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第二章 妃選び
45.夜会(3)
しおりを挟むテラスの方にミモザの気配を感じながら、ガーディアはベライドの兄妹の話を右から左に聞き流していた。当然、ドゥーイの話もだ。ドゥーイは娘であるアンナベルを含めた他の候補者たちよりもベライドのローズを妃に推している様子を隠そうともしていなかった。
いや、隠していてこれなのかもしれないが……ガーディアにはどちらでもかまわない。先ほどまでいたトロストの貴族――マリエルの両親よりも品は良かったが、マシだからといってガーディアの興味を引く理由にはならなかった。それならば媚を売る両親にもガーディアにも興味を示さず周囲に気を取られているマリエルの方が見ていて飽きないだろう。
適度に――しかし強引に会話を切り上げれば、待ち構えていたようにイシルマリのリリアナと彼女の従兄だという伯爵がガーディアに声をかけた。彼らはリリアナを妃に、というよりもザルガンドと繋がりを持つことを重要視しているらしく、会話の内容も仕事と呼べる範囲に終始していたため先ほどよりもよほど話を聞く気になれた。
とは言っても、国交についてはガーディアが一人で決められるものでもないし、今はミモザの様子が何よりも気になるため先ほどよりも話を聞いてはいたが集中できているわけではなかった。
この会場に来てすぐに見つけたミモザは、今までで一番美しい姿をしていた。
もちろんいつも可憐さを残しつつも美しいが、今日の装いは彼女にとても似合っていたしドラゴンである彼女の美しさをより際立たせていた。もしあの装いを選んだのに、彼女自身がドラゴンだからというだけではなくガーディアがドラゴンだからという理由が含まれていればいいと心から願った。
ガーディアが伸ばすのを手助けした宝石竜にしては少し変わった角は滑らかな曲線を描き、宝石竜特有のきらめきを湛えていた。髪はよく手入れされていて、きっと彼女が本来の姿に戻ればその美しさはいっそう際立つだろう。いつかその機会に恵まれればいいが、ザルガンドは基本的に人型の魔族に合わせた作りをしているためガーディア自身もそうだったがドラゴンを含めて人間よりもはるかに大きな体を持つ魔族が本来の姿になる機会はなかなか得られない。
イシルマリの伯爵の話がちょうど途切れた瞬間だった。
不意に会場の空気がざわめくのを感じ、ガーディアは視線を動かした。「陛下?」とそれに気づいたリリアナの声が聞こえる。ざわめきの中心はミモザがテラスから移動した軽食のある一角で、特に魔獣族からピリピリとした雰囲気が発せられていた。
「何かあったのかしら……?」イシルマリの伯爵夫人が不安そうに夫の腕を取り、伯爵が従妹であるリリアナを庇うように位置をずらしたのを見ながら、ガーディアは大きく息を吐いた。比較的近くにいた魔獣族はすぐにピリピリとした空気を霧散させ、気まずそうにガ―ディアに視線を向けた。
「問題ないだろう。失礼する」
返事を聞かずにガーディアはざわめきの中心へと向かった。ミモザの気配を感じる。またロスソニエルが彼女に絡んでいるのだろうか? しかしその予想は外れ、ミモザに絡んでいたのはあの新しい妃候補、シシー・バラガンだった。
「何を騒いでいる?」
その場は怒りに満ちていた。シトロンは無表情だが視線は氷のようだったし、ミモザもいら立っている様子だったが、それ以上に周囲にいた魔獣族がシシー・バラガンに向ける怒りが強い。ガーディアが低い声でそう言うと、魔獣族たちは多少怒りをおさめたがそれでもまだシシーを強く睨みつけていた。
「ガーディアさま!」
やれやれとため息をつきながらミモザとシトロンに事情をたずねようとしたガーディアだったが、そのひと言に怒りに満ちていた周囲の魔獣族が焦るほど機嫌を急降下させた。しかしその怒りを向けられている相手――シシーは、神経がよほど図太いのか全く気にすることなくガーディアにすり寄ろうとした。
「名前を呼んでいいといつ許した?」
それをかわしながらガーディアは言った。底冷えするような夜の闇が窓から会場内に流れ込むようだった。ミモザがすぐさま傍によりガーディアの腕に触れなければそうなっていただろう。さすがにシシーもただならぬ空気を感じ、その顔を青くした。
「そ、それは……ですが、わたしは妃候補で……」
「ドゥーイが勝手にはじめた妃選びで勝手に増やした候補者に俺が興味を持つとでも?」
すがるようにこちらを見てくるシシーから視線をはずしてガーディアは自分の腕に添えられたミモザの手を取った。「陛下……」とたしなめるように口を開いたミモザに名前で呼んで欲しいと言いたくなる気持ちをグッとこらえる。
「ミモザ、何があった? 何かされたのか?」
「わたしは何も……ただ、魔獣族の方に失礼な発言があってそれで……」
