり込ませた。
体格差と装甲の性能ゆえに打撃で破壊するのは困難だと言うことは分かりきっている。
……だからこそ引きちぎるのだ。
対核装甲を貫く超人の爪、そいつを引っ掻けて超怪力で引っ張ったらどうなるか。
超獣の装甲がメリメリと裂けて剥がれ落ちた。
「まだまだだぁ!」
そして今度は大きく顎を開くと、オボロは変形した装甲に噛みつき引きちぎった。
オボロはあまり戦いで爪や牙は使わないが、いずれにせよ恐るべき破壊力であることは言うまでもなくである。
そして徐々に後頭部の装甲を剥ぎ取られた結果、内部の全貌が見えてきた。
以外と中は空洞で内壁は装甲同様に銀色。配線のようなものは見られない。
そして中央部に鎮座するが如く、青白く輝く立方八面体が存在していた。
(そいつが超獣の中枢器官だ! そこを攻撃すれば奴の動きを更に低下させられるはずだ!)
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