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第2章 忍の章

2話 友達の彼氏に弄くりまわされる♥(キス・手マン絶頂)

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 ――久々の学校で久々に放課後を迎えて、ナツキは重々しくため息を吐いた。


 逮捕される前と変わらぬ様子のエリナと榎本君が、夕陽を背景にしてじゃれ合う姿を延々に見せつけてきたのだ。


「つまり榎本君は無罪放免ってこと?」


「そーゆーことー。エリナのおじさんのおかげで無罪勝ち取り。持つべきものはこーゆー出来た彼女だわ」


 警察関係者なのか何なのか分からないが、エリナのおじさんのおかげで榎本君は助かったらしい。しかし、薬をばら撒いて荒稼ぎしても揉み消せるって、エリナのおじさんて一体何者?


 全校生徒300人に知られても揉み消せるっていくら何でも無理がある。
 一体どんなトリックを使ったんだろう。


 じーっ、と黒い噂しかない黒く焼け焦げた肌を見詰める。
 忍びよりも忍べるって、本当に世の中どうなっているんだ。


「凄いでしょー♪ あ、ごめーん、噂してたらおじさんから電話きた。多分榎本のことだよ。ちょっと出てくるねー」


 言ってスマホを弄りながら教室から出て行くエリナ。


「二人きりになっちゃったねーナツキちゃん」


 見送り終えるなり、榎本君から言われた。


 榎本君と2人きりか……、ほかにクラスメイトもいないしちょうど良い、MARSのことを聞きだそう。MARS密造には忍びが絡んでいる可能性が極めて高い。
 タチの悪さが素人の域を出ている。
 とはいえ榎本君が忍びなんてことは無いだろう。
 そう判断してナツキは早々と切り出した。


「榎本君。私が容疑を掛けられたMARSのことなんだけど教えてもらえる?」


「えー? ド直球だねーナツキちゃん。MARSの何を知りたいのー?」


「誰が作っているかとか、どこで作られているかとか、誰からばら撒くように言われたとか、捌いて得たお金がどこに流れるかとか」


「ぜーんぶ俺ひとりー……。――なーんて。ナツキちゃんは誰だと思う?」


 分かる訳がない。
 興味のない薬だった。少なくとも、つい一週間くらい前までは。


「ヒント。エリナのおじさーん」


 ――あぁ、なるほど……。


「それでエリナのおじさんが、君を助けて揉み消そうと躍起になっているの?」


 エリナのおじさんが権力者だとして、何でわざわざ姪の彼氏を助けようとしているのか不思議には思っていた。
 ――共犯者だったのか。
 それなら納得だ。


「……そう、そういうことなんだー。実は、なんだけど、ねー。これ内緒ね……」


 なんだ急に、自信なさげに。
 ヒントも何も、答えが出たようなものだった。
 エリナのおじさんが忍びの可能性が高い。
 ナツキは更に尋問する。


「エリナのおじさんて何者なの?」


「AV男優」


「はい?」


 今まで聞いていた話の信憑性が一気に薄れた。
 AV男優……。職業として成り立ってはいるが、そんな素性が丸出しになりそうな、いや、素性どころかすべてが丸出しになっている人が、忍びなんてやっているのだろうか。
 国会議員が人外の獣だった例もあるから一概に否定は出来ないけど。


「……どこまでがほんとうの話?」


「AV男優からAV男優まで」


 AV男優からAV男優……。な……にっ……、AV男優以外は嘘?


