転生したら断罪イベ最中で王子側だったオレの話

ひやむつおぼろ

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第一章 婚約破棄断罪イベント

竜王の聖女は幸せになるのである 前編 R18

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「は、ぇ…」

 トサリとベッドに組み敷かれる。先程まで、清潔感の漂っていた医務室のベッドがいきなり夜の雰囲気を纏った。

「ジュリアス様、お慕いしています。」

「ルミナス、落ち着いて。オレの上から退くんだ」

「嫌です。ほかの女の子のところに行く気でしょ!」

 縋るようにこちらを覗き込み、額に、頬に、キスを落とす。うわっ、うわわ。ドキドキしてるのは美形の顔が至近距離に何度もくるから?それともルミナスのことが好きだから?わからない。わからないのにルミナスは、口付けを落とす。唇の端にちゅとリップ音を鳴らしながら擦り付いてくるのに、肝心なマウストゥーマウスはしてこない。理性があるんだかないんだかわからないなと思ってクスリと笑う。

「っ、わたしは本気なのですからね。ジュリアスさまが、女を抱けなくなるぐらい、夢中にさせますから」

 らしくない高慢なセリフを、声を震わせながら口にする。意地っ張りな、良い性格をしてるな。なんだか可愛く思えて、頭を撫でる。しゃらしゃらと細い指通りの良い髪が素敵だと思った。

「ーーー!!そうやって優しくしたって、私は騙されませんよ!あなたをつなぎとめるんですから。」

「ふふ、楽しみだな。」

「軽口叩いてられるのも今のうちですからね」

 もたもたとオレの服のボタンを外していく白魚のような手を見ながら、オレは内心、ほくそ笑んでいた。聖女だぞ?清らかに谷で育てられたはず。夜の仕方も知らず、その空のような青色に涙をためるのを見ることになるだろう……オレはそうおもっていた。

ーー

「やっあぁ!だめ、も、むりぃ ぬいてゆ、びゆびぬいて!」

「はぁ、ぁ。ジュリアスさま。分かりますか?指を二本も、根本まで飲み込んで……。欲張りですね」

 そう、ルミナスの言う通り。オレの尻は香油が垂らされぐぷぐぷと水音を立てながらルミナスに開拓されていた。しかも、ただ拡げるだけではなく、腹側のシコリを穿ったり、胸の突起を摘んだりとルミナスのテク、凄い。目の前が快感でパチパチと音を立てていて、焼き切れそうだ。

 なん、なんでこんなことに!?
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