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星々のように瞬く君と。
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君と秘密を分け合いたい。
叶わないと分かっているのにそう思ってしまた。
きらきらと星々のような君は微笑む。
僕は君の理想を演じる。
君には笑顔で居て欲しいから。
今日も彼女は一番可愛らしい。
「ぼーっとしてどうしたの?」
「見惚れてた」
「嘘よ。あ、お腹空いているの隠してるの?
恥ずかしがらなくて良いのに」
君はくすくすと笑う。
君がそう思うならそれで良い。
「丁度クッキー焼き終わった所だから食べて行かない?もう少ししたら食べられるから」
「なら、お言葉に甘えて。」
そう言って僕は微笑む。
「何飲みたい?」
「君の選んだハーブティーで」
「は~い」
ふわりと髪が舞う毎に、きらきら、きらきら星々が瞬く。
暫く経つと爽やかな香りのするハーブティーを二つ持ってきた。
「ありがとう」
「お礼に名前を教えてくれても良いのよ?」
そう言って一口ハーブティーを飲む。
「キスしてくれたら考えてあげる」
「出来ないって知っているでしょう?本当に貴方は私の理想なのだから。意地悪な人形ね」
「君がキスをしてくれたら、いつでも君だけの王子様になるけども?」
君はため息をつくと共に白い息を吐く。
まるでそれは雲のようにふわふわと浮いている。
ハーブティーが入っているコップを持つ。
それは彼女みたいに優しい温かさだった。
君を見て想う。
ただお互いを知りたくて。傍に居たくて。触れたくて。暴きたくて。
それだけの為に近付いた僕と君。
だから、お互い名前を知ってしまったらきっと、この関係は終わってしまうだろう。
君は僕を理想の王子と言う。
だからこそ、触れられ無いとも言う。
けれども近くに居たいと言う。
矛盾だらけの君は、だからこそ魅力的に感じた。
「君は何処かへ行かないの?」
彼女のコップを持つ手が留まる。
そして、ゆっくりとコップを下ろす。
「何処にも行く場所なんて無いからね。それに、この成りじゃ此処から出られないし」
「なら、遠くから眺めるだけでも如何ですか?お姫様」
そう言って僕は君に手を差し伸べる。
「……ええ、王子様。喜んで。」
ふわりと浮かび上がる。
きらきら瞬く君は夜の空で見ると一層眩しくて、まるで星が隣に居るみたいだった。
「すごい綺麗……!」
「君の方が綺麗だよ」
「何度聞いても歯の浮くセリフね。
でも、たまには良いかも。」
物憂げに何処かを眺める彼女はそう呟いた。
「そろそろクッキー食べない?小腹空いてきちゃった」
「僕もそう思ってたところ」
くすくすと笑い合いながら僕達は元に戻る。
ふわりと着地した彼女は上機嫌でクッキーを用意しに行った。
「手伝おうか?」
「要らないよ。私の楽しみだから」
「そっか。」
そう言って僕はいつもの様に、君の姿を見る。
「美味しかった。ありがとう」
「良かった」
クッキーも食べ終わり、そろそろ夜も深けて来たので帰ろうとする。
「ね、ねぇ!」
すると、珍しく彼女に呼び止められた。
「どうし──」
彼女は僕に顔を近付け、そしてすぐに離れる。
「お返し。外見せてくれてありがと」
……まさか、本当にしてくれるだなんて、夢にも思ってもいなかった。
お互い顔が火照っている。
「名前、教えてくれる?」
「……ルカ。君は…?」
「フィレナ!」
きらきら、きらきら星が瞬く。
その光は視界いっぱいに広がり、僕を包む。背中が熱い。久しぶりに重さが戻ってくるのが分かる。
「秘密だよ、フィレナ。」
しー、と人差し指を立て、微笑む。
彼女は驚き、微笑み返してくれる。
「次に会う時は迎えに来ても良い?」
「ちゃんと白馬に乗って来てね?ルカ」
「勿論!」
翼を大きく広げ、夜空に羽ばたく。
──主よ、今度は信じてもいいですか?
fin
叶わないと分かっているのにそう思ってしまた。
きらきらと星々のような君は微笑む。
僕は君の理想を演じる。
君には笑顔で居て欲しいから。
今日も彼女は一番可愛らしい。
「ぼーっとしてどうしたの?」
「見惚れてた」
「嘘よ。あ、お腹空いているの隠してるの?