 話が根幹から揺らぐひと言だった。
 エリナのおじさんとMARSがまったく関係ないことになる。
 とは言え、エリナのおじさんが釈放に協力したのは間違えないのだろう。


「AV男優以外は嘘なの? 榎本君。ほんとうのこと教えて」


「教えてあげるからやらせてくんなーい?」


「何を?」


「セックス」


 やっぱりゲスだった。
 死んだ目で、私の後ろに立っていてる人と喋っているように目がずっと後ろに逝ってる。やっぱりこの男に聞いたのが間違いだった。
 とは言え、エリナのおじさんの正体くらいは暴けるだろう。
 簡単にボロを出しそうだ。


「いつもそうやってエリナの友達を誘ってるの?」


「エリナの友達はちょっとまんこ弄っただけで股広げるビッチしかいないから食い荒らすけど誘ってもいないよー。知ってるっしょ? エリナの友だちってさー、ぶっちゃけナツキちゃん以外クソビッチなんだよねー」


 表情変えないでつらつらと……。
 しかし、黒い噂が絶えないものの、こうも簡単に浮気を自白するだろうか。
 なんで、エリナにバレないのか不思議なものだ。


「あー、ナツキちゃんもビッチ臭いなー。精子の臭いしてくるねー。しかもすっげぇ濃い精子の臭いがしてくるなー。濃い癖して下手くそな男の臭いだなーこれ」


 なんかカチンと来た。
 確かにオネエの精子は濃い。
 オネエのテクニックが馬鹿にされていることも正直どうでも良い。
 しかしだ。
 その馬鹿にされているオネエのテクニックに、よがってしまっているのが現状。 そう、オネエが下手と言われると、それによがっている私も一緒に馬鹿にされたことになる。
 フォローする必要がある。


「ずいぶん自信家なんだね。多分榎本君のほうが下手だよ。――そんなことよりおじさんの話聞かせて」


「下手とか言っておいて逃げるのー? だっさー」


「逃げてない。何勘違いしてるの?」


「ちょっとまんこ弄らせてよ。秒で逝かせっから」


「秒で逝く? ありえない。榎本君はAVじゃなくて、エロアニメとかが好きでしょ? だいたい友だちの彼氏とやるわけないでしょ」


「でもねぇ……みんなやってるよ? みんなやるんだわぁ……」


「私はしないよ。榎本君のこと生理的に受けつけないから」


「そう言うんだわぁ……。みーんな言うんだわ、最後には奴隷になるって言うんだわぁ…………精子便所になるって言うんだわぁ…………」


 榎本君は目が据わり始めていて、意思疎通も時間が掛かるようになってきていた。こんなイカレタ男と二人っきりにさせた罪深いエリナは、下品な笑い声を張りあげながらずっとくっちゃべっている。


 だいたいよく、彼女の友だちに手を出す男と付き合っていられる。
 そんな呆れを思っている中、廊下から耳を引っ張るような声が聞こえて来た。


「えー? 金田大臣ってこの間来てた大臣? 秘書と一緒に汚職で逮捕?」


 ――な、にっ? 樽男が逮捕された?
 ……秘書ってオネエ!?


 心臓が飛び跳ねて、勢い良く廊下に首を捻った。――同時にパパパッ、と靴音が近付いてきたかと思うと、後ろから抱き締められていた。


 な、……っ!?


 慌てて振り向いたところで、ヌボッと口の中になにかが入り込んできて、それが榎本君の指だと気付いて首を振るった。


「んぅ゛んぐ!?」


 がしかし、口から追い出す前に、スカートの中にも手を突っ込まれていていた。
 あまりにも慣れ過ぎている。強姦することに慣れきった最悪な手つきだった。
 とは言え、人間離れした手つきではない。


 普段ならば手こずることなく振り払えただろう。
 軽々と指を追い出せただろう。


 なんで……、いまっ……。このタイミングでっ……。


 MARSの発情が突如として再燃したのだ。
 樽男と決着が付いてから三日間、度々思い出したように発情したりはしていた。
 が、しかし、しかしあまりにもタイミングが悪い。


 それも、MARS特有の倦怠感が異様に強い。
 発情はいつもとそこまで変わらないものの、ごろんと寝転がってしまいたいくらいの気怠さがやってきている。
 筋肉がとろとろ床へと流れていってしまうような無気力感へと変わっていく。


