「お前に価値はない」と婚約破棄された令嬢、隣国の英雄に求婚されて即・再婚決定です

 大広間に響き渡る王太子の声は、まるで判決を言い渡す裁判官のようだった。

「――リディア・エルフォード。お前との婚約を、ここに破棄する」

 その一言に、場の空気が凍りついた。

 貴族たちのざわめきが、冷えた空気に乗って広がっていく。だが当の本人、リディアは静かに立っていた。整った栗色の髪を結い上げ、瑠璃色のドレスをまとった姿は、侮辱を受けたというのになお気品を失っていなかった。

「理由をお聞きしても?」

 リディアは静かに問いかけた。
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