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エルネスト・ヴァルトの言葉が、静かにリディアの心に染み込んでいく。
「――俺と正式に婚約すればいい」
それは、救いの言葉のようでもあり、ある種の覚悟を求める提案でもあった。
カルゼリアの英雄と婚約を結ぶということは、ただの個人的な恋愛感情では終わらない。彼は国軍の要であり、王国と国交の要所に立つ人物だ。そこに「リディア・エルフォード」という令嬢が関わることは、両国の関係にも少なからず影響を及ぼす。
(これは……恋と政治の狭間)
リディアはゆっくりと口を開いた。
「――ありがとうございます。私を“守る”ために、そこまで考えてくださるなんて」
「守るだけじゃない」
エルネストははっきりと続けた。
「俺は、お前と生きたい。お前が俺を選んでくれるなら、どんな火の中にも飛び込む。だが、無理強いはしない。これはあくまで“提案”だ」
その真っ直ぐすぎる言葉に、リディアは思わず視線を逸らした。
「本当に……あなたって人は、ずるいわ」
「ずるい?」
「こんな状況で、冷静に“選べ”なんて言われたら、私……」
“あなたを選びたくなってしまう”なんて、言えなかった。
それは、まだ自分の中に整理しきれない想いがあるから。
王太子レオナルドに裏切られた記憶。
自分が見下され、価値を否定された痛み。
それでも「戻ってきてほしい」と言ってきた彼の言葉。
それに、今のエルネストの言葉と視線。
(どちらも……私の人生に、深く関わろうとしている)
だが、リディアはようやく気づきはじめていた。
かつての自分は、“選ばれる”ことばかりを求めていた。
けれど今は――“自分で選ぶ”ことができる。
「……考える時間を、もう少しだけください」
「ああ。だが、動くのは早い方がいい。召喚状が正式に出されれば、事態は厄介になる」
「……分かってます」
エルネストはそれ以上何も言わず、静かに頭を下げてその場を去っていった。
リディアは月明かりの下、そっと目を閉じる。
(どんな決断をしても、後悔しない選択を――私は、私の意思で)
翌朝。
カルゼリア王宮では、召喚状をめぐる外交的な動きが水面下で激しさを増していた。
カルゼリアの国王であるユリウス三世は、エルネストからの報告を受けて、重く沈黙した。
「……やはり、王国は本気で“リディア嬢”を奪い返すつもりか」
「はい。ただの感情論ではありません。彼女を王太子妃として“復帰”させることで、彼らにとっての外交的な“道徳性”を取り戻したいのでしょう」
国王は眉を寄せた。
「レオナルド王太子め……己の過ちを帳消しにするため、相手の人生を利用するとはな」
隣国同士とはいえ、カルゼリアと王国は常に微妙な均衡の上に成り立っている。そこに“婚約破棄された令嬢”の立場が加わることで、思わぬ火種になる可能性があった。
「リディア嬢が望まぬのであれば、カルゼリアとしても保護対象として扱って構わぬ」
「はっ。陛下のご決断に感謝します」
エルネストはその場を下がると、すぐに迎賓館へと戻った。
(……彼女に、決断を急かすようなことはしたくない)
だが、時間は限られている。敵が動けば、こちらも備えなければならない。
そのとき、別の騎士が駆け込んできた。
「報告! 王国の使節団が、彼女を“王族の名誉を傷つけた”として告発しようとしています!」
「……は?」
エルネストの目が鋭く細められる。
「それは、つまり……彼女を“罪人”として扱う気か」
「はい。“婚約破棄後に他国の要人に取り入った”と見なす可能性も」
「くだらん。貴族の婚約問題を、国事にすり替える気か」
怒気を孕んだ声に、周囲の騎士たちも黙り込んだ。
その瞬間、エルネストの脳裏にある考えがよぎる。
――これは、外交戦だ。
リディアというひとりの女性をめぐって、王国とカルゼリアが睨み合っている。
(だからこそ……彼女には“自分の意志”で立ってもらうしかない)
午後。迎賓館の一室にて。
