五国王伝〜醜男は美神王に転生し愛でられる〜〈完結〉

クリム

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27 赤王の国

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 少しずつ寒くなっていく森の中で、直樹はクロと働いていた。

「クロは直樹の気を食べて成長します。だから、沢山一緒にいて直樹が幸せでいてください。それがクロを大きくします」

 ジジが銀色になった黒豹を撫でながら話してくれたが、何の役にも立たないでいる自分に、直樹は困惑している。
  
「そうだよ、直樹は子供なんだから」

「僕は十五だよ。フルトリ」

「そんななりだからなあ、つい。あ、そうだ。今日はどんぐりをたくさん集めてくれ」

 そう言いながら、フルトリは直樹を見下ろして少し考えながら採集籠をくれ、

「膨れるなって、可愛いだけだぞ」

「可愛いばかり言わないで。言われ慣れないから」

「ニホンジンの時は醜い顔だって?ならば、お前は心がとても綺麗だったんだろうね。転生して神王になったんだから。で、直樹、散策しながらでいいから、どんぐりを沢山拾っておいでよ。明日から知恵の館は人が増えるから、どんぐりパンを作っておかなきゃ」

と、直樹に仕事を与えてくれた。 

 明日から数日間、知恵の館は村の文官候補生が何人か来て、ジジから学びを得るらしい。

 シンラも外遊にあたり忙しくなったようで、館と宮を行ったり来たりしており、直樹はその忙しさの一端を一瞬でも担うことが出来て、やっと安堵した。

 今日は宮で会議をしている。直樹の和合者になったシンラは、直樹が死を望まない限り不老不死の永世者となった。五国の王と肩を並べる存在になったのだ。

「クロ、それはキノコ。僕はキノコはよく分からないよ」 

 多分食べられるのだろうが、今日はどんぐりを拾いに来たのだから採集をやめて、帰ってからフルトリにキノコの場所を伝えればいいと思った。

「にゃあ」

 四季の色がある森では緑の葉が茶色くなり、はらはらと落ちる。クロが落葉する葉を追いかけ、くるくると回っていた。

「日本では当たり前の景色だったんだ」

 両手で抱えられるくらい大きくなったクロだが、まだ人を乗せることは出来ない。

「うにゃあ」

 ふいにクロが顔を上げたので、直樹も顔を上げる。

「わっ」

 昼前の光の中に真っ赤な羽が開き滑空して来た。光に映える赤の長い髪が煌めいていて、

「直樹、発見」

と叫び、直樹の目の前に落ち葉を巻き上げながら降りてきた。

「明さん!」

「こちらはまだ秋か。直樹、元気にしていたか?」

 真っ赤な瞳に真っ赤な髪を高く結った、燃え盛る美しさを見せる赤王明は、褐色の顔を笑顔に歪めて直樹を抱き上げる。

「明さん、どうしてここに?」

「直樹、お前全然来てくれないから、迎えに来た。約束通り雪を見せてやろう」

「え?あ、どんぐり……」

 ひょいと赤竜の背に乗せられ、意外に柔らかい背中によろめいて座り込むと、小さな採集籠を取り上げられ、明が胸元から出した真っ赤な小さな鳥の嘴をトントンと叩く。

「直樹を赤宮に連れて行く。すぐに戻すから心配するな。……行け、森の宮だ」

 赤鳥に話しかけると、採集籠を両足で掴み飛び立ち、旋回すると空に舞い上がった。

「伝書鳥、見たことがなかったか?」

 直樹の頷きを見て満足すると、赤王は赤竜に必死でよじ登っているクロをつまみ上げる。

「さあ、雪を見に行くぞ」

 赤竜が舞い上がった。

 黒国を囲むように森があり、放射状に色の国がある。全ては森により分けられており、直樹は赤竜の背から目の当たりにして驚いた。

「本当に赤い……」

 黒国の土や木々が黒いように、赤国は土も木々も赤いのだ。

「明さんみたいに真っ赤ですね」

