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第四章
04.素直に伝えるには
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しばらくして、エディが事務所からジーンを連れて戻ってきた。
「ジーンさん、仕事を中断させてしまってごめんなさい」
謝るリーゼに、ジーンはふわりと柔らかな笑みを零す。
「いいんですよ。ちょうど息抜きをしたかったので」
終業後も仕事をしているのだから絶対に忙しいだろうに、とリーゼは申し訳なく思う。
リーゼが気を揉まないよう優しい嘘をついてくれるのだとわかったのだ。
エディとジーンにはお世話になってばかりだ。
(今度お菓子を作ってお礼に渡そう)
そう心の中で決心した。
見張り役のジーンが到着したためノクターンが席を立とうとすると、不意にジーンがノクターンを呼び止めた。
「スタイナー大佐は亡霊のすすり泣きの噂をご存じですか?」
その問いかけに、ノクターンは目だけを動かしてジーンの顔を見た。
二人の間に奇妙な緊張感が走る。
「亡霊のすすり泣き?」
オウム返しに聞き返したノクターンが、もう一度席に座り直した。
話を続けようとするノクターンを見て、リーゼは密かに驚いていた。
(現実主義のノクターンが幽霊の話に興味を持つなんて珍しい……)
魔法も妖精も信じないノクターンはそのような怪談に興味がない。
前にブライアンが話して聞かせた時だって鼻で笑っていた。
そんなノクターンが話の続きを促すように聞き返したのが意外なのだ。
「ええ、国内各地にいる工員たちから聞いた話なので、少し気がかりになっておりまして。うちは従業員全員が働きやすい会社を目指しているので、従業員たちの不安を解消するために調査をしております」
「……そういえば、ネザーフィールド社はストレーシス国各地に工場を持っていたな」
「はい。ですので、新聞社と同じくらい早くに国内の情報を得られますよ?」
新聞社も国内各地に支社があるが、ネザーフィールド社が保有する工場に比べたら数が知れている。
そうなればネザーフィールド社の方が新聞社よりも地元の情報に通じてると言っても過言ではないだろう。
「オブライト殿の見解は?」
「私の分析では、比較的人口の多い町で起こっているように思えます」
「その根拠は?」
「話してくれた工員たちの住む町を地図に書き込むと、地域に偏りなく『人口が多く』て『貧民街』がある地域で起こっていますね」
「……なるほどな」
ノクターンは誰に言うともなく独り言ちた。
「オブライト殿、明日の朝また会おう」
「ええ、お待ちしております」
椅子から立ち上がったノクターンはテーブルの上にお金を残して店を出た。
見てみると、リーゼだけではなくエディたちの分も支払えるくらいの金額だ。
「彼、随分と穏やかになりましたね」
ジーンの言葉にリーゼは首肯する。
「どうやら考え直してくれたみたいです。昨日言い争いをしたばかりで仲直りしてないのに……」
「おや、それでスタイナー大佐は私がいたらエディと会ってもいいと言ってくれたんですね。本当にリーゼさんに弱いと言いますか……改めて、とても大切にされているのがわかります」
リーゼはジーンの言葉に肯定も否定もせず曖昧に相槌を打った。
大切にされていることくらいわかっている。
だからこそ、どうしたらいいのかわからないのだ。
今回の喧嘩の着地点をどこにするのかを。
「実はノクターンとどう仲直りしたらいいのかわからなくて困っています。ノクターンの言動は私のためだとわかっていますが、やることが極端なんです。だから止めてほしくて、意地悪なことをいっぱい言ったし無視したりしました。そしたらノクターンなりに考えて折れてくれたので、なんだか私ばかり我儘を言っているようで後ろめたいんです」
あくまでノクターンはリーゼのためを思って行動してくれている。
それなのに無視したり、意地悪なことを言ってしまった。
「ノクターンに酷いことをしたのは謝りたいですけど、でもまた今回の時のように私の周りにいる人を警戒するのは止めてほしいですし……それで、仲直りする時の落としどころについて悩んでいます」
「なるほどねぇ」
これまでリーゼの話を黙って聞いていたエディが相槌を打つ。