リディアは筆を走らせていた。
一枚の手紙。宛先は――レオナルド・アルセイン王太子。
――私は、あなたの元には戻りません。
たったそれだけの言葉を書くのに、数時間も悩んだ。
けれど、ようやくリディアの心は決まりつつあった。
ドアをノックし、侍女がそっと入ってきた。
「リディア様、エルネスト様より、少しだけお時間を頂けないかと」
「……ええ。ちょうど、私もお話がしたかったの」
中庭の小さな東屋。
そこに座るエルネストは、珍しく少し疲れた顔をしていた。
「……疲れてます?」
「少しな。俺は剣を振るう方が性に合ってる。こういう駆け引きは、正直面倒だ」
「それでも、あなたは私のために動いてくれてる」
「当たり前だ。お前は、俺が“守りたい”と決めた人間だからな」
リディアは微笑み、手紙を差し出した。
「これ……王太子に渡してもらえますか」
受け取ったエルネストは、一読して目を細めた。
「……はっきりしてるな。“私は、あなたの元には戻りません”。その一言だけとは」
「迷いを残すと、相手につけこまれる。もう私は“選ばれる側”じゃない。“選ぶ側”として生きていきたいの」
その言葉に、エルネストは深く頷いた。
「なら――俺からも言わせてくれ」
彼は立ち上がり、リディアの前に膝をつく。
「リディア・エルフォード。お前を正式に、俺の婚約者として迎えたい」
再び告げられた求婚。
今回は周囲の視線もなく、ただ二人きりの空間で。
リディアは静かに、そして穏やかに――
「……はい、と言うには、まだ早いかもしれません。でも、私はもう逃げません。自分の未来は、自分で選びます」
「それで十分だ」
エルネストは、リディアの手をそっと握った。
その手の温もりは、これまでのどんな関係よりも誠実で、安心できるものだった。
――だがその翌日、王国が“正式な召喚状”を発行したという報が届く。
それは、リディアが王国の王宮へ強制的に戻される可能性があることを意味していた。
(やはり来たか……)
戦いは、これからが本番。
だが、リディアの表情には、もう怯えや迷いはなかった。
「――俺と正式に婚約すればいい」
それは、救いの言葉のようでもあり、ある種の覚悟を求める提案でもあった。
カルゼリアの英雄と婚約を結ぶということは、ただの個人的な恋愛感情では終わらない。彼は国軍の要であり、王国と国交の要所に立つ人物だ。そこに「リディア・エルフォード」という令嬢が関わることは、両国の関係にも少なからず影響を及ぼす。
(これは……恋と政治の狭間)
リディアはゆっくりと口を開いた。
「――ありがとうございます。私を“守る”ために、そこまで考えてくださるなんて」
「守るだけじゃない」
エルネストははっきりと続けた。
「俺は、お前と生きたい。お前が俺を選んでくれるなら、どんな火の中にも飛び込む。だが、無理強いはしない。これはあくまで“提案”だ」
その真っ直ぐすぎる言葉に、リディアは思わず視線を逸らした。
「本当に……あなたって人は、ずるいわ」
「ずるい?」
「こんな状況で、冷静に“選べ”なんて言われたら、私……」
“あなたを選びたくなってしまう”なんて、言えなかった。
それは、まだ自分の中に整理しきれない想いがあるから。
王太子レオナルドに裏切られた記憶。
自分が見下され、価値を否定された痛み。
それでも「戻ってきてほしい」と言ってきた彼の言葉。
それに、今のエルネストの言葉と視線。
(どちらも……私の人生に、深く関わろうとしている)
だが、リディアはようやく気づきはじめていた。
かつての自分は、“選ばれる”ことばかりを求めていた。
けれど今は――“自分で選ぶ”ことができる。
「……考える時間を、もう少しだけください」
「ああ。だが、動くのは早い方がいい。召喚状が正式に出されれば、事態は厄介になる」
「……分かってます」
エルネストはそれ以上何も言わず、静かに頭を下げてその場を去っていった。
リディアは月明かりの下、そっと目を閉じる。
