試さずにはいられない。

ひやむつおぼろ

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バッドエンド

⭐︎ジュエリーケースとおもちゃ箱(バッドエンド)


☆懺悔と罪の後です。

情緒のないあらすじ。
輝昭「好きって言われてないのに付き合えるわけないだろ」
桃矢「好きって言ったら付き合ってくれるの?」
輝昭「…たぶん?」
桃矢「なんだよそれ!」
輝昭「俺はお前のおもちゃで構わない。好きって言わなくていい!いいからさっさと抱け!」(拒絶)

スフィスト…つまりは、拳を突き入れようとする表現。
セックスドラック、麻薬投薬。又、首絞め、植物状態、監禁等の表現が含まれます。

 幸せな2人がいいという方は、⭐︎ジュエリーケースとナイフを正史とし、回れ右をしてください。

ーー

 ぐちゅ、じゅぷ、と何度も指が中を出入りする。指は、いくつ入ってるだろうか。わからない。卑猥な音を聞くたびに仰向けでぱかりと開いた膝が快感に震える。

「あっぁ゛、あーっ。や゛!?ゃ゛た゛、そこ、や゛。」

「…にいさんが、悪いんだよ。ぼくを信じられない兄さんが。普通ならうんち以外に使わない穴で感じてる兄さんが悪いんだよ。」

「や、ぁ゛っ、ごめ、なさっ!!あ゛ーー!!?」

 ぬち、ぐぷぷ、という音と共に圧迫感が増える。先程までバイブを咥え込んでいた穴はさらに大きく広がり、痛みが込み上げる。頭を振って拒絶すれば、桃矢の反感を買った。

「こんな、他の人の匂いつけて帰ってきて…!あまい、臭い。ゆるさないよ兄さん。」

「ーーっ!! かひゅ、っひ、ぁあ゛ー!!」

 ごぽん、と到底人体から鳴ってはいけない音がして、慌てて股の間を凝視する。桃矢の白い手首が、赤く捲れ上がった肛門から生えている……。いや、これは。手が、ぜんぶ、中に。

「次は誰に抱かれようとしたの。女の人に、ここを掘ってもらおうとしたの?」

「あア゛ーー!!ったすけっ ひぎっ、なかで、ひろが、」

「綺麗な人なら男でも女でも関係ないんだね。にいさんこそ、僕じゃない人でも構わないくせに。」

 親指の付け根が前立腺に当たる。えぐられ、潰された弱点が、鈍い快感を感じとる。

「僕の心変わりが恐いんじゃないでしょ。僕と向き合うかとか釣り合うかとか、周りがどう批判してくるかが恐いんでしょ。ごちゃごちゃ考えて怖がって逃げて…。」

 桃矢は「これ、使いたくなかったんだけどな」なんて言いながら、ぐぽっと音を立てて手を引き抜く。排泄感と、圧迫からの解放に、俺は目を裏返して喘ぎ、ぷしっと勢いよく潮を吹く。

「暴れないでね。折れたら怪我するから。」

 細い針が、俺の腕に刺さる。

「へ、っぁ、なに…して。」

「兄さんがどれだけお酒を飲んだかわからないし…危ないんだけど…兄さんが僕のものにならないんだったらもういいかって思ったんだ。」

 ぐっ、とシリンジが押し込まれ、薬液が流れ込む。心拍が、だんだんと上がっていく。あつい。あつ、い。

「ごちゃごちゃ考えなくて済むよ。なにも、苦しまなくていい。僕のおもちゃだって思ってて構わないよ。こっちの方が遥かに楽だ。」

ーーー

「や、とーやぁ゛!やめ、ァア!んぅう゛。ひっ?きっ、あ、あぁ!」

「にいさん、好きだよ。大好き。」

 視界が何度もぶれる。焦点が合わず、桃矢の姿を視認できないまま、何度も何度もイく。頭の中まで突き上げられているかのように、快感しか感じ取れない。意味のある言葉も喋れないままただひたすらに揺すられ、喘ぐ。

「兄さん、見えてる?僕だよ。兄さんを愛してるのは僕だけ。兄さんに触れていいのは僕だけ、そうでしょう。」

 ちゅ、という音と共に涙を掬い取られる。気づけば、桃矢の美しい顔が目の前にあった。桃矢が、一番近くに感じられた。下半身がドロドロに溶けて、もうどこまでが自分か、どこまでが桃矢かわからない。俺の足が桃矢の肩にかけられている。でも、感覚はもうない。桃矢と全部溶けて重なって、それが正しいように思えた。今まで離れようとしていたことが間違いだったんだ。こんな美しいものの、近くから、どうやって離れることができるだろうか。

「とーや。とーゃ、すき。」

「いまだけ、おれの、とうやだ。」

 伝わってるかどうか、わからない。壊れた涙腺が幾度となく頬を濡らす。それをなんども、甘い蜜を舐めるかのように恍惚とした顔で桃矢の唇が吸い取る。ああ、こうしてずっと繋がっていたい。熱を感じたまま死にたい。お願いしたら、叶えてくれるだろうか。舌ったらずのまま、鼻も涙も汗もぐちゃぐちゃな顔で懇願する。

「にいさん。あいしてる、このまま死んでしまおうか。2人で逃げよう。」

 顔を綻ばせながら、桃矢の細い白魚のような手が、首に絡む。まるで、駆け落ちを夢見る村娘のような、ロマンに濡れた顔が近づいてくる。柔らかなものが、唇に触れる。だんだんと空気が吸えなくなっていく。でも構わない。どくどく、と精が注がれていく。

 世界がねじ切れて、意識が途絶えた。

ーー

ーー

 帰宅し、すぐに浴室に入り全てを洗い流す。僕があの部屋に入るのは清涼感のあるシャボンの匂いをまとってから。そういうルールを決めている。

 がちゃ、と扉を開ければベッドの傍に座り込んでいる兄さんをみつける。

「にいさん。だめだろ。また部屋から出ようとしたね。」

「とーや、だって。にいさんは会社に行かないと。無断欠勤がつづいてる。」

 兄さんは、ベッドシーツを服のように体に纏わせ、ふらふらとドアの元へ向かう。足取りは嫌に不確かでおぼつかない。危うい兄さんを抱き寄せて口づけする。シーツの隙間から覗く腕には何個も内出血の跡がついている。2年前に比べ肉は落ち、ガラガラになった身体をそっと抱きしめる。

 また、正気に戻ろうとしてる。何でだよ。僕のおもちゃになってくれるんじゃないの?僕だけを見て、僕だけのものになってくれたんじゃなかったの?

「ん、とーや。とーや、はっ」

「兄さんはいま、病気だからね。良くなるようにお薬を打って、おやすみしなきゃだめだよ。」

「ん、おくすり、する。」

 また繋ぎ止めるために、銀の針を差し込む。情けない。悲しい。それでも、もう、辞めることはできなかった。

「とーや、かなしい?」

「うん……」

「とーやはきれいだから、きっと、およめさんもかえってくるよ。」

 ベッドサイドに置いてある、ジュエリーケースを手に取って兄さんはよしよしとそのビロードを撫でる。ジュエリーケースには、あの時の兄さんの指にぴったりのサイズの指輪が収まっている。

 今の薬に犯されて、ボロボロになった指ではスカスカで、兄さんのものなのだと言っても理解してくれなかった。何をしようとも、もう兄さんは元には戻らない。それが悲しいと思うのに。僕専用の兄さんだと心が慰められるようにも思うのだ。


 
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みんなの感想(1件)

るか
2022.04.18 るか

どっちのエンドも最高です!
これからも応援してます!

解除

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