EIGHT

千代

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弍章

EIGHT

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新学期に入り、男共に忌み嫌われていた志戸を倒したという噂は学校中に広まっていた。その志戸を倒した星と零と爽太の幼馴染はいつもお揃いのブレスレットをしていた。3人の日課はこうである。毎朝一緒に登校すること。3人は今日も一緒に登校していた。



 「零、そういえばあの合宿の参加届け出したのかい?」
 「出してない。」
 「えっそれって大丈夫なのか星。」
 「うん多分締切日まであと1ヶ月はあるはずだから。それに申し込みをするにはあと2人足りない。」
 「ねぇねぇ、あの白馬の志戸を倒した人達だよね。」
 「えぇそうだけど、あなたどなた?」
 「申し遅れました、私、2年生の舞春まいはと申します。よろしけば私をチームに入れて下さい舞、きっと皆さんの力になれます。」
 「へぇー丁度いいな。ただし、 入る前に、条件がある。何か勝負をすることだ。内容は決めてもらっても構わないが、相手はこちらで決めさせてもらう。」
 「じゃあ、レーティングマッチの個人戦で。」
 「相手はそうだな、星にしようか。」
 「分かった、零。」
 「審判は爽太よろしく。」
 「じゃあ放課後、新校舎の試合場に来るように。」
 
 
  
     ~放課後~
 「舞春さん 対 星のレーティングマッチ 個人戦を行う。でははじめっ」
 『我、古の本能を呼び覚ませ』
 舞春に猫の耳と尻尾ができ、目が黄金の猫の目になった。
 「舞の力は『猫又』身体能力や妖力も格段に上がるっていう力。」
 「そうなんですね。こちらもいかせてもらいます。」
 『聖なる地の精霊よその力を我に、壁を作りたまえ』
 大きい土でできた壁が舞春に向かった。
 「無駄だよ。」
 舞春は拳で壁を砕いた。
 「じゃあ、これならどうかな。」
 『神々よ』
 先程より大きくスピードの上がった壁ができた。
 『シャンシャンシャンシャン音が鳴る、仲間の不幸を哀れみてシャンシャンシャンシャン音鳴らす』 
 舞春が三味線で音を鳴らしながら、そう言うと青色の火の玉が現れた。火の玉が壁にぶつかり壁は粉々になった。
 「もういいか?零。」
 「いいよ、星。」
 『聖なる水の精霊よその力を我に、天から地へと流れる水となれ』
 舞春は水でびしょ濡れになった。
 「試合終了。」
 「舞春、君は合格だ。」
 「えっ、どうして?私は星さんに負けたんですよ。」
 「俺は星に勝てと言ってはいない。ただ、勝負をしろと言っただけだ。だが、俺らに認められないと入ることはできない。その力を試すための試合だったっていうことだ。」
 「ねぇ、舞春ちゃん。敬語とさん付けはやめて。これからはチームになるんだから。」
 「うん。分かったよ星。皆も舞春って呼んで。」
 「ではこれからよろしくお願いします。舞春先輩。」
 「これであと1人、ナイトのみか。」
 「じゃあ、舞からの提案なんだけど秀祐しゅうすけなんてどうかな?」
 「親が卒業したSランクグループのナイトだった人ですよね。」
 「なんで知ってるんだよ、夜風。」
 「表彰されてたんですから、それは知ってますよ。」
 「けどそんな人だったら、もうとっくにグループに引き抜かれていると思うけど。」
 「それが親に反対され続けて入れなかったらしい。」
 「舞春は知り合いなの?」
 「舞の親と知り合いでそれで仲いいんだよ。」
 「じゃあ行ってみるか。行くのは星と俺と舞春でいいかな。爽太は1年の練習みててやってくれ。」
 「あぁ分かった・・・。」
 
 
 
 
 