 ぶる……と寒くて震え、直樹はクロを抱き締める。

 明が直樹に自分のコートをかけてくれ、震えがおさまった。

「明さん、赤に白いの、雪ですか!」

 森にも家にもジジのような髪の色があちこちに溜まり、人々が寒そうに体を丸めて歩いていた。

「白いのが雪だ。赤宮は北の端にあるからな、真っ白だぞ」

 真っ赤な石造りの建物が見えて、その二階の広い屋根付きテラスに赤竜が静かに舞い降りる。テラスにも雪があった。

「雪……冷たい。クロ、雪だよ」

 触ると水になるそれは、日本の雪そのもので、テラスのあちらこちらの雪の塊を手にしては水にしていく。

「一階に降りよう。もっとたくさんあるぞ」

「はいっ」

 中庭には真新しい雪の山があり、クロと走り込み転がったら、明が雪を両手で掛けてきて、直樹とクロは声を上げた。

「わあ」

「うにゃあ」 

「雪を投げるぞ!」

「何故ですか?わ……さ、寒い」

「冷たいって言うんだ、こーゆーのは」

「もう、明さんっ、クロ、後足で蹴り出して!」

 雪を頭からかけてくる明に、クロが後足で明に雪を蹴り返す。

「やったな、赤竜、羽で応戦っ、赤竜!来い!おーい」

 赤竜はテラスの上で付き合いきれないと、眠っているようだ。

 散々遊んだあと雪まみれの明が、手で握った雪玉をころころと雪の中に転がし、二つの真っ白な大玉にして上下に重ねたのに驚いて目を見張ると、

「雪だるまだ。目と鼻を付けると、ほら。札幌の雪祭りで良く作ったもんだ」 

 中庭の木を折り曲げ、目と鼻の位置に刺すと、まるで人を模したように見えて直樹はさらに驚く。

「懐かしいだろ。直樹も作れ」  

 綺麗に丸くするにはどうやらコツがいるようで、明の綺麗な丸よりも若干いびつな雪玉を、明の手を借りて上下に乗せると、直樹の背より大きな雪だるまが出来て、直樹は嬉しくなった。

「直樹、こっちに来い」

「はい」 

 動くのを止めると急に冷えて来て、直樹は中庭の端に連れてこられ、温かい湯けむりに再び歓声を上げる。

「露天風呂ですか!」
 
 石造りの池が温かいのだ。

「おお、露天風呂だ。温泉だぞ。俺が掘り当てた。自衛隊では水脈探査のプロだったんだぜ?さあ、脱げ脱げ、入るぞ」

 コートを脱ぎ下履きまで全部脱いだ明の体は筋肉が細く張り、引き締まった褐色下肢に赤の下生えが綺麗で、その臍には赤褐色の紋様が見応えのある唐草となり浮き出ている。

 小さな直樹とは全然違う大人の毅然とした美しさで、直樹は見とれてしまった。 

「直樹も和合をしたんだったな。ほら、見せてみろ」

 温泉の温かい岩に追い詰められ、マナは明に片手で抱き止められながら、湯の中で下腹を明に晒す。

「あっ……」

 真っ白な肌に小さな臍があり桃色の細かな唐草紋様が浮き出る直樹の下肢を、剣ダコのある堅い指で触られ直樹はびくと震えた。

「綺麗な紋様が出たなあ。森の王は優しいか?」

「はい。あの……あまり触らないで下さい」

 直樹は真っ赤になって、もじもじと脚を閉じる。下生えのない滑らかな切っ先が少し上向きになってしまったからだ。

「あっははは。可愛いなあ、直樹は……どれどれ」

 そのまま指で擦られ、抱き止めていた手が尻の狭間に入り、すぼまる襞をくるくるとくすぐってくる。

「ああ……明さん、ぃや…」

 つんと襞を指で押され、直樹はびくりと腰を揺らしてしまう。

「あっ、ん、んんっー!」

 下肢にきゅうっと力が入り、直樹は敏感な襞を指で何度も押され、屹立を撫でられて湯の中に白濁を放ってしまう。

「気持ちよかったか?会った時と同じだな」

「も、手を離してくださ……っん!」

 明によしよしと抱き締められ直樹はくたりと脱力し、さらに最後の一滴まで絞り出されてしまい真っ赤になった。
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