「ナツキちゃんどぉーよー? これでも勘違いなのー? きもちいーよねー?」


「んぅ……う゛……な、なぁ、いっ……からぁ……」


 強がりでも何でもなく、特別気持ちが良いわけではない。
 しかし、瞬きするだけでそのまま目を開きたくない、そう思ってしまうくらいに怠く、目の前の景色がフェードアウトしっぱなしになりそう。
 まるで筋弛緩剤を注射されてるような気怠さだった。
 そんな脱力した身体の中へと、異物が入り込んでくる。


 クチュウウッ……、ショーツを避けた指が力の抜けてしまった膣の中へと入り込んできた。まずい……、そう思っても指を追い返す力は当然なかった。
 それどころか睡魔まで襲ってくる。


 まずい、こんな、こんな状況で……、
 そう思っても、目蓋が何度も何度も重なり合っていた。
 まずい、ほんとにまずい……。


 しかし、危機感よりも倦怠感と眠気のほうが……強くてそれどころじゃ……。


「あららー。寝ちゃったー? 寝てる?」


 くちゅ、くちゅ……。くちゅりっ、くちゅりっ……、

 くちゅくちゅくちゅっくちゅ、――クチュクチュクチュクチュ!

 グチュッグチュッグチュッ! ジュチュ、ジュチュ、ジュチュ――。


「完全に寝てるねー。でもやっぱナツキちゃんすっげー。巨象を一瞬で眠らす睡眠薬に変質させても結構もってたよね? ま、とりあえず一回起こそっか。ここを――グリッ!」


「んぁあああああっ!? ――あぁ、むぁ……、な、っん、にっんむっ!?」


 意識を持って行かれていたのか、目覚めるとキスをされてる真っ最中だった。
 ぐ、うっ……、だ、だめだっ、寝てしまう前よりもずっと力が抜けてしまっていて振り払えない。
 それよりもだ。目覚め方が明らかにおかしい。まるで強烈な絶頂によって目の中に強い光を突っ込まれたような起こされ方だった。


 い、逝かされた、のかっ……。


「ナツキちゃん寝ちゃってたよねー? 無防備すぎー。身を任せすぎー。でも、寝顔可愛かったよー? ほら見てー?」


 言いながら顔のすぐ傍にスマホを持ってこられた。


 ――え……。


 舌をねっとりと絡ませ合ってのディープキスをしている動画を流された。
 よく見ると、榎本君と夢中になってキスを繰り返してるナツキの姿だった。
 寝ているにもかかわらず、榎本君の舌使いが妙に巧みなせいで、ナツキ自身が望んでキスをしているようにさえ見えてしまう。


「けっこー綺麗に撮れてるっしょ? 本命のエリナもびっくりな感じでー」


「っう!?」


 不本意なキスをされてそれを撮影されていたと知るも、榎本君に言われるまで更に深刻な問題に気付いてなかった。
 ――こんなのエリナが見たら、彼氏を寝取ったと勘違いされる。
 気が付くなり、榎本君とのキス動画が流れるスマホに手を伸ばした。
 しかし、遠近感が掴めていないような大きい空振りをしてしまう。


「おっとー、でも無理でしょー。逝かされて起きた自覚ありますぅうー?」


 逝かされた自覚はある。しかし、その絶頂は偶然だろう。
 偶然Gスポットに触れられて逝かされた。
 夕陽の暖かみが変わっていないことからも、そこまで時間は経っていない。
 にもかかわらず弄り回されたような掻痒感に苛まれている。
 それだけで、掻き回されて、たまたまGスポットに直撃したと察しが付く。
 

「け、消してっ……」


「いいよー、その代わりカメラに向かって榎本君の手マンちょーきもちーって言ったらねー」


「ばか、じゃない、のっ……誰がそんな馬鹿げた交渉に、応じると思ってるのっ」


 動画を撮影しながら言われて応じる女がいるのだろうか。
 にもかかわらず本気で言わせようとしている目だった。


「そりゃそっかー。じゃ、逝ったら気持ちいいって言ってねー?」


「ばかじゃないのっ、指を抜いてっ、今ならエリナに言わないであげるからっ」


「えぇえ? これどう考えても共犯だよねー? さっきのキス動画見たらエリナも絶対同意って思うよねー? 寝取られたって思うよねー? 親友に寝取られたって思うよねー?」