厳しい視線をシシーに向け、ミモザはガーディアからすっと手を離した。
「謝罪をしてください。魔獣族の方々に」
「な、何を……! 使用人のくせに生意気よ!!」
「わたしが使用人であることは関係ありません。あなたの発言は魔獣族の方々に対する侮辱で、ここで魔獣族の方に攻撃されてもおかしくないものです」
シシーはきょろきょろと落ち着きなく視線を動かした。周囲の魔獣族がどういう視線を自分に向けているのかやっと気づいた様子だった。
ガーディアも事情を察し、シシーをいっそう冷ややかに見た。愚かな娘だと思う。同じベライドの者ならばまだローズの方がわきまえている。その内心は別にしても。
ベライドは昔から魔族に対する偏見の強い国だ。事実はどうであれ魔族を人間より劣っていると考える者が多く、忌み嫌う者もまだ大勢いる。そういう国で生まれ育った人間が魔族に対してどういう感情を抱いているのかなんてわかりきっている。
しかしこうしてザルガンドと国境を接している以上、ベライドの王侯貴族はその感情をうまく取り繕う術を身につけていた。ザルガンドの魔族たちもあからさまな態度を取られなければ基本的には人間の内心がどうなっているかは気にしない。人間たちはそれをわかっていて、己の身を守る意味も込めて上辺だけの態度を取るのだ。
あからさまな態度を取ればどうなるか――子どもでもわかることだろう。
「わ、わたしに手を出せば国同士の問題になるわよ……!!」
赤ん坊以下か……ガーディアはあきれた。しかも国同士の問題には絶対にならない。自分がベライドの王族ならこの国と対立するような真似はしない。伯爵家くらい簡単に切り捨てる。
「それがどうした?」
ガーディアの突き放すような物言いに、シシーの顔色は青を通り越して白くなった。周囲に誰も味方はいない――そんな絶望から救うように「シシー!」と慌てた男の声が招待客の合間を縫って聞こえてきた。
身なりのいい金髪の男がシシーに駆け寄りその体を抱きしめるように支えた。若々しくやさしげな、整った顔立ちの男をシシーは「お父さま」と呼んだ。ベライドのバラガン伯爵だ。この男がドゥーイの商売相手だということをガーディアは知っていた。
「一体何が……」
「その娘はこのザルガンドという国がどういう国かよく理解できないまま滞在してるようだな」
「こ、国王陛下……!」
合流した妻に娘であるシシーを預けながら伯爵はガーディアにあいさつをしようとしたが、ガーディアはそれを遮った。
「失礼があったのなら謝罪いたします。娘はまだ若く、私や妻も娘可愛さに――」
バラガン伯爵の碧眼が大きく見開かれ、並べられた言い訳は不自然に途切れた。その視線はガーディアではなく、彼のとなりに向けられている。それをたどるように、ガーディアはとなりを見た。表情を強ばらせたミモザが、その紫色の瞳をバラガン伯爵へと向けていた。
「お前は……!!」
バラガンが声を上げると同時にびくりとミモザの肩が跳ね、ガーディアは思わずその細い肩を抱いた。
「知り合いか?」
「……いいえ」
視線はもう、バラガンへもガーディアへも向いていない。
「彼女がどうした?」
代わりにガーディアがバラガンへと厳しい視線を向けた。ミモザが何かを隠したのは明らかだったが、それをここで問いつめることはできないだろう。バラガンは一瞬顔をしかめたが、すぐに誤魔化すような笑顔をはりつけた。隙のない、商売人らしい笑顔だった。
「いえ、知り合いに似ていたもので……お騒がせして申し訳ありません。娘もはしゃぎすぎて疲れているのでしょう。素晴らしい夜会でしたから。今晩は一足先に下がらせていただきます。明日以降、ぜひ歓談の機会を設けていただけたら……それでは、失礼いたします」
妻と娘をうながして会場を後にするバラガン伯爵に対し、ミモザはずっとうつむいたままだった。
「ミモザ、大丈夫か?」
のぞき込むように顔を見ると、ミモザは力なく微笑んだ。顔色がよくないように見える。シトロンもさっきまでの無表情が嘘のように心配そうにミモザに視線を向けていた。周囲からの視線も感じ、ミモザの肩を抱いたまま見渡せば、いら立ちの行き場をなくした魔獣族が訴えるようにガーディアを見ているのに気づいた。
「シトロン」
よく通る声で秘書官の名前を呼べば、彼はすぐに仕事の顔になった。
「この場にいる魔獣族から話を聞いてどう対応するか意見をまとめて来い」
「わかりました。陛下は?」
「ミモザを送っていく」
ガーディアはまたミモザの顔をのぞき込みながら言った。
「本当に、何でもないんです……大丈夫ですから、気にしないでください」
ミモザは言った。
「ただちょっと……その……知っている人に似ていて、驚いたんです」
バラガンも同じことを言っていた。ガーディアは眉根を寄せてバラガンが去って行った方を見た。知り合いなのだろう。ミモザはザルガンドに来る前は人間の国で暮らしていた。それがアルディモアだけではなかったら……?
