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SPEED 05 覚醒の光条
SPEED 05-14
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ベッドに腰掛けるエルナの承諾に零士は他方に合図を振り、受けた月華が液体の入った二つのカプセルで応える。
「肉眼では確認できんがこのなかで浮遊するがHHC。これからLBを介して前頭部に射出し脳へと着岸させるが、このHHCには既に月影がお前達固有のDNAデータを書き込んでくれているから、カルナの足で示したように外傷が残ることもなければ、痛みの心配もいらない」
「説明と同意(インフォームドコンセント)は必要ないで零士さん。信用度94%やから」
「残念だが俺なら100%を越える。イクぜ」
説明通り、エルナの前頭部に優しく押し当てられるLB。
「カルゥッ!横から覗き込んで邪魔しない」
オドオドしながらも鼻が付く程に接点に近付くカルナの襟首を月華が掴み引き剝がした。
「いいぜ、エルナ」
「えっ?もう終わり?」
「拍子抜けか?だが問題なく成功だぜ」
物の数秒の手際に目を丸くするエルナを、零士の笑みが和らげる。
「なあ……痛い?痛かった?……イタカッタカッテヤァッ!」
「ウッサイなぁモォ!そんなに知りたかったら先にやったらよかったんや、この臆病者(ビビり)」
「誰がビビりや!身体のドコ切っても肝だらけやっちゅうねん!」
ヤケクソ気味にエルナの横を陣取ったカルナは自分の頭を指差し、零士に催促した。が、
「……やれやれだな」近付く零士を目の端で捉えた途端、カルナの瞳孔は瞬時に拡がり、
「ちょっ、チョット待った!脳みたいな複雑な部位にそんな大雑把なやり方でホンマ大丈夫なんか!?」両手を以て即、零士を遮った。
「エルナは何ら異変を見せないだろ」
零士は素っ気なく答え、エルナの時と同様カルナの頭にLBを近付ける。
「ああっと、ええっと……あっ!そうそう、LBを使ってHHCをってことは、一番最初(ショッパナ)はどうやって埋め込んだんや?」
「カル兄ぃ?ハナシ延ばすんやめようや~ムリムリやでぇ」
「け、けど、そうやろ?HHC埋め込んでへん奴がLBを手にしようが使われへんのや……鶏が先か卵が」
「はじめの一歩はナノロボットと同じく血管の中を通し、俺の脳へと辿り着かせた。これでいいか?さっさと済ませるぞ」
事が進まずの苛立たしさが要点だけを捲くし立て、カルナの肩を押さえLBを前頭部に押し付けた。
「年貢の納め時やカル兄ぃ」
「ちょっ……あっ……」
躊躇するカルナに更に伝わる押される感覚。
しかし、エルナの時のよう瞬時に済む手際ではなく、カルナの動揺を底辺から炙る。
そして、深まる動揺の源が己の拒絶が生んだ錯覚ではないとカルナが確信し始めた頃、
「ん?おっ?……変だな」眉間に皺寄せる零士が頭上にLBを翳した。
「なん!?な、何や!?何かマズったんか!?……オイィィィッ!聞いとんかァッ!」
なりふり構わず慌てふためくカルナが遠い目をする零士に猛烈と詰め寄った。
「肉眼では確認できんがこのなかで浮遊するがHHC。これからLBを介して前頭部に射出し脳へと着岸させるが、このHHCには既に月影がお前達固有のDNAデータを書き込んでくれているから、カルナの足で示したように外傷が残ることもなければ、痛みの心配もいらない」
「説明と同意(インフォームドコンセント)は必要ないで零士さん。信用度94%やから」
「残念だが俺なら100%を越える。イクぜ」
説明通り、エルナの前頭部に優しく押し当てられるLB。
「カルゥッ!横から覗き込んで邪魔しない」
オドオドしながらも鼻が付く程に接点に近付くカルナの襟首を月華が掴み引き剝がした。
「いいぜ、エルナ」
「えっ?もう終わり?」
「拍子抜けか?だが問題なく成功だぜ」
物の数秒の手際に目を丸くするエルナを、零士の笑みが和らげる。
「なあ……痛い?痛かった?……イタカッタカッテヤァッ!」
「ウッサイなぁモォ!そんなに知りたかったら先にやったらよかったんや、この臆病者(ビビり)」
「誰がビビりや!身体のドコ切っても肝だらけやっちゅうねん!」
ヤケクソ気味にエルナの横を陣取ったカルナは自分の頭を指差し、零士に催促した。が、
「……やれやれだな」近付く零士を目の端で捉えた途端、カルナの瞳孔は瞬時に拡がり、
「ちょっ、チョット待った!脳みたいな複雑な部位にそんな大雑把なやり方でホンマ大丈夫なんか!?」両手を以て即、零士を遮った。
「エルナは何ら異変を見せないだろ」
零士は素っ気なく答え、エルナの時と同様カルナの頭にLBを近付ける。
「ああっと、ええっと……あっ!そうそう、LBを使ってHHCをってことは、一番最初(ショッパナ)はどうやって埋め込んだんや?」
「カル兄ぃ?ハナシ延ばすんやめようや~ムリムリやでぇ」
「け、けど、そうやろ?HHC埋め込んでへん奴がLBを手にしようが使われへんのや……鶏が先か卵が」
「はじめの一歩はナノロボットと同じく血管の中を通し、俺の脳へと辿り着かせた。これでいいか?さっさと済ませるぞ」
事が進まずの苛立たしさが要点だけを捲くし立て、カルナの肩を押さえLBを前頭部に押し付けた。
「年貢の納め時やカル兄ぃ」
「ちょっ……あっ……」
躊躇するカルナに更に伝わる押される感覚。
しかし、エルナの時のよう瞬時に済む手際ではなく、カルナの動揺を底辺から炙る。
そして、深まる動揺の源が己の拒絶が生んだ錯覚ではないとカルナが確信し始めた頃、
「ん?おっ?……変だな」眉間に皺寄せる零士が頭上にLBを翳した。
「なん!?な、何や!?何かマズったんか!?……オイィィィッ!聞いとんかァッ!」
なりふり構わず慌てふためくカルナが遠い目をする零士に猛烈と詰め寄った。
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