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海は広いな、大きいな
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海と言ったら何を想像するだろう。目を閉じて海の景色を思い描いてみよう。
何が見えたかな。真夏の人が混雑する海水浴場だろうか。それとも、夏も過ぎて誰もいない静かな海だろうか。
今年の夏は海水浴に行ったという人は多いのだろうか。私は行っていない。
泳ぎに行ったのはいつのことだろうか。もう何年も行っていない。だけど、海には行っている。夏以外にね。
「何をしに?」
そう思っただろうか。それはね、海辺を歩くことが好きでね。潮の香り、心地よい波音。いいよね。
あっ、潮の香りと言ったが実はこれ植物プランクトンの死骸の臭いなのだ。そう思うと、鼻をつまみたくなる。
「いい香り、撤回だ」
そう叫びたくなる。誰だ、そんなこと教えた奴はと八つ当たりしたくなる。知らなくてもいいことってあるよね。そう思わないかい。だからか、冬とかってあまり潮の香りがしない気がする。まあ、プランクトンの死骸だと知ってもあの潮の香りは海に来たと感じられるからね。嫌なことは忘れて、海を楽しもう。自然を堪能しよう。
さっき、海辺を歩くことが好きだと話したが、実のところ他にも理由がある。息詰まったとき、気分転換に海辺を歩くとなんとなくスッキリするからだ。
リフレッシュだね。
小説を書いていて、いいアイデアが湧かないってときも海に行って歩くことがある。もちろん、いいアイデアが必ず浮かぶという確証はない。それでも、何かしらアイデアは浮かんでくる。没になることは多々あるが、まったく浮かばないよりはいい。そこから、違うものが生まれることもあるから。
アイデアってやっぱりリラックスするときに浮かぶことが多い。
ドライブ中とか入浴中とかね。寝る前にも浮かぶことがある。そのときは、急いでメモ帳に書きなぐってから寝る。ドライブ中や入浴中は頭のメモリにしっかりインプットしておく。忘れた時は、まあ大したアイデアじゃなかったと諦めればいい。
すごくいいアイデアだったかもしれないのに。もったいないよ。なんてことも考えてしまうが、意外といいアイデアって覚えているものだ。不思議だけど。
私はプロの小説家ではないから、それが面白いものかどうかはわからないけど。自分では面白いと思えるから書いている。もちろん、出版している本には敵わない。当たり前だ。
はたして本当にそうなのか。もしかしたら、どこか勝っていることがあるかもしれなぞ。
そんな淡い期待を持ってしまうこともある。それくらいはいいよね。
そうそう、プロの小説家も自分の書いたものが面白いのか不安になることがあるらしい。読者の『面白い』という感想を見てホッとするようだ。
プロがそうなのだから、素人が不安になるのは当たり前だ。
あれ、また話が逸れていないか。
海の話をしていたはずなのに。面目ない。
けど、関係がないとは言えないか。海に行くと閃くって話だからね。
今書いているこのエッセイも実は海に行って思いついたものだ。ちょっとネタに困っていてね。
海はいいね。
「海は広いな、大きいな~」って歌いたくなる。
海辺を歩いているときは、海だけじゃなく空も見ている。龍神様がいないかな、なんて思って空を眺めていることも多い。一回だけ、龍に似た雲を発見したときはなんだか嬉しくなったものだ。あれが本物の龍神様だったらいいのにって思ったけど、実際にいたのかもとも思っている。龍が見えない人にも見える形で現れてくれたのではないかと。
そう思ったほうが楽しいでしょ。
私って変だろうか。
「変だ」なんて誰か言っただろうか。空耳か。もしも言ったとしても私に聞こえるはずがない。聞こえたとしたら、きっと幻聴だ。病気かもしれないぞ。
変なこと言うのはよそう。私は変じゃない。たぶん。
龍神様のことにしたって、おそらく神社仏閣巡りも好きだから、そう思ってしまうのだろう。
まあ、この話はまた別の機会にでも話しましょうか。書けるかはわからないけどね。きっと書かない。猫と繋がりそうにないから。私も気まぐれだから、絶対とは言えないけどね。
そうそう、海で猫をみかけたことがある。
猫も海に癒しを求めてやってくるのだろうか。それも一匹じゃない。三匹いた。いや、もっといただろうか。
海で猫の集会でも開かれたのだろうか。この話は前もしたっけ。まあいいか。
目が合ったけど、逃げなかった。近づけない場所にいることを知っていたからだろう。
海辺に猫。不釣合いのような気もする。いや、いるか。港に猫はいる。ただ、海の近い浜辺にいるのを見たのははじめてだ。けど、猫がいるところはきっと波がこないだろう。海に猫か。よく考えてみたら不釣合いってことはないのか。
ウミネコがいるくらいだから。あっ、あれは鳥だ。
ボケている場合じゃない。そういうときは歌っちゃおう。
「海は広いな、大きいな~」
それは違うか。
もちろん、海辺で歌は歌わない。心の中で歌うだけだ。歌ったら、浜辺の猫が笑うかもしれないね。
「あいつ、馬鹿か」なんて思うかもしれない。
いつしかの猫みたいに冷たい視線を送られるかもしれない。思い出すと笑えてくる顔だ。猫も変顔をするのだなと思ったっけ。
私は思う。浜辺にいた猫もきっと海に癒されていたと。
人と猫。きっと同じような感覚を持っていると信じたい。猫好きだから、そう思っても許してほしい。
