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第二章 陰謀戦争許さぬ意向
共闘撲滅!世界征服
しおりを挟む「アンジュ、教えてくれてありがとう。」
まさか、ほかに転生者がいるなんて思ってなかった。
『竜王の聖女と紅の卵』
俺は知らないけど、多分何かの作品なんだろう。ザマァ系、報復系のフラグが折れたから、誠哉の知ってる『シナリオ』と『現実』は大きく違っている。しかし、誠哉はオレたちが持ち得ない情報をもっているかもしれない。ゲームやメジャーな小説だったらコトだ。設定資料集が作られていたら、もしかすると城の脱出経路さえバレてるかもしれない。
「ルミナ…」
「イセカイチートは、よくわかりませんが……変装と幻覚の固有魔法が使えるのは厄介ですね。」
ゴクリ、と言おうとしたことを飲み込む。「異世界チートは、日本という国の娯楽の設定だ。この世界は日本の娯楽に酷似しているから、相手はこちらの内情を知っているかもしれない。」なんて、彼らに言ったところで信じてはもらえない。オレが薬物でおかしくなったって思われたらオチだ。異世界チートや情報の類いはオレが注意しなくちゃダメ。
「ジュリアス、私まだ役に立てるわ。誠哉はギルドでのし上がる時、魔法しか使わなかった。素行も荒くてパーティを組めなかったから、わたしがタンクとアタッカーをしていたの。貴方と、貴方の卵を守らせてくれないかしら。」
アンジュがぱたたっと尻尾を床に打ちつけながらこちらを見つめる。
「アンジュ、私のことを心配してくれてありがとう、でも君はボロボロじゃないか。」
「そうです元男爵令嬢。あなたは足手纏いにしか……っ!ジュリアス、卵の様子が!」
「わわっ」
卵がいきなりコツコツと中から圧がかかってヒビが入っていく。産卵してからまだ間もないのに、出てくるつもりか?!流産と言う言葉がふっと頭をよぎる。いや産んだ後だから流産はおかしいのだろうけど、前世の動物番組の卵から孵れなかった雛を思い出す。卵から孵るとき、親鳥も外から突いて手伝わなきゃダメだったんだって。慌てて卵を抱きしめ、ヒビをこちらからも剥がそうとする。ヒビの隙間から、光が漏れ出し始めた。
ぱき、ぴきき。ぱりん
「くっぷい」
卵から孵ったのは、ただの赤ちゃんではなく。
ツノが生え、皮膜が肩甲骨から伸び、体の節々が鱗に覆われた……小さな子供だった。
ーーーー
体調を崩して、一週間顔を出さなかった作者です。ごめんなさい!!
お腹風邪なので、安心してください……。
貧弱作者の投稿頻度がまた落ちます。10/10までにやらなきゃいけない仕事があり……
産卵も書く書くっていって書いてないし待たせて申し訳ない…
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