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4章

SS 故郷(セフェム)※

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 狼族は基本、受け入れる側の伴侶に対し、複数の伴侶がいる。

 だからタクに夫がいようと、本能的にはあり、しかもガリィはいい奴で、俺はすごく奴が好きだ。

 ガリィにはタク以外にも妃がいて、それぞれ気を使い可愛がっているらしいが、ガリィが好いているのはタクだと匂いで気づいた。好きには色々あるが、愛となると別だ。

 本能と建前は違うのだろうなと、俺は黙っていたが、タクが忘却陣を跳ね返した後、タクの気持ちが揺れることが多くなったことがきっかけだった。

 ある日俺はタクの気持ちの酷い乱れに気付いて、城壁城から飛び出し、加速陣を重ねてタクの元に辿り着いた。

 泣きそうな横顔と伏せる睫毛が美しかった。いつもは可愛い顔に見えるタクが恋を知った人の憂いを見せていた。

 タクもまたガリィに恋をしていると知り、俺は更にタクを好きになった。タクはいつも周りに気を配り自分を出さない。だからこそ番いでタクの気持ちの揺らぎを理解出来る俺が、

「タクだけでいいと言えばいいだろう。タクもそう望んでいる」

とガリィに話してやったんだ。

 タクは死に戻った俺にとって生きる価値そのものだ。だから王位も捨て、故郷も捨てた。

 ガリィは困った顔をして苦笑いをしていた。真面目な奴は、二人の妃のことも考えているのだろう。そんなところも俺は好きだぜ。

 ところで俺の番いのタクは小人だ。俺のモノを大腸全てで受け入れてくれる。タクの尻の孔から入れて、抵抗のある狭さを二つ抜け、ぐるりと腸を巡り絞るような旋動を感じながら、長いストロークで出し入れする。

 緩急をつけるがタクは早い方が好きなようで、ちゅぼちゅぼと音が出るくらい激しくすると、身体をひくつかせながら感じ入る。身体に見合う可愛いモノからはちゃんと精が溢れて孔をぎゅうぎゅう締めてくるからたまらない。

 好きだ好きだと繰り返すと満更ではないタクは、異世界人で別の世界の知識を持っているらしい。それはいい。死に戻った甲斐があった。タクの横で俺は新たな故郷を見つけよう。

 番いであるタクが息がしやすい場所が、俺の居場所だ。だから、ここが故郷になる。
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