「いや、送っていく。今日はもう休め」
「陛下がここを離れない方がいいと思いますよ」
苦笑いするミモザはいつもの調子に近く、ガーディアは少しほっとした。
「俺にはこんな夜会よりミモザの方が大切だ」
「そういうわけにはいきません」
「……わかった。送った後に戻るから、送らせてくれ」
ガーディアはそれ以上譲らなかった。ミモザは少し困った様子を見せながらも差し出されたガーディアの腕に遠慮がちにその手を添えた。
途中、アンナベルが――彼女もミモザを捜していたところだった――歩み寄りミモザに心配そうに声をかけていたがそれがかえってミモザにはよかったらしく、少し肩の力が抜けた様子だった。自分ではそうできなかったことに落ち込むが、ミモザがいつもの様子に戻ってくれるならそれが一番だ。
会場を一歩出ると廊下は多少立ち話をする客たちがいたが比較的静かだった。ミモザは王宮内の空き室をいつも妃選びの準備に使っていて、そこに着替えもあると言うのでとりあえずその部屋まで送ることにする。この装いが見納めなのは残念で、ガーディアは焼き付けるようにミモザの姿を見つめた。
「陛下」
しかし水を差すようにまた新たな声が響いた。この夜会だけでこうして声をかけられるのは何度目だろう……うんざりした気分でガーディアが振り返ると、そこには厳しい顔をしたロスソニエルがいた。
「何だ?」
「どちらへ行かれるのです?」
「ミモザを送っていく」
「シトロンは? シトロンに送らせればいいでしょう」
ロスソニエルの厳しい視線はミモザに向けられていた。
「お前も何を当然のように陛下に送らせようとしているのだ」
「俺がそうしたいと言った」
うんざりした気分を隠すことなくガーディアは言った。
「ロスソニエル、お前は批判できる立場なのか?」
「それは……しかし! 陛下には亡くなった聖女様がいらっしゃいます!! その者が陛下のとなりに当たり前のように立つなど、そんなこと……!!」
「俺のとなりに立つ者が誰がいいかは俺が決めることだ」
ミモザはまさにその聖女の生まれ変わりだが、それはロスソニエルには通用しないだろう。そもそも言う必要がないとガーディアは思っていた。
「元々お前はドゥーイの牽制のために軍部が送り込んだ候補者なんだろう? 俺が自ら選ぶ相手には何の文句もないはずだが?」
「それは……しかし!!」
会場に比べれば薄暗い廊下の闇が濃くなった気がした。
「ロスソニエル、お前の態度は彼女に対してもシトロンに対しても目に余る。この国の王としてより俺個人として許せるものじゃない――目をつぶるのは今回までだ。わかったら下がれ」
ロスソニエルの視線は睨みつけるようにミモザに向けられ、ミモザの視線はたしなめるようにガーディアへ向けられた。そのくらいでと言いたいのだろうが、ガーディアもそう気が長いほうではない。悔しそうに唇を噛みしめ夜会の会場へと戻っていくロスソニエルにガーディアはため息をついた。
「陛下」
「ガーディアと」
「まだ会場が近いのでここでは呼べません。それより、ロスソニエルさまのことはもう少しうまくたしなめられたのでは?」
「ロスソニエルが純粋にミモザを尊敬しているだけなら――」
「わたしというか、わたしの前世ですね……」
「そうだな……あれはどうもミモザの前世――聖女だった頃の君に固執している。視野も狭くなっていて、生まれ変わったと言っても受け入れないだろう。こちらも一々突っかかられてはな……シトロンも昔から絡まれているし」
「そうでしたね」
ロスソニエルは敬愛する王妃の目を避けているつもりだったかもしれないが、彼女がシトロンによく突っかかっていたのはミモザもきちんと知っていた。
「まあ、ああ言っておけば少しは大人しくなるだろう……」
それよりもミモザの様子の方が気になる。何を隠されたのか問いつめるような真似はしないが、部屋にたどり着くまでにガーディアは何度も何度もミモザの顔色をのぞき込んだのだった。
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