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プロポーズ
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急に静かになった気がする。
グルニスラン城で過ごした半月くらいの期間は、それはそれは賑やかだった。
それぞれに個室は与えられていたとはいえ、殆どの時間を王女様、サミュエルさん、そしてジョシュアの四人で過ごしていた。
王女様は初めこそ王族らしい立ち振る舞いだったが、それも直ぐに朗らかな笑顔を見せてくれるようになった。
数日も経てば部屋からは笑い声が溢れ、たくさん話もしたし、ジョシュアは王女様の部屋に泊まる日もあった。
これから引き続き、サミュエルさんとジョシュアと一緒に過ごせるのは、王女様にとても有益であろう。
そして、俺はまたここに帰ってきた。
ジェネシスさんの家に。みんなで過ごす豪華なお城も勿論楽しかったが、やはり自分の隣にいるのはジェネシスさんであって欲しい。
二重に架かった大きな虹を見ながら、その夢が叶っている。
これが本当に嬉しいのだ。
「Lien」
「はい」
ジェネシスさんのほうを見ると、一つ咳払いをし、改めて俺と向き合った。
どうしたんだろうと思いながらも、俺もジェネシスさんに倣い向き合いに立った。
いつもは優しい瞳で見つめてくれるのに、今日はなんだか雰囲気が違う。
若干緊張しているような……、真剣な目をしている。
騎士団長としての顔とはまた違う真剣さを感じた。
「ジェネシスさん? どうしたんですか? 体調でも悪いんですか?」
パロミデルの件から、ずっと休む暇なく働いていたから、疲労が溜まっていて当然だ。
「直ぐに休んだほうが……!」
「いや、違う。そうじゃなんだ。忙しくしていた間も聖水の雨が降り続いていたから、その都度飲んでは体力を回復させていた。だから体はなにも心配いらないよ。それよりも、Lienは疲れていないかい?」
「俺も、大丈夫です! 王女様はとっても楽しくて心優しい方でしたし、サミュエルさんとジョシュアも殆どの時間を一緒に過ごしていたので、楽しい思い出が沢山できました」
「そうか、それは良かった」
いつもの笑顔でジェネシスさんが俺の頬を撫でた。
「でも……」
「でも、どうした?」
「やっぱり、俺の隣にはジェネシスさんにいてほしいです」
半月ほど離れて暮らして、思い知らされた。
俺はジェネシスさんがいないとダメだと言うことを。
いつだって、どんな時だって、なにを経験する時も、一緒にいるのはジェネシスさんがいい。
いつもはジェネシスさんから言ってくれるから、全てのことが解決した時は、自分から想いを伝えようと決意していた。
今がまさにその時だ。
深呼吸をして、ジェネシスさんに気持ちをぶつける。
「俺、ジェネシスさんが好っ……!」
“好きです”と言おうとしたところで唇を押さえられた。
「待って。Lien、先に言わないで」
「ジェネシスさん、でも俺からちゃんと伝えたいんです」
「実は、俺も今日Lienに伝えようと思って準備していたんだ」
ジェネシスさんはパンツのポケットから、ゴールドの細いチェーンのチョーカーを取り出した。真ん中にシンプルなプレートが付いている。
それを俺の首につけてくれた。
「Lien、生涯俺のパートナーでいてください」
まさか、チョーカーをプレゼントされるなんて思ってもみなかった。
首につけるチョーカーはパートナーのいる証だ。それを今、俺は最愛の人からプレゼントしてもらったのだ。
こんな日が自分に訪れるなんて、夢でも見たことはない。
指で首元を触ると、金属の少し冷たい感触が伝わってくる。
(嬉しい)
素直に感じた感情だった。
「俺、ジェネシスさんが好きです。ずっと、一緒にいてください」
準備していた言葉を、俺からも贈る。
「勿論だ。絶対に離さない。Lien、愛してる」
虹をバックに誓いのキスを交わす。
太陽の光が俺たちを祝福するように降り注ぎ、木々は風に揺れ、拍手をするように葉音を鳴らす。
森の奥で鳥の群れが飛び立った。
「完璧な演出だ」
二人で顔を見合わせ笑う。
「必ず幸せにすると誓うよ、Lien」
「これ以上の幸せなんて望んでいません。ジェネシスさんが幸せなら、俺も同じくらい幸せなんですから」
静かに口付けた。
今、俺は間違いなく幸せだ。
「好き。ジェネシスさんが、好きです」
「Lien、今日の君はいつもよりも素直で照れてしまう」
「コマンドなしで、言うって約束しましたから。これからは、ジェネシスさんに負けないくらい好きだって伝えます。かっこいいって言います」
「プレイがしたいも言ってくれる?」
「そっ!! それは……そのうち……追々に……」
まだそこまでは恥ずかしすぎて言える勇気はない。
「ふふ。冗談だよ。いつだって俺から誘いたいしね。でも、Lienから誘ってくれるのも、たまにはいいかな」
「い、言えませんっ!!」
拗ねたように口を尖らす俺に、再びジェネシスさん唇が重なった。
「ん、んん……ジェネシスさ……すき……」
「俺も、大好きだよ。Lien」
虹が消えてなくなるまで、キスをしていた。
ジェネシスさんの首に腕を回すと、口付けたままお姫様抱っこをされた。
そのまま家の中に入っていく。
「Lien、プレイがしたい」
「俺も……したいです」
