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生きてました.2
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じゃなくて、話題を変えよう。
「あー、ティアさん。それで俺はどうやって死ん…死にかけたかわかりますか? 」
特殊な死に方とティアさんは言った。日本人の死因トップスリーはガン、心疾患、脳血管疾患だ。それ以外の死因ってことだろう。特殊な死に方ってなんだ?毒死とかか?
「詳しくはわかりませんが、雷撃と炎によって死んだ魂を呼び寄せるように、魔方陣を書きました。」
電撃と炎……?ここに来る前までは家にいたから、雷は避雷針に落ちるはずだし、そもそも落雷もなかったはずだ。部屋に火元もなかったはず…。感電と発火…?
あっ、もしかして。
「スマホが発火したのか? 」
バッテリーに負荷がかかりすぎて発火する事件があったのを思い出す。
てことは死因はあの、AVサイト?!
「恥ずかしい……。悔しい……いやな死に方すぎる……。」
新聞に載ったり、ネットニュースになったりしそうだ。面白おかしく書かれそう。【悲報】高校生男子性欲を持て余し【草】ってまとめサイトに載せられるんだ。
だってAVサイトだ!しかもゲイポルノだ!AVサイト開いて負荷がかかる低スペックスマホもおかしいけど!検死結果とかで調べられて、ニュースに流れるわけだろう?スマホでスケベな動画をみてスマホを爆発させ意識不明の重体ですって!一生の恥だ。一族の面汚し!
一人で悶え苦しんでいると、ティアさんは再び憐憫の目線を向けた。イケメンビームとはまた別のものだが、いたたまれなさは一緒だ。やめろ!可哀想な死因の俺を見るな!
「…ユーキ、あなたはこちらでは死にません。ユーキは魂だけこちらにきているので。今の体は魂を入れる仮の器です。」
あっ、俺が死因に触れられたくないことを察してくれたのか話題が今の体の話に移った。
ふと今の自分の手を見やる。元の世界の俺の体は、スマホの爆破で手とか顔とか大火傷して爛れているだろう。しかし、今ティーカップを取る手は無傷そのものだ。
手の質感や黒子の位置、爪の形まで寸分違わず自分のだと言い切れるのに、自分の体じゃない。なんだか言い知れぬモヤモヤした気持ちだ。火傷で手が動かせないよりは遥かにマシだが…。
「器は壊れません。たとえ心臓を突かれても、穴が塞がるし、毒を飲んでも効果はでないのです。」
「便利だな」
イメージするのはドラゴンボ○ルの敵。切っても再生する体って、無敵じゃん?ははー俺最強。これでこの世界でスマホが爆発しても死なないぞー。
「そしてこの器にはエーテルを貯めることができます。」
「エーテル?」
めちゃ専門用語が出てきたぞ。聞いたことない、馴染みのない横文字に首を傾げていると、ティアは丁寧に教えてくれた。
「エーテルとは、生き物の、生きるための力、魂の力のことを指しています。病人や負傷者にエーテルを分け与えることで回復が見込めます。……たとえ植物状態であろうと、エーテルが貯まれば目を覚ますことができます」
「それって、もしかして」
「ユーキの元の体にエーテルを移したら、ユーキは元通り生活することができるでしょう。」
元通りの生活。高校に行って、友達とだべって、弁当食べて、修学旅行、文化祭、体育祭……まだまだ青春できてないんだ、さっさとエーテル貯めてあっちに帰ってやる!
「エーテルの貯め方教えてください!」
するとティアは頭を抱えた。そして、言いづらそうに口を開いては閉じて…意を決したように、開いた。
「魔王を倒す」
「あー、ティアさん。それで俺はどうやって死ん…死にかけたかわかりますか? 」
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「詳しくはわかりませんが、雷撃と炎によって死んだ魂を呼び寄せるように、魔方陣を書きました。」
電撃と炎……?ここに来る前までは家にいたから、雷は避雷針に落ちるはずだし、そもそも落雷もなかったはずだ。部屋に火元もなかったはず…。感電と発火…?
あっ、もしかして。
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一人で悶え苦しんでいると、ティアさんは再び憐憫の目線を向けた。イケメンビームとはまた別のものだが、いたたまれなさは一緒だ。やめろ!可哀想な死因の俺を見るな!
「…ユーキ、あなたはこちらでは死にません。ユーキは魂だけこちらにきているので。今の体は魂を入れる仮の器です。」
あっ、俺が死因に触れられたくないことを察してくれたのか話題が今の体の話に移った。
ふと今の自分の手を見やる。元の世界の俺の体は、スマホの爆破で手とか顔とか大火傷して爛れているだろう。しかし、今ティーカップを取る手は無傷そのものだ。
手の質感や黒子の位置、爪の形まで寸分違わず自分のだと言い切れるのに、自分の体じゃない。なんだか言い知れぬモヤモヤした気持ちだ。火傷で手が動かせないよりは遥かにマシだが…。
「器は壊れません。たとえ心臓を突かれても、穴が塞がるし、毒を飲んでも効果はでないのです。」
「便利だな」
イメージするのはドラゴンボ○ルの敵。切っても再生する体って、無敵じゃん?ははー俺最強。これでこの世界でスマホが爆発しても死なないぞー。
「そしてこの器にはエーテルを貯めることができます。」
「エーテル?」
めちゃ専門用語が出てきたぞ。聞いたことない、馴染みのない横文字に首を傾げていると、ティアは丁寧に教えてくれた。
「エーテルとは、生き物の、生きるための力、魂の力のことを指しています。病人や負傷者にエーテルを分け与えることで回復が見込めます。……たとえ植物状態であろうと、エーテルが貯まれば目を覚ますことができます」
「それって、もしかして」
「ユーキの元の体にエーテルを移したら、ユーキは元通り生活することができるでしょう。」
元通りの生活。高校に行って、友達とだべって、弁当食べて、修学旅行、文化祭、体育祭……まだまだ青春できてないんだ、さっさとエーテル貯めてあっちに帰ってやる!
「エーテルの貯め方教えてください!」
するとティアは頭を抱えた。そして、言いづらそうに口を開いては閉じて…意を決したように、開いた。
「魔王を倒す」
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