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プロローグ
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「レイ、どこにもいかないで。俺の世話係が嫌なら、仕事はしなくていい。ただ隣にいてくれるだけでいいから、目の前から消えないで」
そう言い、この世界での私の同僚――アイザックは、私を両腕の中に閉じ込めた。
すらりと背が高い彼に抱きしめられると、私はもう逃げられなくない。
見た目は細身でしなやかなのに、彼が腕に力を込めると、私では解けない。
アイザックは、この世界に迷い込んできた私を拾ってくれた魔導旅芸人一座の一員で、道化師をしている青年だ。
この世界で頼る当てのない私は、彼の世話係をして住みこみで働いていて。
端正で甘さのある顔立ちだから、道化師のメイクをするのはもったいないといつも思ってしまう。
道化師のメイクをしていても、美形なのが滲み出ているのだけれど。
陶器のように白く滑らかな肌に、雪のような白銀の、ウェーブがかかったふんわりとした髪。
切れ長の目の色は赤色で、髪と同じく白銀の睫毛に縁どられていて、まるで精巧な人形のように綺麗だ。
鼻筋はすっと通っていて彫りが深く、薄く形が整っている唇はほんのりとしたピンク色。
いつもは飄々としていて捉えどころのない彼なのに、今はすっかり弱り切っていて、その声がか細くて。
もしかしてと思った私は、身を捩って彼の顔を見上げる。
その頬に涙が伝っているのが見えて、嬉しくなって頬が緩んだ。
「アイザック、ようやく泣けたんだね。……良かった」
「――っ!」
驚いて顔を上げたアイザックの頬に触れて、そっと涙を拭う。
(少しは心を開いてくれたのかな?)
誰にも心を開かず、笑顔の仮面を被っていたアイザックが本当の心を見せてくれたのが嬉しくて。
口元がによによとしたまま見つめていると、不意にアイザックは私の手に自分の手を重ねた。
「好いた相手が目の前から消えてしまいそうになったら、さすがに泣かずにはいられないでしょ?」
「えっ?」
突然の告白に、今度は私が驚かされる。
(え、えっと……私のことが好き? どうして?)
アイザックはこれまでに一度もそんな素振りを見せなかったし、彼の周りには美女や可愛い女の子がいっぱいいるのに、地味な私なんかを好きになるはずがない。
いくつもの疑問符が頭の中でぐるぐると渦巻いて、キャパオーバーなっていると。
泣いてもなお美しいアイザックの顔が、ゆっくりと近づいてきた。
そう言い、この世界での私の同僚――アイザックは、私を両腕の中に閉じ込めた。
すらりと背が高い彼に抱きしめられると、私はもう逃げられなくない。
見た目は細身でしなやかなのに、彼が腕に力を込めると、私では解けない。
アイザックは、この世界に迷い込んできた私を拾ってくれた魔導旅芸人一座の一員で、道化師をしている青年だ。
この世界で頼る当てのない私は、彼の世話係をして住みこみで働いていて。
端正で甘さのある顔立ちだから、道化師のメイクをするのはもったいないといつも思ってしまう。
道化師のメイクをしていても、美形なのが滲み出ているのだけれど。
陶器のように白く滑らかな肌に、雪のような白銀の、ウェーブがかかったふんわりとした髪。
切れ長の目の色は赤色で、髪と同じく白銀の睫毛に縁どられていて、まるで精巧な人形のように綺麗だ。
鼻筋はすっと通っていて彫りが深く、薄く形が整っている唇はほんのりとしたピンク色。
いつもは飄々としていて捉えどころのない彼なのに、今はすっかり弱り切っていて、その声がか細くて。
もしかしてと思った私は、身を捩って彼の顔を見上げる。
その頬に涙が伝っているのが見えて、嬉しくなって頬が緩んだ。
「アイザック、ようやく泣けたんだね。……良かった」
「――っ!」
驚いて顔を上げたアイザックの頬に触れて、そっと涙を拭う。
(少しは心を開いてくれたのかな?)
誰にも心を開かず、笑顔の仮面を被っていたアイザックが本当の心を見せてくれたのが嬉しくて。
口元がによによとしたまま見つめていると、不意にアイザックは私の手に自分の手を重ねた。
「好いた相手が目の前から消えてしまいそうになったら、さすがに泣かずにはいられないでしょ?」
「えっ?」
突然の告白に、今度は私が驚かされる。
(え、えっと……私のことが好き? どうして?)
アイザックはこれまでに一度もそんな素振りを見せなかったし、彼の周りには美女や可愛い女の子がいっぱいいるのに、地味な私なんかを好きになるはずがない。
いくつもの疑問符が頭の中でぐるぐると渦巻いて、キャパオーバーなっていると。
泣いてもなお美しいアイザックの顔が、ゆっくりと近づいてきた。
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