【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜

亜沙美多郎

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本編

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 アンジュさんの顔が引きつっている。

 この表情だけで二人の関係性が垣間見れた。

「ご機嫌よう、キャンベル様」

 アンジュさんが立ち上がり、カーテシーを披露する。

 見下したようなベイリー嬢の視線にムカついた。

 あからさまに怯えているアンジュさん。過去に何かあったのか……。

「あら、今日はアンジュさんの婚約発表だとお聞きしておりましたけど……。まさか、そのお衣装で?」

「は、はい……」

 完全に俯いてしまったアンジュさんに更なる圧をかけるような視線をぶつける。

 そして、甲高い声でアンジュさんを笑い飛ばした。

「みなさん!! お聞きになりました? アンジュさんってば、こんなネグリジェのようなお衣装で婚約発表のお茶会に出席なさるそうですわよ!!」

「あははは。みっともないですわね」

 取り巻きたちも一緒になって笑い飛ばす。

 だんだん腹が立ってきた。

 いきなり絡んできたかと思いきや、何故アンジュさんに嫌がらせを言わなきゃ行けない?
 今日は祝いの席ではないのか?

 立ち上がろうとする俺を、咄嗟にアンジュさんが止める。

 きっと、リアム様がいないところで騒動を起こしたくないのだ。

「さあ、皆様。ラミレス公爵へご挨拶へ伺いましょう。では、また後ほど……」

 重そうなドレスを翻して去っていった。

 まるで嵐が過ぎ去ったような雰囲気に変わった。

「アンジュさん、なんであんな嫌な奴!! 言い返せばよかったじゃないか!!」

「そんなことは許されません。キャンベル様は侯爵家のお嬢様。私は身分も低いから、逆らえません」

「そんなの関係ないって!! リアム様が準備してくれたそのドレスだってバカにされて……。俺、今度何か言ってきたら我慢できない!!」

 アンジュさんは俺が自分のことのように怒ってくれるのが嬉しいと言った。

 伯爵令嬢の身でありながら、リアム様との結婚が決まった。

 ベイリー・キャンベルはエリア様かリアム様、どちらかと結婚したいと、何年も前から公言していたそうだ。

「それを、きっと私が横取りしたと思っているみたいなの。それで……」

「あいつからの嫌がらせが始まったってわけか……」

 アンジュさんが下を向いたまま頷いた。

 ますます許せない。

「リアム様とのお付き合いを解消するよう、ずっと脅されていました。それを、私たちが婚約したと発表したものだから……。きっととても怒ってらっしゃるはずなの」

「そんなの、アンジュさんは何も悪くないよ! 結婚なんて二人で決めるものだ。あんな女の言いなりにならなくっていいじゃん」

 大体、リアム様から好意を寄せていたという話を聞いている。

 それに、リアム様もエリア様もベイリーが嫌いなんだ。

 あいつは二人から好かれているとでも思っているのだろうか。

 別に顔が綺麗ってわけでもないし。なんなら取り巻きの女の方が顔は可愛い。

「俺からリアム様に言ってもいい?」

「そんな!! いけません。それがキャンベル様にバレてしまえば……どうなるか……」

 アンジュさんは今日のお茶会を平和に終わらせるのが一番だと言う。

 なるべくアンジュさんの意見を優先したいし、一先ずリアム様への報告は白紙となった。

 しかし、ベイリーからの嫌がらせはこれだけでは済まなかった。
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