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第一章 聖女の髪飾り
11.落としどころ
しおりを挟む白い扉には銀で描かれた夜空が広がっていた。その扉を見るたびに、ミモザはなんだか困ったような気持ちになってしまう。
聖女アルティナが暮らす屋敷は彼女の身分から考えるとこぢんまりとしているものの居心地がよく、落ち着いていた。家具や食器、寝具や衣装――聖女の身の回りのものはどれも派手過ぎず、上品で、ひと目で質の良さがよくわかる。
アルディモアはザルガンドの目が気になるのももちろんあるだろうが、元々国を豊かにしてくれる聖女という存在を大切にする国だった。この聖女の館はそんな国が心をつくし、また、聖女アルティナが籍を置くこの辺りの領地を治める辺境伯家の支援もあってこういう居心地のいい空間を生み出していた。
一方で、聖女の身の回りの世話をする従者は聖女に取り入りたい者が親類縁者を送ってくることもあり、その中には当然我欲が強すぎるなど問題をはらんでいる者も混ざっていたため聖女が本当の意味で信頼できる者は限られていた。
ノックをしようと手を上げて、中から聞こえた話し声にミモザはその手を止めた。部屋に控えている他の従者がアルティナと話しているのだろう。ミモザがアルティナに呼ばれるたびにこの言い合いはいつも起きる。
「――わかりません。あの者には後ろ盾どころか身分の保証もありません。聖女様のためになるとは思えません」
「こんな年寄りの周りに後ろ盾のある子がいたってしょうがないでしょう」
アルティナの声は随分とあきれていた。
「しかし浮浪児など……魔族より多少マシかもしれませんが汚らしい――」
「そのような言い方は許しませんよ。ああいう子どもたちがいるのはわたしたち貴族も含め大人たちの責任です。それに魔族のことを悪く言うのもやめなさいといつも言っているでしょう」
部屋の中にいる従者は、アルティナの父親が魔族であることを知らないか、都合よく忘れているらしい……ミモザはため息を落とし、今度こそノックをした。中の会話がこれ以上つづけばアルティナばかり不快な思いをすることになる。
ノックの音と共に部屋の中はしんとした。少しの間を置いた後、アルティナの入室をうながす声が聞こえ、ミモザは静かに部屋の中へと入っていった。
部屋の真ん中にはベッドがあり、アルティナは体を起こした状態でその上にいた。周囲にいた数人の従者がミモザと入れ替わりに扉近くの壁際に控える。ミモザに憎しみのこもった視線を向けながら。
「ごめんなさいね」と言うようにアルティナが目配せをしたので、ミモザは小さく首を振った。すすめられるままにベッドの傍にあった椅子に腰かける。「何かご用ですか?」とミモザはたずねた。
「そこの一番上の引き出しを開けてくれる?」
ベッドの傍、ミモザが座る椅子のすぐ傍らにあるチェストを差してアルティナが言った。そこ開けるとすぐに真っ白な布でくるまれた何かがすぐに目についた。それを取って欲しいと言われ、布に包まれたままアルティナの年相応の、しかし美しい手に乗せると、アルティナはゆっくりとその布をはずした。
銀の髪飾りだった。
ミモザもよく知っている髪飾りだ。前世で、ミモザが彼から贈られたもの――アルティナの手元にあるなんて。思わずアルティナの少し赤みの帯びた金色の瞳を見つめてしまう。やさしく微笑んだ彼女は「これをあなたに預けたいの」と告げた。
「わたしの父に、届けて欲しいのよ」
*** ***
「う……嘘です!!」
引き裂くようなヴァルヴァラの悲鳴が、その過去の光景を見つめていた部屋の全員を現実へと引き戻した。部屋の中ではあの日の光景が流れたままになっている。
「その魔道具とやらは本当に信じられるのですか!? それに、その者も魔族なのでしょう!? ならば魔法で偽りを見せているのでは!!?」
