HEAVENS HEARTS

HI-ROCKS

文字の大きさ
40 / 52
SPEED 05 覚醒の光条

SPEED 05-07

しおりを挟む
「カル君、続けよっか……エルナ正解。滅(ラグナ)ジャンキーは火事場の馬鹿力を底力として使った。お前の打撃に危機感を募らせ、拳の先に死滅を見続けながら。結局、奴のリミッターを外したのもお前なら、攻撃は最大の防御とする防衛本能優先を誘ったのもお前自身」

「だからアイツ……折(イカ)れた腕を鞭に見立てるような無茶を……筋組織がズタボロに何のもお構いなしに……」

「そんな化物とされた連中を淘汰してやる為、俺達は欲した。お前達に披露したアノ動きを。そして実現させた……コレの完成によって」

更に提示される一枚の写真(フォトグラフ)。

「何じゃソレ?」

「コンピューターチップみたいな形やな……」

差し出された写真を親の仇の如く凝視するも、さっぱり見当の付かない二人は揃い視線を持ち主へと移した。

「Heaven's Hearts……それがこのチップの名称にして前述のツキカを頭とする群れの組織名だ」

「ヘブンズ・ハーツ?何のこっちゃ?」

「それは名付け親本人に訊いてもらおう」

零士が流し、月華に漂着する視線。

「私としては造語を使いたかったんだけど、ゼロが洒落臭いって言うもんだから結局は私にとって響きのいい語感(オト)を並べたの。別に深い意味を持つ語句(センテンス)じゃないわ……続けてゼロ」

どこか照れくさげな流し返し。

「……まず、このHHC(ヘブンズ・ハーツ・チップ)は先のナノロボットと同じ分子サイズと思ってくれていい。つまり、シゴトもまた同様に電気信号を脳に発信することで初めて効果を発揮するモノ」

「そんなチッポケなモンでホンマにあんな動き」

「て、言うでしょ?これで仮に手合わせがなかったとしたらどんな暴言が飛んでたことか……想像するとゾッとするわよ、カル」

五感以上のモノを総動員しようととてもかなわない自分とは全く違う次元の身体能力を、カルナは確かに味わった。だからこそ、肉眼では認識できないナノサイズレベルの物体に、その仕業の根源があるというのがどうしても納得できずにいた。

「猜疑心に満ちた目で睨むなよ、噛み砕いてやるから。かつて日進月歩で進歩し英知を極めたかのように振る舞っていた人類も、自身の頭脳には未知なる部分を多分に残していた。だが探究心や好奇心には逆らえず、動物実験を足掛かりとして分析を開始、その領域へと邁進していく」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?

くまの香
ファンタジー
 いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

処理中です...