僕のおじさん〜ゆきちゃんはいそうろうの小説家〜

クリム

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僕とゆきちゃんのそれから

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 ゆきちゃんから外国の本みたいなちょっと洒落た表紙の本を手渡されたのは、それから四ヶ月ぐらいたってからだった。帯も綺麗だ。

「表紙が綺麗だね」

 帯にはこの本に対しての賛美が書かれている。甘美に堕ちていく官能なんてキャッチフレーズだ。繊細な感性、綺麗な文体をそのままに官能をくすぐる、稀代の名作に数えられる官能小説。
 
 ゆきちゃんは、あれからすぐ、この次作の原稿を三日寝ずに書き上げた。ゆきちゃんはまた何かの賞を取った。映画化やドラマ化をするらしい。前に賞を取った本も再評価されて、映画化するらしい。

 ゆきちゃんは本を僕の手に渡しながら

「ハルくんが読むにはまだ早いかもしれないけれど、でも、ハルくんに読んでほしい。ハルくんの存在があるから、世界が、楽しいこと、悲しいこと、美しいことで満ち満ちていることを僕は感じられるんだ。僕はこの世界で一生懸命生きていける。ハルくんの存在が、それこそありえないほど僕にとって全てなんだ。その全てを本に捧げた。それをハルくんの目で確かめてほしいんだ」

そう熱弁をふるう。

 僕が本を抱きしめた時、本からは写真が二枚出てきた。一枚は赤ちゃんの僕を抱っこした十年前のゆきちゃんの写真。もう一枚は、春に桜をゆきちゃんと二人で見に行った、僕の笑顔の写真だった。

ーーー終わりーーー

短編お付き合いありがとうございました。問題作ですが、別作品でエロ不足のため、自己満足作品です_| ̄|○。はー、スッキリした!!では、連載中作品に戻ります。
(`・ω・´)
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