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SPEED 05 覚醒の光条
SPEED 05-13
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「精神力?」
「HHCは月の力を得て初めて全機能が連結(リンク)される訳だが、単指向で降り注ぐエネルギーは莫大な数値に昇る。過剰なエネルギーにはダムを要す。それを担うが精神だ。精神力の心許ない人間、エネルギーを垂れ流す堰(せき)の小さい人間では掌握量や調整度などしれている。元の身体能力を越えるどころか身体バランスを崩し散々たる結果を導き出すなんてのは想像に易しい。更にβ-エンドルフィンがいくら脳内麻薬といえど摂取量制御不能となれば、内臓を終着にボロボロとなり一発で廃人コース。裏を返せば、どんな最低な奴であろうと精神力さえ強固ならば、強大な力を得られ尚且、俺が見せたような見世物をも使える。案外、精神力に関しては悪党の方が強烈だったりするからな。負の方角に向けば向く程に」
「オモロイやんけ!HHC……俺が圧(おさ)え込んだら!当然カマしてくれんのやろ」
ベッドから飛び降りたカルナが零士を見下ろし、自分の頭を中指で弾いた。
「為に私達は姿を現わした……あなたに嫌がられる長い説明をしてまでね。ただ勧めといてナンだけど、これだけは肝に銘じといて。私とゼロはHHCの完成を成してから今現在(これ)まで、身体への安全性を確認するために考えられるありとあらゆる実験を熟(こな)してきた……結果はあなた達見たように……けど!例え100%安全だったとしても体内に異物を取り入れるということは……つまり、この先どんな不具合が生じるかわか」
「ストップ月華姉ぇ!その先は必要ないで。月華姉ぇと零士さんは今のアタシ等なんかとは比べもんにならん手探り状態で未知なる次元に自分達の身体を投じてくれた。やのに、アタシ等が尻込んどったら……二度と二人の前に立たれへん。それにワンウェイ・チケットで連中と舞うより、フリーパスで戻って来て昔みたいにまた四人で遊びたい……」
エルナは、真剣な面持ちで気を砕く月華に心の内を全て曝(さら)け出し、応えた。
「キマリやな。で、HHCを埋め込む手術はいつしてくれんのや?」
「お望みとあらば今からでも構わないぜ」
「ちょっとマテ……まさかお前がやんのか?」
「何か問題でも?心配なら無用だ。このLB(ルナティック・ブレード)を用いれば頭蓋穿孔せずとも一瞬で終わる」
LB(ルナティック・ブレード)を翳し詰め寄る零士にカルナが珍しく後ずさる。
「何やカルナ兄ぃ、その歳んなって心的外傷(トラウマ)が芽生えたんか?何やったらアタシから先にやってもらおうか?」
「しゃ、しゃあないな……譲ったるわ。主役は最後にってのがお決まりコースやからな」
「はいはい。じゃあ零士さんアタシから先に」
「HHCは月の力を得て初めて全機能が連結(リンク)される訳だが、単指向で降り注ぐエネルギーは莫大な数値に昇る。過剰なエネルギーにはダムを要す。それを担うが精神だ。精神力の心許ない人間、エネルギーを垂れ流す堰(せき)の小さい人間では掌握量や調整度などしれている。元の身体能力を越えるどころか身体バランスを崩し散々たる結果を導き出すなんてのは想像に易しい。更にβ-エンドルフィンがいくら脳内麻薬といえど摂取量制御不能となれば、内臓を終着にボロボロとなり一発で廃人コース。裏を返せば、どんな最低な奴であろうと精神力さえ強固ならば、強大な力を得られ尚且、俺が見せたような見世物をも使える。案外、精神力に関しては悪党の方が強烈だったりするからな。負の方角に向けば向く程に」
「オモロイやんけ!HHC……俺が圧(おさ)え込んだら!当然カマしてくれんのやろ」
ベッドから飛び降りたカルナが零士を見下ろし、自分の頭を中指で弾いた。
「為に私達は姿を現わした……あなたに嫌がられる長い説明をしてまでね。ただ勧めといてナンだけど、これだけは肝に銘じといて。私とゼロはHHCの完成を成してから今現在(これ)まで、身体への安全性を確認するために考えられるありとあらゆる実験を熟(こな)してきた……結果はあなた達見たように……けど!例え100%安全だったとしても体内に異物を取り入れるということは……つまり、この先どんな不具合が生じるかわか」
「ストップ月華姉ぇ!その先は必要ないで。月華姉ぇと零士さんは今のアタシ等なんかとは比べもんにならん手探り状態で未知なる次元に自分達の身体を投じてくれた。やのに、アタシ等が尻込んどったら……二度と二人の前に立たれへん。それにワンウェイ・チケットで連中と舞うより、フリーパスで戻って来て昔みたいにまた四人で遊びたい……」
エルナは、真剣な面持ちで気を砕く月華に心の内を全て曝(さら)け出し、応えた。
「キマリやな。で、HHCを埋め込む手術はいつしてくれんのや?」
「お望みとあらば今からでも構わないぜ」
「ちょっとマテ……まさかお前がやんのか?」
「何か問題でも?心配なら無用だ。このLB(ルナティック・ブレード)を用いれば頭蓋穿孔せずとも一瞬で終わる」
LB(ルナティック・ブレード)を翳し詰め寄る零士にカルナが珍しく後ずさる。
「何やカルナ兄ぃ、その歳んなって心的外傷(トラウマ)が芽生えたんか?何やったらアタシから先にやってもらおうか?」
「しゃ、しゃあないな……譲ったるわ。主役は最後にってのがお決まりコースやからな」
「はいはい。じゃあ零士さんアタシから先に」
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