 
      ~2-☆組の教室~
 「あっシュウ~」
 「はい、なんだ舞か何か用か?」
 「舞ねチームに入ったんだけどシュウも一緒にどうかなと思って。」
 「俺は別にいいが、父さんの許可を得ないと入りたくても入れない。」
 「じゃあ今日貰いに行こう。」
 「っていうか君達誰?」
 「俺は零。チームのキングをしている。」
 「私は星。クイーンをつとめている。」
 秀祐は、持っていた端末で何かを調べ始めた。
 「零くんの力は『ミラー』。星さんの力は『魔法』か。」
 「どうして分かったの?」
 「父さんが理事長でね。情報はこの端末にある。」
 「じゃあ、理事長室にいるだろ行こう。」

 
 「はい。どうぞ」
 「失礼します。おじ様。」
 「舞さんじゃないか。久しぶりだね。」
 「お久しぶりです。今日はシュウを私達のチームに入れる許可を貰いにきました。」
 「君達は零君と星さんだね。」
 「はい。ご存知でしたか。」
 「勿論だよ。入学した時から幼馴染の3人組は有名だったからね。」
 「そうだったんですね。」
 「ところでおじ様。許可は頂けますでしょうか。」
 「許可しよう。」
 「ありがとうございます。」
 「その代わりと言っては何だが、頼みをきいてくれないかな。実は最近、街で魔法科の事件が多発していてね。その事件に協力して欲しいんだ。」
 「お力になれるかわかりませんが、了解しました。」

 
 
 
 
 「・・・ということで。秀祐がチームに入るための勝負をしてもらう。いいな。」
 [まさかあの父さんがチームにすんなり入れてくれるなんて。きっと何か裏がある。]
 「あぁわかった。勝負はシューティングゲームで頼む。」
 「相手は爽太にしてもらう。」
 「お手柔らかに。秀祐君。」
 「じゃあ審判は星。よろしく。」
 「では、明日駅前のリアルセンターに集合。二人とも頑張って!」
 
  
  ~リアルセンター~
 「あの夜風さん。リアルセンターってなんなんですか。」
 「そっか、愛美はこうゆう所来たことないからね。リアルセンターはあらゆるゲームを現実化して取り扱っている店だ。ヴァーチャルと違うのは現実の魔法が使えるってことくらいかな。」
 「そうなんですね。シューティングゲームとなると、設備がない学校では行えないと。」
 「そうゆうこと。」
 
 
 
 「では、シューティングゲームを執り行う。勝敗はいくつもの的にどれだけ弾を当てられるか。その競争の上で決定するものとする。アナウンスが鳴った後すぐに始める。」
 秀祐は眼鏡を外した。
 《参加人数は二名。プレイヤー1ソウタ、プレイヤー2シュウスケ。登録完了。では始めます。STARTshooting!》
 とてもたくさんの人型の的が現れ動き出した。
 『我の障害を貫け』
 秀祐がそう言うと、大きなマシンガンに変化した。彼はその大きな銃をためらうこともなく撃ち始めた。そうすると、的がバタバタと倒れた。
 『No.936マシンガン』
 爽太は白い雲のような空間に手を入れ、マシンガンをとり撃ち始めた。そして2人がすべての的を撃ち終わったあと動き回る的が出てきた。
 『我の意のままに貫け』
 大きなマシンガンは小型のものに変わった。秀祐が引き金を引くと、弾は動き回る的ついて周り、やがて当たった。
 『No.271ライフル』
 また、同じ空間からライフルが取り出され的確に一つ一つ的を射ていった。
 《ピピッー、タイムアップ結果はプレイヤー1ソウタの勝利》
 「負けてしまったか。」
 「いいえ、まだ終わってないわ。言ったでしょ、勝敗はどれだけ的に当てられるかで決まるって。表によれば、的に当たったのは秀祐の方が多かった。だから、秀祐の勝ちよ。」
 「じゃあ、正式に秀祐はチームになったな。合宿まで1ヶ月あるが、気をひきしめていこう。」
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