『ダンジョンシード』~芽生える異能、彼女の日常~

Nico11

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第32話-侵蝕のポータル、バリキーの影-

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偉大なる者バリキーの眷属。かつて戦った使徒よりも強大で、圧倒的な威圧感。その全身を覆う黒い影はさらに濃く、赤い目の光に宿る憎悪は、まるでこの世界そのものを憎んでいるかのようだった。

「あれが……偉大なる者バリキーの、より強力な眷属……!」

白石先生の声には、深い警戒と、絶対的な決意が込められていた。彼女の戦闘デバイスから放たれるエネルギーフィールドは最大まで強化され、周囲の陰鬱な空気を僅かに押し返している。健太は、対抗クリスタルを多数構え、美咲は新たな種類の強力な麻痺胞子の準備を進めていた。

私は、新しいグローブから偉大なる純粋な光を、かつてよりも強く放ち、周囲の黒い靄を払拭しようと試みる。光は、闇をゆっくりと浄化していくが、ポータルから絶え間なく流れ出す黒いエネルギーによって、すぐに陰鬱な色を取り戻してしまう。

偉大なる者バリキーの眷属は、重い足音を立てながら、黒ずんだ巨大な剣を構えた。剣からは、核を蝕む黒いエネルギーが黒炎となって激しく燃え盛っている。

『……光の導き手よ……無駄な抵抗を……私の意志は絶対だ……すべての光は偉大なる闇に還る……』

眷属を通して伝わってくる、偉大なる者バリキーのテレパシー。それは、かつてよりも遥かに強大で、絶対的な支配への欲望に満ちていた。

「私たちは、決してあなたたちの意志には従わない!」

私は、偉大なる意志に向かって、心の中で強く叫んだ。

新しいグローブから放つ純粋な光を最大まで高め、巨大な剣に向かって撃ち出す。光と黒炎が激しく衝突し、周囲に凄まじいエネルギーの奔流が広がっていく。

しかし、偉大なる者バリキーの眷属の力は強大で、黒炎は容易く純粋な光を押し返してくる。巨大な剣が、目にも止まらぬ速さで何度も振り下ろされ、私たちは防御に追われた。

「このままでは押し切られます!核のエネルギーをさらに高めて!」

白石先生の指示に従い、私は核との共鳴を強化し、新しいグローブを通して、かつてよりも多くの純粋なエネルギーを前方へと注ぐ。光はその輝きを増し、黒炎をゆっくりと押し返し始める。

健太は、対抗クリスタルを眷属に向かって連続して投擲する。クリスタルは命中するたびに奇妙な衝撃を放ち、眷属の周囲の黒いエネルギーを部分的に拡散させる。美咲は、加速の草を使い素早く移動しながら、広範囲に強力な麻痺胞子を散布する。

私たちの連携攻撃により、眷属の動きはわずかに鈍った。その隙を逃さず、私は純粋な光を込めた一撃を眷属に叩き込む。光を纏った拳が、黒ずんだ鎧に深くめり込んだ。

眷属は、金属音を立てて後退し、赤い目をこれまで以上に強く輝かせた。再び、偉大なる者バリキーのテレパシーが私の意識に響き渡る。

『……光の導き手よ……偉大なる者バリキーの怒りを思い知れ……!』

次の瞬間、ポータルからこれまで以上に多量の黒いエネルギーが奔流のように溢れ出し、眷属の体をさらに強化していく。巨大な剣から燃え盛る黒炎はますます激しさを増し、その威圧感はかつてとは比べ物にならなかった。

偉大なる者バリキーの眷属の力が増しています!核のエネルギーを最大限に集中させ、攻撃を防ぎましょう!」

白石先生の叫びに、私は意識を限界まで集中させ、核から流れ込む純粋なエネルギーを新しいグローブに一点集中させた。白い光は絶対的な輝きを放ち、強固な防壁となって眷属の黒炎を受け止める。

光の防壁と黒炎が激しく衝突し、再び凄まじいエネルギーの奔流が辺りを包む。全身を押し潰されそうな圧力の中、私は純粋なエネルギーで何とか抗い続けた。

この圧倒的な力に対抗するためには、私自身の力を、さらに覚醒させるしかない――。
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