うっとりとジェネシスさんを見つめた。
半月ぶりのプレイに、早くも気持ちが昂ってきた。
グルニスラン城で過ごした半月くらいの期間は、それはそれは賑やかだった。
それぞれに個室は与えられていたとはいえ、殆どの時間を王女様、サミュエルさん、そしてジョシュアの四人で過ごしていた。
王女様は初めこそ王族らしい立ち振る舞いだったが、それも直ぐに朗らかな笑顔を見せてくれるようになった。
数日も経てば部屋からは笑い声が溢れ、たくさん話もしたし、ジョシュアは王女様の部屋に泊まる日もあった。
これから引き続き、サミュエルさんとジョシュアと一緒に過ごせるのは、王女様にとても有益であろう。
そして、俺はまたここに帰ってきた。
ジェネシスさんの家に。みんなで過ごす豪華なお城も勿論楽しかったが、やはり自分の隣にいるのはジェネシスさんであって欲しい。
二重に架かった大きな虹を見ながら、その夢が叶っている。
これが本当に嬉しいのだ。
「Lien」
「はい」
ジェネシスさんのほうを見ると、一つ咳払いをし、改めて俺と向き合った。
どうしたんだろうと思いながらも、俺もジェネシスさんに倣い向き合いに立った。
いつもは優しい瞳で見つめてくれるのに、今日はなんだか雰囲気が違う。
若干緊張しているような……、真剣な目をしている。
騎士団長としての顔とはまた違う真剣さを感じた。
「ジェネシスさん? どうしたんですか? 体調でも悪いんですか?」
パロミデルの件から、ずっと休む暇なく働いていたから、疲労が溜まっていて当然だ。
「直ぐに休んだほうが……!」
「いや、違う。そうじゃなんだ。忙しくしていた間も聖水の雨が降り続いていたから、その都度飲んでは体力を回復させていた。だから体はなにも心配いらないよ。それよりも、Lienは疲れていないかい?」
「俺も、大丈夫です! 王女様はとっても楽しくて心優しい方でしたし、サミュエルさんとジョシュアも殆どの時間を一緒に過ごしていたので、楽しい思い出が沢山できました」
「そうか、それは良かった」
いつもの笑顔でジェネシスさんが俺の頬を撫でた。
「でも……」
「でも、どうした?」
「やっぱり、俺の隣にはジェネシスさんにいてほしいです」
半月ほど離れて暮らして、思い知らされた。
俺はジェネシスさんがいないとダメだと言うことを。
いつだって、どんな時だって、なにを経験する時も、一緒にいるのはジェネシスさんがいい。
いつもはジェネシスさんから言ってくれるから、全てのことが解決した時は、自分から想いを伝えようと決意していた。
今がまさにその時だ。
深呼吸をして、ジェネシスさんに気持ちをぶつける。
「俺、ジェネシスさんが好っ……!」
“好きです”と言おうとしたところで唇を押さえられた。
「待って。Lien、先に言わないで」
「ジェネシスさん、でも俺からちゃんと伝えたいんです」
「実は、俺も今日Lienに伝えようと思って準備していたんだ」
ジェネシスさんはパンツのポケットから、ゴールドの細いチェーンのチョーカーを取り出した。真ん中にシンプルなプレートが付いている。
それを俺の首につけてくれた。
「Lien、生涯俺のパートナーでいてください」
まさか、チョーカーをプレゼントされるなんて思ってもみなかった。
首につけるチョーカーはパートナーのいる証だ。それを今、俺は最愛の人からプレゼントしてもらったのだ。
こんな日が自分に訪れるなんて、夢でも見たことはない。
指で首元を触ると、金属の少し冷たい感触が伝わってくる。
(嬉しい)
素直に感じた感情だった。
「俺、ジェネシスさんが好きです。ずっと、一緒にいてください」
準備していた言葉を、俺からも贈る。
「勿論だ。絶対に離さない。Lien、愛してる」
虹をバックに誓いのキスを交わす。
太陽の光が俺たちを祝福するように降り注ぎ、木々は風に揺れ、拍手をするように葉音を鳴らす。
森の奥で鳥の群れが飛び立った。
「完璧な演出だ」
二人で顔を見合わせ笑う。
「必ず幸せにすると誓うよ、Lien」
「これ以上の幸せなんて望んでいません。ジェネシスさんが幸せなら、俺も同じくらい幸せなんですから」
静かに口付けた。
今、俺は間違いなく幸せだ。
「好き。ジェネシスさんが、好きです」
「Lien、今日の君はいつもよりも素直で照れてしまう」
「コマンドなしで、言うって約束しましたから。これからは、ジェネシスさんに負けないくらい好きだって伝えます。かっこいいって言います」
「プレイがしたいも言ってくれる?」
「そっ!! それは……そのうち……追々に……」
まだそこまでは恥ずかしすぎて言える勇気はない。
「ふふ。冗談だよ。いつだって俺から誘いたいしね。でも、Lienから誘ってくれるのも、たまにはいいかな」
「い、言えませんっ!!」
拗ねたように口を尖らす俺に、再びジェネシスさん唇が重なった。
「ん、んん……ジェネシスさ……すき……」
「俺も、大好きだよ。Lien」
虹が消えてなくなるまで、キスをしていた。
ジェネシスさんの首に腕を回すと、口付けたままお姫様抱っこをされた。
そのまま家の中に入っていく。
「Lien、プレイがしたい」
「俺も……したいです」
うっとりとジェネシスさんを見つめた。
半月ぶりのプレイに、早くも気持ちが昂ってきた。
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