最弱スキル【鑑定】しかないと言われた俺、実は最強の切り札でした 〜勇者パーティーを追放された俺の逆転劇〜

鳴神 祈

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第29章

勇者の罠

◆ 王都での日常

 謁見を終えて数日、俺たちは王都の宿に滞在していた。
 表向きは「勇者一行との協力を期待されている」らしいが、実際は俺たちに対する監視の目を強く感じる。

「買い物に出るだけで、兵士に尾けられるなんて……」
 リナが不安そうに呟く。

 ミリアは剣の手入れをしながら渋い顔をした。
「やっぱり勇者たちが裏で仕組んでいるんだわ」

 俺は頷きながらも、心の中で冷静に状況を分析する。
(表では英雄を装いながら、裏では俺を潰す気か……)



◆ 不意の事件

 その夜、王都の広場で騒ぎが起きた。
 貴族の馬車が襲われ、金品が奪われたという。

 そして翌朝――ギルドに張り出された通達を見て、俺は息を呑んだ。
《容疑者:鑑定士ユウマ》

「なっ……!」リナが絶句する。
「完全にハメられたな」カインが低く唸る。
 ミリアは怒りに震えながら紙を破り捨てた。

「証拠が捏造されてるんだわ! こんなの勇者たちの仕業に決まってる!」



◆ 勇者の影

 その日の夕刻、アルトが兵士を連れて現れた。
「ユウマ。どうやらお前がやったらしいな。残念だ……」

 わざとらしく肩をすくめる勇者。
 俺は睨みつけ、低く返す。
「嘘を重ねるな。お前たちの罠だろう」

 だが兵士たちはアルトの言葉を信じ、俺たちを取り囲む。
 広場には野次馬が集まり、俺を疑わしげに見る視線が突き刺さった。

(……このまま捕まれば、すべてを失う)



◆ 決断

 カインが剣に手をかける。
「ユウマ、ここは斬り抜けるしかないぞ!」

 リナが慌てて声を上げる。
「でも兵士に刃を向けたら……!」

 俺は一瞬だけ考え、仲間に短く告げた。
「逃げるぞ」

 次の瞬間、ミリアが盾を構えて兵士たちを押しのけ、俺たちは路地裏へと駆け出した。

 夜の王都を駆け抜けながら、俺は強く心に誓う。
(絶対に証明してやる……勇者の正体を、この世界に暴いてやる!)
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