フォートナイトバトルロイヤル

矢伝

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出発

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 きららが四歳を過ぎたころ、僕が仕事から帰って来ると、「パパァ、ニンテンドースイッチが二つになったよー!」と言ってきららが出迎えてくれた。なんでもUFOキャッチャーでカギを取り、そのカギに合うボックスの商品がもらえるというゲームをして、三個カギを取ったのだが、三個とも残念賞っぽい商品のボックスのカギだったと言うのだ。それで店員に文句を言ったら、事を荒立てないようにと、一番人気のニンテンドースイッチを貰ったと言うのだ。妻達の言うことが本当かどうかは解らないが、元々スイッチを一つ持っていて、そこにもう一台スイッチが増えて二つになった。今、家にはスイッチが二台あるのだ。
「パパ、一緒にフォートナイトのデュオしよっ!」
「フォート…って」
「オンラインのゲームだよ。ユーチューバーとかみんなやってるよ」
 部屋に入って座るときららにニンテンドースイッチを持たされた。画面はすでについている。

「Xボタンを押して、待ってて」
 きららに言われるままにボタンを押す。
「バスが島の上空を進んで行くから、Bボタンを押してって言ったら、Bボタンを押して!…パパはまだ初心者だからソルティースプリングスにするね(ピコン)…Bボタンを押して!」
 僕がBボタンを押すと、僕のキャラが空飛ぶバスから飛び出してスカイダイビングをする。緑の服を着た兵士だ。
「右スティックで見回して、左スティックで移動よっ!青い光りの柱に向かって飛んで!そこがソルティースプリングスよっ」
 スカイダイビングしていたキャラクターがグライダーを開けた。操作がよく解らないまま何とか地上に着地する。
「まずは武器を探して、Yボタンで取って、武器は家の中とかにあるわ。家や木はピッケルで壊せるわよ。あっパパの近くに敵がいるわ!逃げて!Bボタンでジャンプ出来るわよ!」

 その時、目の前の建物の二階の壁が壊され、中にいた緑の服の兵士がピストルを構えた。パンパンパンパン。
「敵はパパの後ろよ!もうダウンしたわ」
 適当にスティックを動かすと、後ろでバナナの格好をした人が四つん這いになって這っているのが見えた。緑の服の兵士が来て、バナナから何かを奪い、ピッケルで殴りバナナは消滅した。緑の兵士の頭の上には“キララークー”と書いてある。
「キララークーは私よ!ちなみにパパの名前はコーヒービィーンズ。敵が消滅せずにダウンしたってことは仲間がまだ生きているのよ!」
 キララークーがこっちに来て図面を広げてくるりと回ると周りに壁と天井が出来た。
「パパはこれを使って!青のアサルトライフル。私は敵を倒して来るから。パパはここで待ってて!」
 そう言うと、青色の銃を放り出し、壁にドアが出来て、そこからキララークーは出ていってしまった。きららはこんなゲームをしているのか!殺し合いじゃないか!こんなゲームきららにさせたくない。
 
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