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二年目
65:翌日。
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日が登り、起床時間となった。あまり眠れなかったが、アザレアはなんとなく満たされたような、温かいような心地がしていた。
「んー、結局全然眠れなかったなぁ……」
伸びをしながらベッドより出て、アザレアは魔術アカデミーの制服に着替える。
今日は休日のため、わざわざ魔術アカデミーの制服を着る必要はないが、
「さすがに古い運動着じゃあ出られないしね」
と、着ていた古い運動着を脱ぎ始める。
特に出かける用事もないので、ひとまずの着替えとして制服を選んだのだった。
また、ほかのアカデミー生達も大抵は制服か学校指定の運動着で集まるので、制服姿だからといって浮くこともない。
「…………」
うんしょ、と上を脱いでシャツを羽織ったところで、
「(……もしかして、あの人に着古した運動着姿見られた?)」
ふと気付いた。しかし、
「……でもまあ、暗かったし……お布団、かぶってたし」
大丈夫だな、と考えてその思考をすぐに放棄した。
「まずは点呼だっけ」
着替え終わり、身支度を整えたアザレアは、呟きながら部屋ドアを開ける。と、
「わ、魔女ちゃん……!」
驚いた様子の、その2と鉢合わせした。その2もアカデミーの制服姿のようだ。
「あれ、どうしたの?」
アカデミー寮内であまり出会わないので珍しいな、とアザレアはその2を見る。確か、部屋の階数も少し違ったような。
「えっとぉ……」
なぜかその2は気まずそうな様子だったが、
「お身体は、大丈夫ですか?」
アザレアに問いかける。
「うん。大丈夫だけど……そういえば、昨日のお札どうしたの?」
なぜ心配されたのだろうかと内心で首を傾げながらも、アザレアは昨日のバラバラになってしまった札の行方について尋ねた。
「えぇっと、ですね……色々と並び順を組み合わせて結界を作りました」
頑張りました! と、頑張ったアピールとして、ぐっとその2はこぶしを握る。
「へぇ、ほんとに作ってたんだ。もしかして、昨日、一緒にお祭りに行けなくなったのって結界作ってたからなの?」
「はい……あんまり、強いものは作れなかったんですけれどぉ……」
アザレアの言葉に、その2は少し落ち込んだ様子を見せた。
「そこのところはよく分かんないけど、そのお札作った人……わたしの婚約者の人が、『あの脆弱な札でよくもまあ斯様な強い結界を作れましたと、誉めるべき事で御座います』ってなんか偉そうなこといってたよ」
「……そう、ですか?」
「うん」
首を傾げるその2に、アザレアは力強く頷く。
×
それから生存確認や点呼のために、アカデミー寮生達は性別、学年ごとに集められる。
アザレア達第5学年生の女子達は女子寮の食堂に集まり、点呼が始まる前は自身の友人達が居るかを確かめ合い喜びや安堵の声で溢れていた。
「あ、良かったわ」
「おはよう、今年も会えたねー」
食堂に入るなり、友人Aと友人Bがアザレアとその2に声をかけた。
「ん、おはよー」
アザレアは二人に手を振り、その近くへ向かう。その2もそれに会釈をし、アザレアのあとをついていった。
「どうやら、今年も全員いるようだな」
と、寮母の人は安心したように息を吐く。
どうやら、今年も行方不明者がいなかったようだ。
「んー、結局全然眠れなかったなぁ……」
伸びをしながらベッドより出て、アザレアは魔術アカデミーの制服に着替える。
今日は休日のため、わざわざ魔術アカデミーの制服を着る必要はないが、
「さすがに古い運動着じゃあ出られないしね」
と、着ていた古い運動着を脱ぎ始める。
特に出かける用事もないので、ひとまずの着替えとして制服を選んだのだった。
また、ほかのアカデミー生達も大抵は制服か学校指定の運動着で集まるので、制服姿だからといって浮くこともない。
「…………」
うんしょ、と上を脱いでシャツを羽織ったところで、
「(……もしかして、あの人に着古した運動着姿見られた?)」
ふと気付いた。しかし、
「……でもまあ、暗かったし……お布団、かぶってたし」
大丈夫だな、と考えてその思考をすぐに放棄した。
「まずは点呼だっけ」
着替え終わり、身支度を整えたアザレアは、呟きながら部屋ドアを開ける。と、
「わ、魔女ちゃん……!」
驚いた様子の、その2と鉢合わせした。その2もアカデミーの制服姿のようだ。
「あれ、どうしたの?」
アカデミー寮内であまり出会わないので珍しいな、とアザレアはその2を見る。確か、部屋の階数も少し違ったような。
「えっとぉ……」
なぜかその2は気まずそうな様子だったが、
「お身体は、大丈夫ですか?」
アザレアに問いかける。
「うん。大丈夫だけど……そういえば、昨日のお札どうしたの?」
なぜ心配されたのだろうかと内心で首を傾げながらも、アザレアは昨日のバラバラになってしまった札の行方について尋ねた。
「えぇっと、ですね……色々と並び順を組み合わせて結界を作りました」
頑張りました! と、頑張ったアピールとして、ぐっとその2はこぶしを握る。
「へぇ、ほんとに作ってたんだ。もしかして、昨日、一緒にお祭りに行けなくなったのって結界作ってたからなの?」
「はい……あんまり、強いものは作れなかったんですけれどぉ……」
アザレアの言葉に、その2は少し落ち込んだ様子を見せた。
「そこのところはよく分かんないけど、そのお札作った人……わたしの婚約者の人が、『あの脆弱な札でよくもまあ斯様な強い結界を作れましたと、誉めるべき事で御座います』ってなんか偉そうなこといってたよ」
「……そう、ですか?」
「うん」
首を傾げるその2に、アザレアは力強く頷く。
×
それから生存確認や点呼のために、アカデミー寮生達は性別、学年ごとに集められる。
アザレア達第5学年生の女子達は女子寮の食堂に集まり、点呼が始まる前は自身の友人達が居るかを確かめ合い喜びや安堵の声で溢れていた。
「あ、良かったわ」
「おはよう、今年も会えたねー」
食堂に入るなり、友人Aと友人Bがアザレアとその2に声をかけた。
「ん、おはよー」
アザレアは二人に手を振り、その近くへ向かう。その2もそれに会釈をし、アザレアのあとをついていった。
「どうやら、今年も全員いるようだな」
と、寮母の人は安心したように息を吐く。
どうやら、今年も行方不明者がいなかったようだ。
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