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本編
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目を覚ました時、医務室のベッドの上だった。発情Ωの女客を連れてきた時の記憶がすぐに蘇った。
先生の姿が霞んで見える。
「……た? ……うぶ?」
先生が何かを言っているみたいだけど、まだ頭がぼんやりして聞き取れない。
そういえば、俺はなんでこんなところにいるんだ?
今日は確か、パーティー会場の助っ人で働いてて……。
そうだ! リアム様に発情して、ジェイクが助けてくれたんだった!!
ジェイクはあれからどうなったんだろう。パーティーは無事終わったのだろうか。
はぁ。明日は料理長に怒られるんだろうな。
怒られて終わりならまだいい。次に住み込みで働かせてもらえるところがすぐに見つかればいいんだけど……。
「大丈夫?」
「あっ、はい」
医務室の先生の声がようやくはっきりと聞こえた。
先生は初老くらいの女性だが、小柄で大人しそうな見た目とは裏腹に、活発で身のこなしが軽い。しかも力も強い。
俺が連れてきた女性も腕を力付くで固定して抑制剤の注射を打っていた。
きっと俺のことも一人でさっさと治療したのだろう。
「あの、俺どのくらい寝てたんですか?」
「そうね、一晩ぐっすり寝たってところじゃない?」
「え? もう朝なんですか?」
「そうよ。何か急ぎの用事でも?」
「早く厨房に行かないと!! 料理長に怒られる!!」
慌ててベッドから飛び降り、飛び出そうとすると、床に足をついた流れで膝の力が抜けそのままへたり込んだ。
「あらあら、急に動いちゃダメよ! ほら、横になって!!」
自分よりも小柄な先生に体を支えてもらってベッドに戻る。
「昨日のホールが忙しすぎて倒れたってことにしてあるから。私からも3日ほど休まないといけないって話つけてるから。仕事の心配はしなくていいわよ」
ぐいぐいと俺の体をベッドに押さえつけながら先生が言った。
「あの、ありがとう」
休めるのはありがたいが、これは料理長に俺がΩってバレたんだよな。
自業自得とは言え、ショックは大きい。
「あの、三日間ってここで寝れるってこと?」
「ああ、まぁベッドが足りなくなることはないからいいわよ。でも自分の部屋の方がリラックスできるんじゃないの?」
「いや、でももう……」
自分の部屋なんて残ってるのか……。
βしか従業員になれないというルールがあるこのホテルで、Ωとバレてしまえばおしまいだ。
せめてこのまま誰にも会わずに……。
「別に、あなたがΩなんて言ってないわよ」
「えっ? なんで? だって、このホテルは……」
「まあね、それはそうなんだけど。昨日あなたのヒートを知らせてくれた従業員に頼まれたのよ。Ωっていうことは誰にも言わないでくださいって」
「ジェイクが……」
あんなことをしてしまったのに。どこまで優しいやつなんだ!!
熱くなった目頭を腕で拭う。
また会えたらお礼を言おう。まあ、会えることなんてないかもしれないけどな。
先生に甘えて、本当に三日間を医務室で寝て過ごした。
先生は抑制剤を持たせてくれた。一番軽い、副作用もほとんどないやつだから、毎日飲みなさいって笑顔で怒られた。
☆☆☆☆☆☆☆☆
過去作にもオメガバース作品があります。
『転生したら淫紋が刻まれていたΩの俺~運命の番は闇堕ち王子~』
『家族に虐げられた高雅な銀狼Ωと慈愛に満ちた優美なαが出会い愛を知る』
こちらも是非お楽しみください。
先生の姿が霞んで見える。
「……た? ……うぶ?」
先生が何かを言っているみたいだけど、まだ頭がぼんやりして聞き取れない。
そういえば、俺はなんでこんなところにいるんだ?
今日は確か、パーティー会場の助っ人で働いてて……。
そうだ! リアム様に発情して、ジェイクが助けてくれたんだった!!
ジェイクはあれからどうなったんだろう。パーティーは無事終わったのだろうか。
はぁ。明日は料理長に怒られるんだろうな。
怒られて終わりならまだいい。次に住み込みで働かせてもらえるところがすぐに見つかればいいんだけど……。
「大丈夫?」
「あっ、はい」
医務室の先生の声がようやくはっきりと聞こえた。
先生は初老くらいの女性だが、小柄で大人しそうな見た目とは裏腹に、活発で身のこなしが軽い。しかも力も強い。
俺が連れてきた女性も腕を力付くで固定して抑制剤の注射を打っていた。
きっと俺のことも一人でさっさと治療したのだろう。
「あの、俺どのくらい寝てたんですか?」
「そうね、一晩ぐっすり寝たってところじゃない?」
「え? もう朝なんですか?」
「そうよ。何か急ぎの用事でも?」
「早く厨房に行かないと!! 料理長に怒られる!!」
慌ててベッドから飛び降り、飛び出そうとすると、床に足をついた流れで膝の力が抜けそのままへたり込んだ。
「あらあら、急に動いちゃダメよ! ほら、横になって!!」
自分よりも小柄な先生に体を支えてもらってベッドに戻る。
「昨日のホールが忙しすぎて倒れたってことにしてあるから。私からも3日ほど休まないといけないって話つけてるから。仕事の心配はしなくていいわよ」
ぐいぐいと俺の体をベッドに押さえつけながら先生が言った。
「あの、ありがとう」
休めるのはありがたいが、これは料理長に俺がΩってバレたんだよな。
自業自得とは言え、ショックは大きい。
「あの、三日間ってここで寝れるってこと?」
「ああ、まぁベッドが足りなくなることはないからいいわよ。でも自分の部屋の方がリラックスできるんじゃないの?」
「いや、でももう……」
自分の部屋なんて残ってるのか……。
βしか従業員になれないというルールがあるこのホテルで、Ωとバレてしまえばおしまいだ。
せめてこのまま誰にも会わずに……。
「別に、あなたがΩなんて言ってないわよ」
「えっ? なんで? だって、このホテルは……」
「まあね、それはそうなんだけど。昨日あなたのヒートを知らせてくれた従業員に頼まれたのよ。Ωっていうことは誰にも言わないでくださいって」
「ジェイクが……」
あんなことをしてしまったのに。どこまで優しいやつなんだ!!
熱くなった目頭を腕で拭う。
また会えたらお礼を言おう。まあ、会えることなんてないかもしれないけどな。
先生に甘えて、本当に三日間を医務室で寝て過ごした。
先生は抑制剤を持たせてくれた。一番軽い、副作用もほとんどないやつだから、毎日飲みなさいって笑顔で怒られた。
☆☆☆☆☆☆☆☆
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