「それはあなたの記憶を映し出せばわかることです」
ミモザの記憶には、今よりも若いヴァルヴァラの姿が確かにあった。ミモザがアルティナに近づく際に睨みつけるようにしてすれ違った者の一人だ。
「どうぞ、手を――」
エメが差し出した手を侍女は明らかに怯えたように見た。もう答えは決まっているようなものだった。
「だ……誰がそのような手を取るものですか!! 魔族の手などおぞましい!!」
部屋の空気が一気に冷たくなるのを感じた。パランティアは年の功か眉を少し動かしただけでいつもと表情こそ変わらなかったが、シトロンとエメは明らかに不快そうな顔をした。先ほどの記憶の中で扉越しに誰かが「汚らしい魔族」というような意味の言葉を吐いた時も二人の表情は冷ややかだった。
「お黙りなさい」
部屋に走った緊張を霧散させるように鋭い声が飛んだ。リリアナだ。彼女もまた、冷たい視線をヴァルヴァラに向けていた。
――ごめんなさい、ミモザ。
つづけるように別の声がした。ミモザの手は魔道具に置かれたままで記憶は映像として未だ室内に流れている。気づけば過去のミモザはアルティナと二人きりになっていた。あの後、何の話をしただろう? ミモザは少し焦りを覚えた。前世の話をしてはいないと思うが、エメに頼んで魔道具を止めてもらうべきだろうか……?
――あの者たちに辛く当たられているのでしょう? 本当はクビにするべきだとわかっているのだけれど……。
アルティナはため息をついた。
――王家や辺境伯家も気にしてくれているけれど、ああいう人たちが社交の場や世間に出る方が問題ですものね。ここにいれば外に出ることはほとんどないのですから。あの者たちもその家の者も平民を見下し、魔族を蔑んで……どうしてそんな考え方できるのかわからないわ。
アルティナ自身が言っていたように、年齢的にも身分的にもアルティナには後ろ盾というものはもう必要ない。だからこそ彼女の家族は高齢の彼女の周囲には心から信頼できる者を集めた方がいいと思っていた。しかしアルティナは、“聖女”という肩書を餌に群がってくる問題のある貴族や有力者をこの聖女の館に留めておこうとしていた。無駄に権力を持つ者が問題を起こすのを防げると思ったからだ。
特に魔族への偏見が強い者は――アルディモアは近隣国で唯一ザルガンドと国交を結んでいる。アルディモアの王女であった先代の聖女とザルガンドの国王が婚姻関係にあったからだ。母はアルティナを産んですぐに亡くなってしまったが、両親は仲睦まじかったという。アルティナも父に大切にされていて、今でも手紙のやり取りは欠かさない。
もし貴族の中に魔族を蔑むような者がいると知られれば問題になるかもしれない。そうなれば、不利益をこうむるのは間違いなくアルディモアだ。アルティナは生まれ育ったザルガンドも、夫と暮らしたアルディモアも好きだった。両国の間に亀裂が生まれて欲しくはない。
――あの者たちはわたしに仕えたという肩書を得て、わたしが死んだ後もそれなりの仕事や生活が望めると思っているようだけれど……王家も聖女の名前が落ちるようなことがあってはと思っているみたいだし、今は手を出さないように言ってあるけれど後のことは任せるつもりよ。
ミモザの相槌を受けてアルティナは少し声を落としながらもはっきりと告げた。
――昔からわたしに仕えてくれている者たちはわたしが死んだら教会に入ると言ってくれているの。だから……
バチリと音を立てて映像が途切れた。この後の会話を何となく思い出し、ミモザは魔力を魔道具に注ぎ込んで半ば強引に映像を止めたのだ。たしかこの後、前世のことに触れる会話をしたと思う。ここにいる魔族は――シトロンもエメもパランティアも、みんなミモザの前世であるアルティナの母のことを知っている。ささいな情報でもばれてしまうかもしれない。それは避けたかった。特に、シトロンには……。