「思ったことを素直に話したらいいんだよ。感謝の気持ちも止めてほしいことも、一度全部伝えるといいんじゃないかな?」
エディは珈琲を一口飲むと、いつの間にか頼んでいたショートケーキを口に運ぶ。
「大丈夫。きっとスタイナー大佐ならリーゼちゃんの言葉を丸っと受け止めると思うよ?」
と、エディが適当な回答をしたものだから、ジーンに小突かれた。
ジーンは不安に俯くリーゼに優しく声をかける。
「何事も相手との話し合いが大切ですからね。勇気がいることですが、改めて言い争ったことについてスタイナー大佐にお話してみてください」
「やってみます……!」
小さく拳を握るリーゼはやる気満々だ。
そんな彼女を見て、エディは眩しいものを見るように目を細めた。
リーゼを家に送り届けたエディとジーンは事務所に戻った。
「あ~あ。悲しい立ち位置だなぁ。俺、けっこう本気でリーゼちゃんのこと好きなのに敵のために尽くし過ぎじゃない?」
「確かに、お前にしてはずっと惚れているよな」
エディは力なく椅子の背に体を預けると、窓ガラスを見遣る。
窓ガラスに映る、ジーン・オブライトの姿を。
「それで、ジーンの方はどうなの?」
「どう、とは?」
「リーゼちゃんのことだよ。俺が突然連れて来て雇うと言っても反対しなかったのは、ちょうどお前もリーゼちゃんに用があったからだろう?」
わずかな間があった後、ジーンが笑い声を上げた。
「……はっ。鋭いな」
「敏腕実業家の俺を舐めているのか? 人の倍は勘が働くぜ?」
「さすがだな。だけどこれ以上首を突っ込むな。厄介なのが絡んでいるから無視してくれ」
これはあくまでうちの問題だと言い、ジーンは線を引いた。
その言葉に、エディの方眉が持ち上がる。
「なんのことかわからないけど、ひとまず探し物が見つかって良かったな?」
「ああ、見つけるのに苦労したからな。父も私も」
暗闇に満ちた窓が鏡のように室内を映す。
その黒い世界で、ジーンはどことも言えない一点を見つめて物思いに耽っていた。
***
帰宅したリーゼはノクターンと話す時を待っていたのだが、ノクターンは家に帰ってくるなり「夜勤が入った」と言って荷造りを始めてしまった。
「い、今から仕事に行くの?」
「ああ。急にすることになった。明日の朝には帰ってこられるとは思う」
夜勤なんて久しぶりだ。
ノクターンが大佐に昇進してからはなくなっていたのにまた始まるなんて、それほど多忙になっているに違いない。
(どうしよう。このままだと次にノクターンと話せるのが先になってしまいそう)
不安を抱えたリーゼは、ノクターンを外まで見送る。
ノクターンは暗くなり始めた夜空を見上げた。
「三日月が随分と細くなっているな。また新月の夜が来そうだ」
「うん……そうだね」
なぜか昔からノクターンは月の満ち欠けをよく気にしている。
観察するのが好きなのかもしれないと思っていたのだが、それにしては満月には興味がなく、やたら新月までの日数を気にしているのだ。
「ノクターン、あのね……」
「なんだ?」
もの言いたげなリーゼの様子に違和感を覚えたノクターンが体を屈めて目線を合わす。
視線が絡み合った途端、リーゼは慌ててノクターンを抱きしめて彼の胸元に顔を埋めた。
「――っ! 急にどうした?」
「ノクターンの顔を見たら、上手く言えないと思うからこのままでいて」
「わ……わかった」
ノクターンは荷物を持っていない方の手でリーゼの頭を撫でた。
「無視したり意地悪なことを言ってごめん。エディのことちゃんとわかってほしかったのに、ノクターンがエディの否定ばかりして悲しかったし腹が立ったの」
「……」
「だけどね、ノクターンが私を心配してそうしてくれていたことはわかっているよ。それに、感謝している」
「……そうか」
「でもね、もう少しお手柔らかにしてほしいって思うことがあるの。だから、これからは今回みたいなことがあれば話し合って、お互いの妥協点を決めさせて?」
そう言い、ノクターンの胸元にさらに顔を埋める。
耳に届く早い鼓動はどちらのものかわからない。
「わかった。リーゼがそうしたいのなら話合おう」
「ありがと」
ノクターンから離れたリーゼは、両手で頬を隠す。
自分からしたことだとはいえ、今更になってノクターンに顔を埋めて抱きついていたことが恥ずかしくなったのだ。
「じゃあね! 気をつけていってらっしゃい!」
