分数の足し算

矢伝

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パパの算数教室

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 あなたの近くに算数や数学が苦手と言う人はいないでしょうか?それは何故でしょうか?そういう人は計算が苦手と言う訳ではなく、ただ単に分数の計算が出来ないだけではないでしょうか?生活する上の四則計算は得意だけど生活と関係がない分数の計算は解らなくても大丈夫だと思っているのではないでしょうか?しかし数学の世界では分数の計算は基本中の基本で、それが解らなければその後の数学は全て解らないものとなります。義務教育の中学の3年間だけでも数学の授業の時間を全て足すと結構なものになると思います。その結構な時間を解らないまま過ごすことほど無駄なことはなくは無いですか?分数の計算が解らない人には解る様に教えてあげましょう!

 1+1=2  3+5=8  2×3=6  など生活に必要な計算は、おそらく殆どの人ができるでしょう。殆どの人ができるのは問題が簡単だからでしょうか?1+1=2 とか哲学的に考えるととてつもなく難しいことではないでしょうか?ただ単にルールをきちんと理解して守れているだけではないでしょうか?みんなが同じルールに従って同じ結果が出ているだけのことではないでしょうか?ごめんね難しいこと言って!

 分数とは、論理的に見れば、ただ割り算の表記方法にほかならないです。1÷2と表す代わりに2分の1と表しているだけです。真実はどちらも0.5なのです。1÷3を小数で表すと0.33333…と3が永遠と続く数になります。1÷3も3分の1も0.33333…も全てイコールなのです。どれを答えにするかは、どう表したら一番シンプルかという問題です。3分の1と表せば意味も含まれているし一番シンプルかなって感じでしょう。

 問題です。2分の1足す2分の1は?答えは1です。では、2分の1足す3分の1は?途端に問題は難しくなります。3分の1足す3分の2なら答えはすぐ解るでしょう。分母の同じ数どうしなら問題は簡単なのです。分母が違うと難しい。

 単位の違う長さを足す場合を考えてみます。3センチ+3インチは?(1インチ=25.4ミリメートル)普通に計算するなら3インチ=25.4×3=76.2ミリメートル。3センチ=30ミリメートルよって答えは30+76.2=106.2ミリメートル。3センチ+3インチ=106.2ミリメートルとなります。整数と整数を足しているのに答えは小数になり単位も変わってしまいました。数学ふうにもっとシンプルな感じにならないでしょうか?考えると難しい説明になりそうなので説明はやめます。ニュアンスを感じてください。

 分数を足し算する場合、分母が同じになれば簡単に計算できます。ではどうすれば分母は同じになるでしょうか?分数は分母を自在に変えることが可能です。僕は説明が嫌いなので本当は説明したくないのだけどニュアンスだけ感じてください。どうすれば分数の分母を変えることができるでしょうか?分数に何かを掛けます。しかし掛ける数字は1でなければなりません。それ以外の数をかけたら数が変わってしまうからです。1は2分の2とも表せますし3分の3とも表すことができます。1は分母と分子が同じ数なのです。分数の分母を変えるためには、分母と分子が同じ分数つまり1を掛ければいいのです。掛け算が出てきました。足し算なのに掛け算をしなくてはいけないのです。分母の違う分数の足し算は掛け算より難しいのです。

 分数の足し算は「習うより慣れろ」で数をたくさんこなして、「急がば回れ」でじっくりコツコツ経験を積んだ方が手っ取り早いのです。簡単なものから順番に体に覚えさせて行きましょう。分母の同じ分数の足し算ができる様になったら、分数の掛け算を覚えましょう。
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