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組織入団テスト編
観察される幼女です。
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「風?」
「なんじゃ、ルリルリ。何かあったのかの~」
「いいや、べつに。ただ、少し冷たい風が吹いていると思っただけ」
「それは、そうなのではないかのう?ここは山の中の森林じゃし。風ぐらい吹くじゃろうて」
「そうなのかな……」
私は少し疑問に感じながらも、先に進むヒマワリの後をついていくのだった。
-???視点-
双眼鏡を片手にその特徴的な深紅色のツインテールを揺らしながら、森林の中を歩く瑠璃たちを観察している存在がいた。
彼女は、いや、彼女たち二人は山頂からその圧倒的な視力による補正を使用しながら、山頂下に散っていった今回の試験参加者を観察していた。
「うんうん、今回はなかなかに優秀な子が多いねぇー。そう思わないかい、静しずか?」
「静と呼ぶのはやめてくださいといつも言っているでしょう。団長。あと、団長の言う通り今年は優秀な子たちが多いようですね。試験が始まってから15分程経ちましたが、もう、配置したエグリマティアスのレベル0個体を倒している子たちもいるようですし、これは、あと30分もしないうちに試験は終わりそうですね」
表情を変えずに静と呼ばれた幼女は、多少のあきらめを含んだ声で団長に返答をする。
「そうだね、まぁ、本当にそう上手くいくかな~」
「……そんなことを言って、まさか、また、いらないことを仕組んでるんじゃないんでしょうね?」
「ん?そんなことしてないよ~」
えへへ!!とまんべんの微笑みを副団長に返すクレア。
その微笑みはまさに、クレアという名の通り女神のようである。
副団長は、あ、これは何かしているなと思ったのだった。
「それより、さっきから、やけにあの参加者のことを気にしているわね団長。彼女、どうかしたの?」
「うんん~なんていうか、妙に気になるんだよねあの娘。他の子たちとはちょっと違う雰囲気を感じるというか、可能性を感じるというか……ううん、上手く言い表せないな~」
「そう。一応、彼女のプロフィールを見ても特にほかの参加者とは変わったところはないわよ。今の時代では珍しくない、家族がエグリアルマティアスに家族を殺されて、その復讐のために半人半異形手術を受け、私たち半人半異形の組織の入団試験を受ける。よくある、参加理由よ」
そういって、彼女は、手に持っていた瑠璃の情報が書かれた紙を破り捨てる。
「あ~あ、破かなくてもいいのに」
「いいじゃない、これはコピーしたものだもの」
「そういうことじゃないんだよね~、まぁ、君のそういうところ嫌いじゃないけど」
そうして、彼女たちはその後も観察を続けるのだった。
「なんじゃ、ルリルリ。何かあったのかの~」
「いいや、べつに。ただ、少し冷たい風が吹いていると思っただけ」
「それは、そうなのではないかのう?ここは山の中の森林じゃし。風ぐらい吹くじゃろうて」
「そうなのかな……」
私は少し疑問に感じながらも、先に進むヒマワリの後をついていくのだった。
-???視点-
双眼鏡を片手にその特徴的な深紅色のツインテールを揺らしながら、森林の中を歩く瑠璃たちを観察している存在がいた。
彼女は、いや、彼女たち二人は山頂からその圧倒的な視力による補正を使用しながら、山頂下に散っていった今回の試験参加者を観察していた。
「うんうん、今回はなかなかに優秀な子が多いねぇー。そう思わないかい、静しずか?」
「静と呼ぶのはやめてくださいといつも言っているでしょう。団長。あと、団長の言う通り今年は優秀な子たちが多いようですね。試験が始まってから15分程経ちましたが、もう、配置したエグリマティアスのレベル0個体を倒している子たちもいるようですし、これは、あと30分もしないうちに試験は終わりそうですね」
表情を変えずに静と呼ばれた幼女は、多少のあきらめを含んだ声で団長に返答をする。
「そうだね、まぁ、本当にそう上手くいくかな~」
「……そんなことを言って、まさか、また、いらないことを仕組んでるんじゃないんでしょうね?」
「ん?そんなことしてないよ~」
えへへ!!とまんべんの微笑みを副団長に返すクレア。
その微笑みはまさに、クレアという名の通り女神のようである。
副団長は、あ、これは何かしているなと思ったのだった。
「それより、さっきから、やけにあの参加者のことを気にしているわね団長。彼女、どうかしたの?」
「うんん~なんていうか、妙に気になるんだよねあの娘。他の子たちとはちょっと違う雰囲気を感じるというか、可能性を感じるというか……ううん、上手く言い表せないな~」
「そう。一応、彼女のプロフィールを見ても特にほかの参加者とは変わったところはないわよ。今の時代では珍しくない、家族がエグリアルマティアスに家族を殺されて、その復讐のために半人半異形手術を受け、私たち半人半異形の組織の入団試験を受ける。よくある、参加理由よ」
そういって、彼女は、手に持っていた瑠璃の情報が書かれた紙を破り捨てる。
「あ~あ、破かなくてもいいのに」
「いいじゃない、これはコピーしたものだもの」
「そういうことじゃないんだよね~、まぁ、君のそういうところ嫌いじゃないけど」
そうして、彼女たちはその後も観察を続けるのだった。
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