猫は猫で「馬鹿言っているよ」と苦笑いを浮かべているかもしれないけどね。
何が見えたかな。真夏の人が混雑する海水浴場だろうか。それとも、夏も過ぎて誰もいない静かな海だろうか。
今年の夏は海水浴に行ったという人は多いのだろうか。私は行っていない。
泳ぎに行ったのはいつのことだろうか。もう何年も行っていない。だけど、海には行っている。夏以外にね。
「何をしに?」
そう思っただろうか。それはね、海辺を歩くことが好きでね。潮の香り、心地よい波音。いいよね。
あっ、潮の香りと言ったが実はこれ植物プランクトンの死骸の臭いなのだ。そう思うと、鼻をつまみたくなる。
「いい香り、撤回だ」
そう叫びたくなる。誰だ、そんなこと教えた奴はと八つ当たりしたくなる。知らなくてもいいことってあるよね。そう思わないかい。だからか、冬とかってあまり潮の香りがしない気がする。まあ、プランクトンの死骸だと知ってもあの潮の香りは海に来たと感じられるからね。嫌なことは忘れて、海を楽しもう。自然を堪能しよう。
さっき、海辺を歩くことが好きだと話したが、実のところ他にも理由がある。息詰まったとき、気分転換に海辺を歩くとなんとなくスッキリするからだ。
リフレッシュだね。
小説を書いていて、いいアイデアが湧かないってときも海に行って歩くことがある。もちろん、いいアイデアが必ず浮かぶという確証はない。それでも、何かしらアイデアは浮かんでくる。没になることは多々あるが、まったく浮かばないよりはいい。そこから、違うものが生まれることもあるから。
アイデアってやっぱりリラックスするときに浮かぶことが多い。
ドライブ中とか入浴中とかね。寝る前にも浮かぶことがある。そのときは、急いでメモ帳に書きなぐってから寝る。ドライブ中や入浴中は頭のメモリにしっかりインプットしておく。忘れた時は、まあ大したアイデアじゃなかったと諦めればいい。
すごくいいアイデアだったかもしれないのに。もったいないよ。なんてことも考えてしまうが、意外といいアイデアって覚えているものだ。不思議だけど。
私はプロの小説家ではないから、それが面白いものかどうかはわからないけど。自分では面白いと思えるから書いている。もちろん、出版している本には敵わない。当たり前だ。
はたして本当にそうなのか。もしかしたら、どこか勝っていることがあるかもしれなぞ。
そんな淡い期待を持ってしまうこともある。それくらいはいいよね。
そうそう、プロの小説家も自分の書いたものが面白いのか不安になることがあるらしい。読者の『面白い』という感想を見てホッとするようだ。
プロがそうなのだから、素人が不安になるのは当たり前だ。
あれ、また話が逸れていないか。
海の話をしていたはずなのに。面目ない。
けど、関係がないとは言えないか。海に行くと閃くって話だからね。
今書いているこのエッセイも実は海に行って思いついたものだ。ちょっとネタに困っていてね。
海はいいね。
「海は広いな、大きいな~」って歌いたくなる。
海辺を歩いているときは、海だけじゃなく空も見ている。龍神様がいないかな、なんて思って空を眺めていることも多い。一回だけ、龍に似た雲を発見したときはなんだか嬉しくなったものだ。あれが本物の龍神様だったらいいのにって思ったけど、実際にいたのかもとも思っている。龍が見えない人にも見える形で現れてくれたのではないかと。
そう思ったほうが楽しいでしょ。
私って変だろうか。
「変だ」なんて誰か言っただろうか。空耳か。もしも言ったとしても私に聞こえるはずがない。聞こえたとしたら、きっと幻聴だ。病気かもしれないぞ。
変なこと言うのはよそう。私は変じゃない。たぶん。
龍神様のことにしたって、おそらく神社仏閣巡りも好きだから、そう思ってしまうのだろう。
まあ、この話はまた別の機会にでも話しましょうか。書けるかはわからないけどね。きっと書かない。猫と繋がりそうにないから。私も気まぐれだから、絶対とは言えないけどね。
そうそう、海で猫をみかけたことがある。
猫も海に癒しを求めてやってくるのだろうか。それも一匹じゃない。三匹いた。いや、もっといただろうか。
海で猫の集会でも開かれたのだろうか。この話は前もしたっけ。まあいいか。
目が合ったけど、逃げなかった。近づけない場所にいることを知っていたからだろう。
海辺に猫。不釣合いのような気もする。いや、いるか。港に猫はいる。ただ、海の近い浜辺にいるのを見たのははじめてだ。けど、猫がいるところはきっと波がこないだろう。海に猫か。よく考えてみたら不釣合いってことはないのか。
ウミネコがいるくらいだから。あっ、あれは鳥だ。
ボケている場合じゃない。そういうときは歌っちゃおう。
「海は広いな、大きいな~」
それは違うか。
もちろん、海辺で歌は歌わない。心の中で歌うだけだ。歌ったら、浜辺の猫が笑うかもしれないね。
「あいつ、馬鹿か」なんて思うかもしれない。
いつしかの猫みたいに冷たい視線を送られるかもしれない。思い出すと笑えてくる顔だ。猫も変顔をするのだなと思ったっけ。
私は思う。浜辺にいた猫もきっと海に癒されていたと。
人と猫。きっと同じような感覚を持っていると信じたい。猫好きだから、そう思っても許してほしい。
猫は猫で「馬鹿言っているよ」と苦笑いを浮かべているかもしれないけどね。
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