風のようにあっという間に家の中に入ったリーゼを、ノクターンは茫然と見送る。
リーゼが顔を埋めていた辺りに手を当てながら。
「ジーンさん、仕事を中断させてしまってごめんなさい」
謝るリーゼに、ジーンはふわりと柔らかな笑みを零す。
「いいんですよ。ちょうど息抜きをしたかったので」
終業後も仕事をしているのだから絶対に忙しいだろうに、とリーゼは申し訳なく思う。
リーゼが気を揉まないよう優しい嘘をついてくれるのだとわかったのだ。
エディとジーンにはお世話になってばかりだ。
(今度お菓子を作ってお礼に渡そう)
そう心の中で決心した。
見張り役のジーンが到着したためノクターンが席を立とうとすると、不意にジーンがノクターンを呼び止めた。
「スタイナー大佐は亡霊のすすり泣きの噂をご存じですか?」
その問いかけに、ノクターンは目だけを動かしてジーンの顔を見た。
二人の間に奇妙な緊張感が走る。
「亡霊のすすり泣き?」
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話を続けようとするノクターンを見て、リーゼは密かに驚いていた。
(現実主義のノクターンが幽霊の話に興味を持つなんて珍しい……)
魔法も妖精も信じないノクターンはそのような怪談に興味がない。
前にブライアンが話して聞かせた時だって鼻で笑っていた。
そんなノクターンが話の続きを促すように聞き返したのが意外なのだ。
「ええ、国内各地にいる工員たちから聞いた話なので、少し気がかりになっておりまして。うちは従業員全員が働きやすい会社を目指しているので、従業員たちの不安を解消するために調査をしております」
「……そういえば、ネザーフィールド社はストレーシス国各地に工場を持っていたな」
「はい。ですので、新聞社と同じくらい早くに国内の情報を得られますよ?」
新聞社も国内各地に支社があるが、ネザーフィールド社が保有する工場に比べたら数が知れている。
そうなればネザーフィールド社の方が新聞社よりも地元の情報に通じてると言っても過言ではないだろう。
「オブライト殿の見解は?」
「私の分析では、比較的人口の多い町で起こっているように思えます」
「その根拠は?」
「話してくれた工員たちの住む町を地図に書き込むと、地域に偏りなく『人口が多く』て『貧民街』がある地域で起こっていますね」
「……なるほどな」
ノクターンは誰に言うともなく独り言ちた。
「オブライト殿、明日の朝また会おう」
「ええ、お待ちしております」
椅子から立ち上がったノクターンはテーブルの上にお金を残して店を出た。
見てみると、リーゼだけではなくエディたちの分も支払えるくらいの金額だ。
「彼、随分と穏やかになりましたね」
ジーンの言葉にリーゼは首肯する。
「どうやら考え直してくれたみたいです。昨日言い争いをしたばかりで仲直りしてないのに……」
「おや、それでスタイナー大佐は私がいたらエディと会ってもいいと言ってくれたんですね。本当にリーゼさんに弱いと言いますか……改めて、とても大切にされているのがわかります」
リーゼはジーンの言葉に肯定も否定もせず曖昧に相槌を打った。
大切にされていることくらいわかっている。
だからこそ、どうしたらいいのかわからないのだ。
今回の喧嘩の着地点をどこにするのかを。
「実はノクターンとどう仲直りしたらいいのかわからなくて困っています。ノクターンの言動は私のためだとわかっていますが、やることが極端なんです。だから止めてほしくて、意地悪なことをいっぱい言ったし無視したりしました。そしたらノクターンなりに考えて折れてくれたので、なんだか私ばかり我儘を言っているようで後ろめたいんです」
あくまでノクターンはリーゼのためを思って行動してくれている。
それなのに無視したり、意地悪なことを言ってしまった。
「ノクターンに酷いことをしたのは謝りたいですけど、でもまた今回の時のように私の周りにいる人を警戒するのは止めてほしいですし……それで、仲直りする時の落としどころについて悩んでいます」
「なるほどねぇ」
これまでリーゼの話を黙って聞いていたエディが相槌を打つ。
「思ったことを素直に話したらいいんだよ。感謝の気持ちも止めてほしいことも、一度全部伝えるといいんじゃないかな?」
エディは珈琲を一口飲むと、いつの間にか頼んでいたショートケーキを口に運ぶ。
