論理と真実

矢伝

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論理とは何か?

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 論理を辞書で調べると結構難しいので、僕は世の中の一番簡単な仕組みを論理と呼ぶことにする。一番簡単な仕組みとは何か?人間は感覚的に1+1が一番簡単だと思っている。1+1=2だと言うことは誰にでもすぐ解る。しかし、1+1=2だと解るためには1とは何なのかが解らなければならない。1は人間がこれが1だと決めて初めて1になる。
 人間は1人の人間を1だと決める。その人間が死んだらお墓を立てる。1がいつの間にか0になってしまわないためだ。1がいつの間にか0になってしまうようでは、論理が成り立たなくなってしまうからだ。
 コンピューターでは、1という状態と0という状態をわざと作っている。この二つの状態が曖昧だとコンピューターはうまく作動しない。コンピューターの世界では1が自然に0になるような事があってはならないのだ。コンピューターでは完全な0と1を人工的に作り出すことによって演算を可能にしている。コンピューターの中では完全な0と1が存在している。完全な0と1が存在する世界では、論理は最も簡単なものになる。その最も簡単な論理を僕は論理と呼ぶことにする。
 数学は完全な0と1が存在する世界にあるので、僕の呼ぶ論理の一種であるといえる。
 完全な0と1は、自然界には存在しない。完全な0と1は人間が決めて初めて完全な0と1となる。スイッチのオンとオフでもいいし、ドミノが立っているか倒れているかでもいいが、人間が決めて初めて完全な0と1である。完全な0と1は人間界のものである。それなのに人間は自然界にも完全な0と1が何処かにあるのだと錯覚している。論理は人間界のものだ。自然界に論理はない。代わりに自然界に存在しているものがある。僕はそれを真実と呼ぶ。真実を辞書で調べると結構難しくて解りにくい。僕の呼ぶ真実とは論理の反対だと思ってほしい。右と左のようなものだ。自然界にはそういうものがたくさんある。前と後ろ、山と谷、電気力と磁力、真と偽、デジタルとアナログ、苦と楽、0と1もそうだ。実は、光の速さと時間もそうなのである。世の中はそんなにいろんな種類のもので出来ていない。実はみんな同じものだ。
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