(どんな決断をしても、後悔しない選択を――私は、私の意思で)
翌朝。
カルゼリア王宮では、召喚状をめぐる外交的な動きが水面下で激しさを増していた。
カルゼリアの国王であるユリウス三世は、エルネストからの報告を受けて、重く沈黙した。
「……やはり、王国は本気で“リディア嬢”を奪い返すつもりか」
「はい。ただの感情論ではありません。彼女を王太子妃として“復帰”させることで、彼らにとっての外交的な“道徳性”を取り戻したいのでしょう」
国王は眉を寄せた。
「レオナルド王太子め……己の過ちを帳消しにするため、相手の人生を利用するとはな」
隣国同士とはいえ、カルゼリアと王国は常に微妙な均衡の上に成り立っている。そこに“婚約破棄された令嬢”の立場が加わることで、思わぬ火種になる可能性があった。
「リディア嬢が望まぬのであれば、カルゼリアとしても保護対象として扱って構わぬ」
「はっ。陛下のご決断に感謝します」
エルネストはその場を下がると、すぐに迎賓館へと戻った。
(……彼女に、決断を急かすようなことはしたくない)
だが、時間は限られている。敵が動けば、こちらも備えなければならない。
そのとき、別の騎士が駆け込んできた。
「報告! 王国の使節団が、彼女を“王族の名誉を傷つけた”として告発しようとしています!」
「……は?」
エルネストの目が鋭く細められる。
「それは、つまり……彼女を“罪人”として扱う気か」
「はい。“婚約破棄後に他国の要人に取り入った”と見なす可能性も」
「くだらん。貴族の婚約問題を、国事にすり替える気か」
怒気を孕んだ声に、周囲の騎士たちも黙り込んだ。
その瞬間、エルネストの脳裏にある考えがよぎる。
――これは、外交戦だ。
リディアというひとりの女性をめぐって、王国とカルゼリアが睨み合っている。
(だからこそ……彼女には“自分の意志”で立ってもらうしかない)
午後。迎賓館の一室にて。
リディアは筆を走らせていた。
一枚の手紙。宛先は――レオナルド・アルセイン王太子。
――私は、あなたの元には戻りません。
たったそれだけの言葉を書くのに、数時間も悩んだ。
けれど、ようやくリディアの心は決まりつつあった。
ドアをノックし、侍女がそっと入ってきた。
「リディア様、エルネスト様より、少しだけお時間を頂けないかと」
「……ええ。ちょうど、私もお話がしたかったの」
中庭の小さな東屋。
そこに座るエルネストは、珍しく少し疲れた顔をしていた。
「……疲れてます?」
「少しな。俺は剣を振るう方が性に合ってる。こういう駆け引きは、正直面倒だ」
「それでも、あなたは私のために動いてくれてる」
「当たり前だ。お前は、俺が“守りたい”と決めた人間だからな」
リディアは微笑み、手紙を差し出した。
「これ……王太子に渡してもらえますか」
受け取ったエルネストは、一読して目を細めた。
「……はっきりしてるな。“私は、あなたの元には戻りません”。その一言だけとは」
「迷いを残すと、相手につけこまれる。もう私は“選ばれる側”じゃない。“選ぶ側”として生きていきたいの」
その言葉に、エルネストは深く頷いた。
「なら――俺からも言わせてくれ」
彼は立ち上がり、リディアの前に膝をつく。
「リディア・エルフォード。お前を正式に、俺の婚約者として迎えたい」
再び告げられた求婚。
今回は周囲の視線もなく、ただ二人きりの空間で。
リディアは静かに、そして穏やかに――
「……はい、と言うには、まだ早いかもしれません。でも、私はもう逃げません。自分の未来は、自分で選びます」
「それで十分だ」
エルネストは、リディアの手をそっと握った。
その手の温もりは、これまでのどんな関係よりも誠実で、安心できるものだった。
――だがその翌日、王国が“正式な召喚状”を発行したという報が届く。
それは、リディアが王国の王宮へ強制的に戻される可能性があることを意味していた。
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