ヴァルヴァラを見ると彼女は呆然と先ほどまで聖女アルティナの姿が映っていた場所を見つめていた。彼女には相変わらず冷ややかな視線が注がれている。
ヴァルヴァラは貴族の家に生まれ、若い頃から教養面でも知識でも周囲から優秀だと言われ、自分ほど聖女に仕えるのにふさわしい者はいないという自負があった。だから聖女が浮浪児などを重用するのが我慢ならなかったし、聖女が死んだ後、従者がそろって教会へ仕えることになったことも拒否したのだ。しかしアルディモアで新しい聖女に仕えることも叶わず、王家や高位の貴族の元にも勤め先は見つからず、結局隣国であるイシルマリで高貴な者――王女であるリリアナに仕えられるよう伝手を頼ったのだ。自分こそ、王女を教え導くのにふさわしい……。
「……この者の無礼をお許しください」
リリアナが静かに告げた。
リリアナは妃候補としてこのザルガンドに来ているが、元々は妃選びの主催であるドゥーイ卿がイシルマリの貴族に持ちかけてきた話だった。商売を通してつき合いがあったというその家にはリリアナと同年代の令嬢がいた。
その貴族が王家に許可を得に来た時、ザルガンドとの国交をどうにか結べないかとアルディモアがザルガンドと国交を結んだ頃から考えていたイシルマリ王家はその令嬢ではなくリリアナを候補者として送り込むことにしたのだ。ドゥーイ卿がどういう思惑があってイシルマリの貴族に声をかけてきたのかは知らないが、ザルガンド王妃になれずとも国同士の繋がりを得る――それがリリアナの目的だった。
それなのに……魔族の国で魔族をおぞましいなどと……冷静に許しを請いながら、リリアナは考えていた。侍女を切り捨てつつ自分の立場を落とさないようにしなければならなかった。
「この者はすぐにでも国に帰し、父に言って充分な罰を与えると約束いたします」
「そんな……! 殿下……!! この女は魔族の……たかが使用人です!! それを、」
「お前はザルガンドにいる間、一切口を利くことを許しません。黙っていなさい」
リリアナとヴァルヴァラのやり取りを見ながら、ミモザはちらりとシトロンたちをうかがった。どう対応すべきか考えているようだ。記憶にあるより精悍な顔立ちになった彼は、その眉間にしわを寄せていた。
「……このザルガンドに職業の貴賤はありません」
ゆっくりとシトロンが口を開いた。
「我々に対する偏見はこの際横に置いておきましょう。このザルガンドと国境を接している国々でさえそういう方々がいることは重々承知していますし、個人の考えを糾弾してもしょうがない――しかしここにいるミモザはこの国の、我が国王陛下の民で、あなたの侍女は彼女を不当に貶めようとした。そのことを罰する法はこの国にありませんが」
シトロンの金色の瞳孔を持つ黒い瞳がミモザへと向けられた。
「この件の落としどころとしてはミモザの意見を尊重したいと思います。それでいいですね?」
「かまいません」
うなずいたリリアナの視線もミモザへと向けられた。たしかにヴァルヴァラのしたことは事実無根の噂を流し、ミモザを陥れたことくらいだ。名誉棄損には問えるかもしれないが他国の人間であることを考えると余計な訴えを起こさない方がいいだろう。それに、ミモザは正直なところヴァルヴァラのような人間とはこれ以上あまり関わりたくはなかった。
「わたしはその人や、その人のような人がわたしやザルガンドにもう関わらなければそれでかまいません。あとは、聖女アルティナの髪飾りが無事に国王陛下の手に渡れば、それで……」
「ヴァルヴァラがこのザルガンドの地を踏むことは二度とないことをお約束します」
「それから、噂をどうにかしてほしいんですけど……」
「それはこちらで対応しよう」
