夢の中でもつかまえて~会社の先輩の強引な罠から逃れられません~

haru

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1.会社の仮眠室で

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 都内のオフィス街の一角。
 30階建ての複合ビルの一部の階は、夜22時過ぎにもかかわらず、
 中層階の窓から煌々と明かりが漏れている。

(はぁ~・・・・今日も残業、更新かぁ・・・)
 厚手のカーディガンを肩にかけ、黒の額縁メガネを右手でちょっと押し上げ、
 パソコンのディスプレイを見ながら、目をしばたかせる。
 二ノ宮 葵 25歳 新卒でデザイン会社に就職し、今年で入社3年目。

「おっ、お疲れさま~」
 声をかけてきたのは、企画部の部長、藤崎 勇人  32歳。
 ラフな格好をしているが、身長もあり、体格も良くて、精悍な顔つきをしている。
 一見(雄々しいというか)少し声をかけにくい雰囲気があるけど、物腰はいつも柔らかな感じ。
 部署は違うけど、仕事の進捗を気にしてか、時々声をかけてくれる。

 黒縁の(私とは違うおしゃれなメガネをかけてる)その瞳から、
 私の表情をうかがうように、
「終電の時間も近いし、もう帰ったほうがいいんじゃない?」
「ふぁい、そうします・・・」
 疲れもあって、力の抜けた返事をしてしまった。

 のそのそと、机に置いてたペンケースやら、
 飲みかけのペットボトルを、トートバッグにしまう。
 デザイン室を出て、下りのエスカレーターをボーッと待って・・・

(はぁ・・・帰るのも面倒だし、今日はもうこのまま仮眠室に泊まろ・・・)
 1つ上のボタンを押し、16階にある仮眠室へ向かう。
 社員の休憩用に使う仮眠室は、5つの小部屋が横並びになっていて、
 一部屋ごと、簡易なベッドだけが置かれている。

「ふぁ~・・・つかれたぁ~・・」
 どさっと、ベッドに体をうずめる。
(あ・・・顔、洗わなきゃ、それと、歯磨きも・・・)

(・・・ヤバい・・・このまま寝落ちする・・・)


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