【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜

亜沙美多郎

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本編

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「マヒロは私の番だ。私から番になりたいと申し出た。文句があるなら私に言えばいい。」

 エリア様が怒ったところなんて初めて見た。
 クールな態度でいつもと変わらぬ口調で喋っているのに、この威圧は凄まじいものがある。

「文句なんて……」
 ベイリーが完全に尻込みをしている。

 俺やアンジュさんにはあれだけ偉そうな態度で怒鳴っていたのに、エリア様とリアム様の前ではこんなにも違うのか。

 ベイリーの豹変ぶりに苛立ちが湧き上がる。

「今日はキャンベル嬢に私のマヒロを紹介しようと思って招待したのだ。そうしたら、私との結婚を諦めてもらえるだろうと思ってね。私はマヒロ以外の誰とも結婚などする気はない」

 エリア様が俺を抱き上げた。

 お姫様抱っこの要領で抱えると、全員が見ている前で俺に口付けた。

「んっ……!!」

 突然の出来事に俺も固まってしまう。それでもエリア様はベイリーに見せつけるようにキスを続ける。

 こんなキスをされてしまったら、みんなの前で発情してしまいそうになる。

「エリアさま……」

「マヒロ。辛い思いをさせてしまったね」

 エリア様が憂いな表情を俺に見せた。エリア様の存在に、張り詰めていた糸が切れたように感情が溢れ出る。

「あいつ、俺に身分を弁えろって言ってきたんだ。それで服装が地味過ぎるとも言われた。下民にピッタリだわねって……。おまけに俺から臭い匂いがするって言われた! それで、俺がエリア様とベイリーの仲を取り持つのを断ると、さらに逆上して罵られた。それで俺、堪らなくなって発表前に番になったことを話したんだ。そしたらそんなの嘘に決まってるって、信じてくれなくて、耳が引きちぎれるかと思うくらい引っ張られて、会場のみんなの前まで引きずられてきた。それでこうして恥をかかせるように仕向けられた!!」

 ベイリーなんかのために、俺が良い子ぶる必要なんてない。

 されたこと全部言ってやった。そして最後にエリア様に抱きついて『怖かった』と嘆いた。

 お茶会前のアンジュさんへの嫌がらせから話してやればよかったと後悔はしたけど、きっとこの後リアム様とアンジュさんは話し合うだろう。

 エリア様にしがみ付いたまま、リアム様を見ると、しっかりとアンジュさんの肩を抱き寄せている。

 いつもは優しいリアム様も、険しい顔でベイリーを睨んでいた。

「今後はキャンベル侯爵家との付き合い方を見直さなければいけないようだな」

 エリア様がキャンベル侯爵に向かって言う。

「そうだな。今後の取引は全て白紙にさせてもらう」

 ついにラミレス公爵が立ち上がった。

「黙って様子を伺っていたが、もうキャンベル侯爵家と付き合っていく利点はない。ここまで我がラミレス家の祝い事を邪魔されるとは、考えてもみなかった」

 ラミレス公爵もキャンベル侯爵をギロリと睨みつけた。

 キャンベル侯爵が慌ててベイリーの所へと走り寄る。ベイリーに謝罪するよう必死に取り繕っているが、この状況を見るなり今さら……といったところだ。

 まあ、それ以前にこの女が謝るとは思えないが……。

 
 


 
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