うなずいたシトロンに、ミモザは「それだけで充分です」と微笑んだ。見上げたシトロンの顔は、疲れが見え隠れしている。そこに問題がこれ以上大きくならなかったことへの安堵があってミモザはそれ以上何も言えなかった。
***
「ミモザ!」
使用人寮に戻るとアンナベルがティンクと一緒にミモザを待っていてくれた。心配をかけてしまった。抱きついてきたアンナベルをぎゅっと抱き返し、「心配かけてごめんなさい」とミモザは言った。
抱きしめたアンナベルの少し低い体温や、肩に添えられたティンクの温かい手がミモザの心の奥をやわらかく包み込んでくれる。それがうれしかった。
「ミモザが謝ることありません」
「そうよ。アンナベルさまの言うとおりよ。悪いのはお妃候補の侍女でしょう?」
「リリアナ王女の侍女の方はどうなったのですか?」
ミモザは苦い笑みを浮かべた。
「リリアナ王女がすぐにイシルマリに帰して、イシルマリで罰するって……」
「えっ! 何よそれ」
ティンクが憤った。
「ミモザ……それでいいんですか?」
「うん……実際、髪飾りが盗まれたとかじゃないですし、悪い噂はたてられたけど……あ、もちろん噂を払拭して欲しいってお願いはしましたよ? でもこれ以上ことを大きくするものちょっとなと思って……」
シトロンもかわいそうだし。
「ミモザがいいならいいけど……腹は立つわね!」
「そうやって怒ってくれるだけで充分だよ」
言い足りなそうなアンナベルとティンクに、ミモザは笑顔を向けた。
「話は終わりましたか?」
その様子を見守っていたパランティアが声をかけた。
「もう遅い時間ですから、ミモザもティンクも早く休みなさい。明日も仕事はあるのですから」
「はい」
「パランティアさんも色々とありがとうございました」
「私は私の仕事をしただけです。さあ、寮の中に。アンナベル様は迎えが来ておりますから、お部屋にお戻りください」
「は、はい。すみません……こんな遅くまで」
「かまいませんよ」
いつの間にいたのだろうか? 女性軍人が二人、アンナベルの迎えに来ていた。ミモザもティンクも泊って行けばいいのにと思ったが、さすがに妃候補を使用人寮に泊めるのは無理だろう。
それぞれ笑顔でおやすみのあいさつをした。ミモザはサッと大浴場でシャワーを浴び、部屋に戻って髪を乾かすとすぐにベッドに横になった。使用人寮のベッドはいつも清潔で、日向の匂いがする。
そういえば――
ごろりと、ミモザは寝返りをうった。聖女の髪飾りは結局、シトロンの元にあるままだ……このまま彼が国王の元に、届けてくれないだろうか……?
***
「これを返そうと思って……」
ミモザの期待もむなしく、あくる日、ミモザはシトロンの執務室に呼び出された。案の定、シトロンの手にはやわらかな布に包まれた聖女の髪飾りが握られている。
「君が聖女アルティナから託されたのだから、君が自分で陛下に渡した方がいいだろう」
「えっ」
いや、できればこのままシトロンに預けたいのだが……ミモザは正直に「わたしはかまわないので、シトロンさまから陛下にお渡ししてください」と言ったが、シトロンは眉をひそめてしまった。
「そういうわけにはいかない。聖女アルティナの願いをきちんと叶えるべきだ」
シトロンは髪飾りを文字通りミモザに押し付けてきた。さすがに落とすわけにはいかないと無意識にそれを受け取ってしまいそうになる――が、シトロンの指先とミモザの指先が微かにぶつかった瞬間、驚いたようにシトロンが手を引いたためにむなしくも髪飾りはそれを包んでいた布ごととさりと床に落ちた。
ミモザの紫色の瞳は、引き寄せられるように髪飾りを追った。瞬きをするたびに煌くその瞳には、床とそこにある髪飾りしか映らない。
「は……」
シトロンが、
「母上……?」
そうつぶやくまでは。
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