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本編
4
遠目から俺を見ていたというジェイクの元にいくと、盛大に笑われた。
一部始終を見ていたそうだ。
「なら、助けてよ!!」
なんて言ってもジェイクだって忙しいのは分かっている。
冗談で責めると、その次には二人で笑った。
その後、最低限の敬語を教えてくれるところがジェイクのいいところだ。
さっきの騎士団員のグループは、早速会場に入ってきた女性を口説きに近寄っていた。
あの人たちも、俺を遊び半分で揶揄っただけだろう。
騎士団員のグループを皮切りに、次々と会場に客が入ってくる。
ドリンクを運ぶだけでも広い会場内を行き来するのが大変になってきた。
さっきまで笑い合っていたジェイクも俺も、すっかりと仕事用の笑顔に切り替えて接客に勤しんだ。
「マヒロ、来てくれ」
突然ジェイクが腕を掴んできた。
「どうした? そんな急いで」
「さっそく来たようだ。発情Ωが」
入口近くに目を向けると、確かに明らかに呼吸の荒い女性がいた。
それでいて、露出の多いドレスを着ている。
「ジェイク、俺が行く。ホテルから出せばいいんだろ?」
「いや、そのまま外に出すのは危険だから、医務室分かる? そこで抑制剤の注射を打ってもらってくれ。連れて行けばすぐに対応してくれるから」
「分かった。ジェイクも一応αなんだから、後は俺に任せて」
「ありがとう、マヒロ。よろしく頼んだ」
ジェイクとはそこで別れた。
急いでその女性に近づくと、香水の匂いで既に臭い。この上、フェロモンが出てるって、αが臭覚を失うんじゃないか? と思ってしまう。
「お客さま、体調が悪いみたいだけど、大丈夫? なのですか?」
敬語はすぐに使えるようになるわけではない。どうせ発情してたらちゃんと聞いてなんかないだろう。
割り切って対応しようと気持ちを切り替えた。
「あの、リアム様……はぁ、はぁ……。リアム様はもうお越しになられています?」
「まだだ~ですけどね。お客さま、体調がお悪いみたいだから、医務室へ一回案内するますね」
怪訝な顔を向けられたが、もう気にしない。
この臭い女をさっさと医務室に放り込んで解放されたい。
「私、リアム様に抱かれるまでは……ふぅん……帰らないからあ!」
ふぅん、じゃないだろう!!! 無駄なフェロモンを出すな!!
ふらふらの足取りで会場へ入ろうとする女を止めるのって、こんなに大変なんだ。
厨房ならこんな丁寧に扱ってなんてくれないのに。
「そんな臭……いや、フェロモンの香りのまま会場に入ると、他のαに狙われるんじゃないのですこと?」
今度こそ、ギロリと睨まれた。
もう、こんな女に敬語なんて使ってられるか。と思いつつ、料理長の顔を思い出すと、後々の叱責の方が恐ろしいと思い直し、なんとか医務室へと誘導したのだった。
一部始終を見ていたそうだ。
「なら、助けてよ!!」
なんて言ってもジェイクだって忙しいのは分かっている。
冗談で責めると、その次には二人で笑った。
その後、最低限の敬語を教えてくれるところがジェイクのいいところだ。
さっきの騎士団員のグループは、早速会場に入ってきた女性を口説きに近寄っていた。
あの人たちも、俺を遊び半分で揶揄っただけだろう。
騎士団員のグループを皮切りに、次々と会場に客が入ってくる。
ドリンクを運ぶだけでも広い会場内を行き来するのが大変になってきた。
さっきまで笑い合っていたジェイクも俺も、すっかりと仕事用の笑顔に切り替えて接客に勤しんだ。
「マヒロ、来てくれ」
突然ジェイクが腕を掴んできた。
「どうした? そんな急いで」
「さっそく来たようだ。発情Ωが」
入口近くに目を向けると、確かに明らかに呼吸の荒い女性がいた。
それでいて、露出の多いドレスを着ている。
「ジェイク、俺が行く。ホテルから出せばいいんだろ?」
「いや、そのまま外に出すのは危険だから、医務室分かる? そこで抑制剤の注射を打ってもらってくれ。連れて行けばすぐに対応してくれるから」
「分かった。ジェイクも一応αなんだから、後は俺に任せて」
「ありがとう、マヒロ。よろしく頼んだ」
ジェイクとはそこで別れた。
急いでその女性に近づくと、香水の匂いで既に臭い。この上、フェロモンが出てるって、αが臭覚を失うんじゃないか? と思ってしまう。
「お客さま、体調が悪いみたいだけど、大丈夫? なのですか?」
敬語はすぐに使えるようになるわけではない。どうせ発情してたらちゃんと聞いてなんかないだろう。
割り切って対応しようと気持ちを切り替えた。
「あの、リアム様……はぁ、はぁ……。リアム様はもうお越しになられています?」
「まだだ~ですけどね。お客さま、体調がお悪いみたいだから、医務室へ一回案内するますね」
怪訝な顔を向けられたが、もう気にしない。
この臭い女をさっさと医務室に放り込んで解放されたい。
「私、リアム様に抱かれるまでは……ふぅん……帰らないからあ!」
ふぅん、じゃないだろう!!! 無駄なフェロモンを出すな!!
ふらふらの足取りで会場へ入ろうとする女を止めるのって、こんなに大変なんだ。
厨房ならこんな丁寧に扱ってなんてくれないのに。
「そんな臭……いや、フェロモンの香りのまま会場に入ると、他のαに狙われるんじゃないのですこと?」
今度こそ、ギロリと睨まれた。
もう、こんな女に敬語なんて使ってられるか。と思いつつ、料理長の顔を思い出すと、後々の叱責の方が恐ろしいと思い直し、なんとか医務室へと誘導したのだった。
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