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4 Side 慧
47 すべきこと
しおりを挟むわかりきっていたのに、なぜこんなにも迷っていたのだろう。
俺はこれまでも誉史のことで悩むたび、みんなに助けてもらってきたことを思い出した。
夏、初めて抱いた気持ちが何なのかわからなかったとき。そしてつい最近も誉史とのすれ違いでどうしたらいいのかわからなくなっていたとき。
そのたびいつもほなみや皆川、真野が俺を助けてくれていたのだ。いまも友達でいてくれて、助言を返してくれるみんなに心のなかで感謝した。
そして彼女たちから返ってくる「本人としっかり話せ」ということばを思い出す。
それはどう考えても当たり前のことだった。ふたりで始めた関係のなかのことは、本人達にしかわからない。そしてそれは本人達でしか決めることも、変えることもできないのだ。
――もう、ひとりで悩むことはやめよう。
そう思った俺の手は自然と動いた。スマホを出して誉史のもとへ連絡を送り、普段と同じように会う約束を取り付ける。
すると返事はすぐに返ってきた。その内容を見た俺は一瞬動揺する。
『いいよ。ただ話があるから、放課後水上公園でいい?』
誉史の指定した水上公園は、以前彼が家庭の悩みでバイトをさぼったときに見つけた、あの川沿いの公園だった。
――なんでこれまでと同じように家ではないのだろう。
俺は咄嗟にそう思ってしまったものの、それ以上深く考えないように努力した。
もう勝手な思い込みで頭をいっぱいにして、話を複雑にすることは避けたかった。
いま俺がすべきことは、目の前の誉史をよく見て話を聞き、こちらの気持ちを伝えることだったから。
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