恥ずかしがらなくて良いのに」
君はくすくすと笑う。
君がそう思うならそれで良い。
「丁度クッキー焼き終わった所だから食べて行かない?もう少ししたら食べられるから」
「なら、お言葉に甘えて。」
そう言って僕は微笑む。
「何飲みたい?」
「君の選んだハーブティーで」
「は~い」
ふわりと髪が舞う毎に、きらきら、きらきら星々が瞬く。
暫く経つと爽やかな香りのするハーブティーを二つ持ってきた。
「ありがとう」
「お礼に名前を教えてくれても良いのよ?」
そう言って一口ハーブティーを飲む。
「キスしてくれたら考えてあげる」
「出来ないって知っているでしょう?本当に貴方は私の理想なのだから。意地悪な人形ね」
「君がキスをしてくれたら、いつでも君だけの王子様になるけども?」
君はため息をつくと共に白い息を吐く。
まるでそれは雲のようにふわふわと浮いている。
ハーブティーが入っているコップを持つ。
それは彼女みたいに優しい温かさだった。
君を見て想う。
ただお互いを知りたくて。傍に居たくて。触れたくて。暴きたくて。
それだけの為に近付いた僕と君。
だから、お互い名前を知ってしまったらきっと、この関係は終わってしまうだろう。
君は僕を理想の王子と言う。
だからこそ、触れられ無いとも言う。
けれども近くに居たいと言う。
矛盾だらけの君は、だからこそ魅力的に感じた。
「君は何処かへ行かないの?」
彼女のコップを持つ手が留まる。
そして、ゆっくりとコップを下ろす。
「何処にも行く場所なんて無いからね。それに、この成りじゃ此処から出られないし」
「なら、遠くから眺めるだけでも如何ですか?お姫様」
そう言って僕は君に手を差し伸べる。
「……ええ、王子様。喜んで。」
ふわりと浮かび上がる。
きらきら瞬く君は夜の空で見ると一層眩しくて、まるで星が隣に居るみたいだった。
「すごい綺麗……!」
「君の方が綺麗だよ」
「何度聞いても歯の浮くセリフね。
でも、たまには良いかも。」
物憂げに何処かを眺める彼女はそう呟いた。
「そろそろクッキー食べない?小腹空いてきちゃった」
「僕もそう思ってたところ」
くすくすと笑い合いながら僕達は元に戻る。
ふわりと着地した彼女は上機嫌でクッキーを用意しに行った。
「手伝おうか?」
「要らないよ。私の楽しみだから」
「そっか。」
そう言って僕はいつもの様に、君の姿を見る。
「美味しかった。ありがとう」
「良かった」
クッキーも食べ終わり、そろそろ夜も深けて来たので帰ろうとする。
「ね、ねぇ!」
すると、珍しく彼女に呼び止められた。
「どうし──」
彼女は僕に顔を近付け、そしてすぐに離れる。
「お返し。外見せてくれてありがと」
……まさか、本当にしてくれるだなんて、夢にも思ってもいなかった。
お互い顔が火照っている。
「名前、教えてくれる?」
「……ルカ。君は…?」
「フィレナ!」
きらきら、きらきら星が瞬く。
その光は視界いっぱいに広がり、僕を包む。背中が熱い。久しぶりに重さが戻ってくるのが分かる。
「秘密だよ、フィレナ。」
しー、と人差し指を立て、微笑む。
彼女は驚き、微笑み返してくれる。
「次に会う時は迎えに来ても良い?」
「ちゃんと白馬に乗って来てね?ルカ」
「勿論!」
翼を大きく広げ、夜空に羽ばたく。
──主よ、今度は信じてもいいですか?
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