「大丈夫。きっとスタイナー大佐ならリーゼちゃんの言葉を丸っと受け止めると思うよ?」
と、エディが適当な回答をしたものだから、ジーンに小突かれた。
ジーンは不安に俯くリーゼに優しく声をかける。
「何事も相手との話し合いが大切ですからね。勇気がいることですが、改めて言い争ったことについてスタイナー大佐にお話してみてください」
「やってみます……!」
小さく拳を握るリーゼはやる気満々だ。
そんな彼女を見て、エディは眩しいものを見るように目を細めた。
リーゼを家に送り届けたエディとジーンは事務所に戻った。
「あ~あ。悲しい立ち位置だなぁ。俺、けっこう本気でリーゼちゃんのこと好きなのに敵のために尽くし過ぎじゃない?」
「確かに、お前にしてはずっと惚れているよな」
エディは力なく椅子の背に体を預けると、窓ガラスを見遣る。
窓ガラスに映る、ジーン・オブライトの姿を。
「それで、ジーンの方はどうなの?」
「どう、とは?」
「リーゼちゃんのことだよ。俺が突然連れて来て雇うと言っても反対しなかったのは、ちょうどお前もリーゼちゃんに用があったからだろう?」
わずかな間があった後、ジーンが笑い声を上げた。
「……はっ。鋭いな」
「敏腕実業家の俺を舐めているのか? 人の倍は勘が働くぜ?」
「さすがだな。だけどこれ以上首を突っ込むな。厄介なのが絡んでいるから無視してくれ」
これはあくまでうちの問題だと言い、ジーンは線を引いた。
その言葉に、エディの方眉が持ち上がる。
「なんのことかわからないけど、ひとまず探し物が見つかって良かったな?」
「ああ、見つけるのに苦労したからな。父も私も」
暗闇に満ちた窓が鏡のように室内を映す。
その黒い世界で、ジーンはどことも言えない一点を見つめて物思いに耽っていた。
***
帰宅したリーゼはノクターンと話す時を待っていたのだが、ノクターンは家に帰ってくるなり「夜勤が入った」と言って荷造りを始めてしまった。
「い、今から仕事に行くの?」
「ああ。急にすることになった。明日の朝には帰ってこられるとは思う」
夜勤なんて久しぶりだ。
ノクターンが大佐に昇進してからはなくなっていたのにまた始まるなんて、それほど多忙になっているに違いない。
(どうしよう。このままだと次にノクターンと話せるのが先になってしまいそう)
不安を抱えたリーゼは、ノクターンを外まで見送る。
ノクターンは暗くなり始めた夜空を見上げた。
「三日月が随分と細くなっているな。また新月の夜が来そうだ」
「うん……そうだね」
なぜか昔からノクターンは月の満ち欠けをよく気にしている。
観察するのが好きなのかもしれないと思っていたのだが、それにしては満月には興味がなく、やたら新月までの日数を気にしているのだ。
「ノクターン、あのね……」
「なんだ?」
もの言いたげなリーゼの様子に違和感を覚えたノクターンが体を屈めて目線を合わす。
視線が絡み合った途端、リーゼは慌ててノクターンを抱きしめて彼の胸元に顔を埋めた。
「――っ! 急にどうした?」
「ノクターンの顔を見たら、上手く言えないと思うからこのままでいて」
「わ……わかった」
ノクターンは荷物を持っていない方の手でリーゼの頭を撫でた。
「無視したり意地悪なことを言ってごめん。エディのことちゃんとわかってほしかったのに、ノクターンがエディの否定ばかりして悲しかったし腹が立ったの」
「……」
「だけどね、ノクターンが私を心配してそうしてくれていたことはわかっているよ。それに、感謝している」
「……そうか」
「でもね、もう少しお手柔らかにしてほしいって思うことがあるの。だから、これからは今回みたいなことがあれば話し合って、お互いの妥協点を決めさせて?」
そう言い、ノクターンの胸元にさらに顔を埋める。
耳に届く早い鼓動はどちらのものかわからない。
「わかった。リーゼがそうしたいのなら話合おう」
「ありがと」
ノクターンから離れたリーゼは、両手で頬を隠す。
自分からしたことだとはいえ、今更になってノクターンに顔を埋めて抱きついていたことが恥ずかしくなったのだ。
「じゃあね! 気をつけていってらっしゃい!」
風のようにあっという間に家の中に入ったリーゼを、ノクターンは茫然と見送る。
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