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第三章
新騎士団創設
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エルネスト王子殿下からドミナクス辺境伯の爵位剥奪と、フィリオンが騎士団長を務める新騎士団創設の告示式が開かれた。
王都広場は朝から賑わっていて、新しい騎士団へのお披露目を今か今かと待っている。
私もレオナルト公爵と共にフィリオンの勇姿を見届けた。
『ルーヴルアージュ騎士団』は早くも期待値が上がっている。
同時に発表されたドミナクス辺境伯の爵位剥奪は会場を震撼させたが、その辺境地の護衛等として活動が始まると聞くと、大きな歓声が上がった。
フィリオンは物怖じせず、「期待に応えられる騎士団を作り上げる」と宣言した。
その姿を目に焼き付け、セリオになんと伝えようかと考えながら過ごした。
ドミナクスは拘束され、今、収容されてる場所は明かされなかったが、重罪の数々に終身を迎えても出てくることはない。
『これまで自分が領民に与えてきた痛みや苦しみを与え続ける』とエルネスト王子殿下が以前話していたのを思い出した。それがどんな罰なのかは教えてくれないが、彼に怯える時間が完全に終わったという安心感は相当なものだった。
ドミナクス領地は手続きが完了次第、レオナルト公爵の領地となる旨も発表され、ルーヴルアージュ騎士団と共に領地再建に向けて動き出す。
「また忙しくなる」
レオナルト公爵は私の耳許で囁いた。
私やセリオが元ドミナクス領地を訪れても、過去を思い出さないほどの変貌を目指していると言ってくれた。
セリオはきっとフィリオンと共にあの土地に戻ることもあるだろう。
二人が番になるのは時間の問題だ。
フィリオンもセリオも会うたび惹かれ合っているとエルネスト王子殿下が話していた。
そして告示式から二十日ほど経った頃、フィリオンからセリオを同行させると正式に報告を受けた。
「セリオの体質がオメガの性を取り戻しつつある。今、離れない方がいいと感じるんだ」
とフィリオンは言った。
「もしも発情期が始まった時は、番になる。いつになるか分からないが、俺のこれまでの苦しみや屈辱も、セリオと出会うためだったと思えば必要な経験だったと思えるんだ。セリオやエクラの経験からすれば、俺は泣き言にもならない期間で救われた。それでも人生で初めて味わった挫折を経験できて良かったと思えるようになった。これもエクラやセリオのおかげだ」
辺境地への出発前に、そう話してくれた。
そして、私もまた慌ただしい日々を過ごしていた。
エルネスト王子殿下との婚約に向けて本格的に動き出したのだ。
初めて国王や王太子殿下、第二王子と顔を合わせた時は大変だった。全員、エルネスト王子殿下の数倍好奇心が強かった。
受け入れてもらえるか不安だった時間は全くの杞憂に終わった。
それどころか、取り囲む勢いで『エルネスト王子殿下が選んだ相手』として大歓迎してもらえた。
国王曰く「エルネストがこのまま運命の番に会えなければ、結婚もしないし子供も作らないと頑なに言っていた」らしく、結婚適齢期を過ぎてしまうのではないかと内心ヒヤヒヤしてたらしい。
「結婚までスムーズに進められるよう、サポートする」と、心強い言葉を賜った。
エルネスト王子殿下も監察官としての仕事が立て込んでいたが、落ち着いたタイミングで、遂に私は王城内の離れに引っ越すことが決定した。
そこで、正式に結婚するまでを過ごすこととなる。
よりエルネスト王子殿下の近いところに行けると思うと、待ち遠しくて堪らなかった。
王都広場は朝から賑わっていて、新しい騎士団へのお披露目を今か今かと待っている。
私もレオナルト公爵と共にフィリオンの勇姿を見届けた。
『ルーヴルアージュ騎士団』は早くも期待値が上がっている。
同時に発表されたドミナクス辺境伯の爵位剥奪は会場を震撼させたが、その辺境地の護衛等として活動が始まると聞くと、大きな歓声が上がった。
フィリオンは物怖じせず、「期待に応えられる騎士団を作り上げる」と宣言した。
その姿を目に焼き付け、セリオになんと伝えようかと考えながら過ごした。
ドミナクスは拘束され、今、収容されてる場所は明かされなかったが、重罪の数々に終身を迎えても出てくることはない。
『これまで自分が領民に与えてきた痛みや苦しみを与え続ける』とエルネスト王子殿下が以前話していたのを思い出した。それがどんな罰なのかは教えてくれないが、彼に怯える時間が完全に終わったという安心感は相当なものだった。
ドミナクス領地は手続きが完了次第、レオナルト公爵の領地となる旨も発表され、ルーヴルアージュ騎士団と共に領地再建に向けて動き出す。
「また忙しくなる」
レオナルト公爵は私の耳許で囁いた。
私やセリオが元ドミナクス領地を訪れても、過去を思い出さないほどの変貌を目指していると言ってくれた。
セリオはきっとフィリオンと共にあの土地に戻ることもあるだろう。
二人が番になるのは時間の問題だ。
フィリオンもセリオも会うたび惹かれ合っているとエルネスト王子殿下が話していた。
そして告示式から二十日ほど経った頃、フィリオンからセリオを同行させると正式に報告を受けた。
「セリオの体質がオメガの性を取り戻しつつある。今、離れない方がいいと感じるんだ」
とフィリオンは言った。
「もしも発情期が始まった時は、番になる。いつになるか分からないが、俺のこれまでの苦しみや屈辱も、セリオと出会うためだったと思えば必要な経験だったと思えるんだ。セリオやエクラの経験からすれば、俺は泣き言にもならない期間で救われた。それでも人生で初めて味わった挫折を経験できて良かったと思えるようになった。これもエクラやセリオのおかげだ」
辺境地への出発前に、そう話してくれた。
そして、私もまた慌ただしい日々を過ごしていた。
エルネスト王子殿下との婚約に向けて本格的に動き出したのだ。
初めて国王や王太子殿下、第二王子と顔を合わせた時は大変だった。全員、エルネスト王子殿下の数倍好奇心が強かった。
受け入れてもらえるか不安だった時間は全くの杞憂に終わった。
それどころか、取り囲む勢いで『エルネスト王子殿下が選んだ相手』として大歓迎してもらえた。
国王曰く「エルネストがこのまま運命の番に会えなければ、結婚もしないし子供も作らないと頑なに言っていた」らしく、結婚適齢期を過ぎてしまうのではないかと内心ヒヤヒヤしてたらしい。
「結婚までスムーズに進められるよう、サポートする」と、心強い言葉を賜った。
エルネスト王子殿下も監察官としての仕事が立て込んでいたが、落ち着いたタイミングで、遂に私は王城内の離れに引っ越すことが決定した。
そこで、正式に結婚するまでを過ごすこととなる。
よりエルネスト王子殿下の近いところに行けると思うと、待ち遠しくて堪らなかった。
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