 こ、こいつっ……。エリナの悪友連中もこんなやり方で嵌められていたのか。
 エリナもエリナだっこんな男なんかに嵌まって。
 ――いや、私も人のこと言えないな。
 くノ一の癖して、忍者でもない素人に脅されているのだから。


「なにをさせたい、わけっ……」

 
「お、乗ってきたー? さっき言ったこと覚えてるー?」


 何のことを指しているのか分からなかった。
 考えるものの答えを出せずにいると、榎本君から続けられた。


「秒で逝くとかありえないって、言ったでしょー? そのあとアニメがどうとか色々言ってたよねー?」


「あ、あぁ……、それが、……なに」


「よかったー覚えてて。秒で逝ったらやらせてよ。分に切り替わる60秒で逝ったらやらせてよー? あれだけ自信満々に言ったんだからいいよねー?」


 60秒で逝かせる? 何を言ってるんだ……。
 いくらMARSで発情しているとはいえありえない。
 寝ているときと違ってたまたま感じるところに擦れるなんてこともない。
 最悪のときは、腰を捻って快感スポットを避けられる。


「私が60秒耐えたら動画、消してくれる?」


「成立ーじゃ、開始ー、59、58……」


 本気で逝かせるつもりなのか、くちゅくちゅくちゅと中を弄くってくる。
 Gスポットを的確に擦ってきて、なんでこんな無謀な賭けを挑んできたのか、少しは納得させられた。
 くノ一が相手でなければ、1分以内に逝かせられたかも知れない。
 ただ、相手が悪い。
 問題は、約束を守ってもらえるかどうかがはっきり分からないことだ。
 最初から分かっていたが――。


「残り30秒ー29、28……」


 ほんとうに約束を守るつもりなのか、まるで審判のように中立を装った声でカウントを続けている。


 まぁ、それに越したことは……、っ……。
 チュク、チュクチュクッ、とおまんこの痙攣と指の動きが噛み合った。
 そのタイミングで指がもう一本追加された。


 チュクチュクチュクッ、チュクチュクチュクッ、と2本指での責めに変わった。
 指の動きが2倍になって快感も2倍になる。


「っう、は、はぁ……あ、はぁ……」


 ついさっきまでの指マンなら余裕で耐えられた。
 しかし、痙攣と同期して突然快感が増したところでの指の追加によって、刺激が飛躍した。吐息に艶が混じってしまう。
 2本指に変わってから、腰を捻るも快楽ポイントが避けられなくなっていた。


「逝きそうな感じにまんこがキュッキュキュッキュ痙攣してる。20、19……」


 ま、ずいっ……時間の流れが、お、おかしいっ、ず、ずるされて、いないのにっ、あ、はぁはぁ……、だ、だいたいっなんで、グチュグチュおまんこのなかをっ、こ、こんな自由に掻き回せ、るのぉおっ……。
 腰を捻るのも、そうだけどっ……。
 締め付けて、う、動きをおさえることすらできなひっ……。


 ぐちゅ、ぐっぷ、っぷぐっちゅ――。


 筋肉をすべて溶かし尽くされたように榎本君の指が出入りしてくる。
 手首まるまる入ってしまいそうな気がするくらいに、おまんこに力が入らない。 そんなおまんこにさらに指を追加されて3本の指を使ってGスポットを徹底的に嬲られる。


「い、あ、あ、あぁあっ!? あ゛ぁあ! あぐ、うっンあ゛!?」


 ぐちゅ、ぐぷぐぽっ、ぐぢゅっぐぽううっ!


 あ、あとすこしっな、のにっ……、む、むりっ、い、あ、あ、あっ!


「ま、っで、ん、ウ゛う、あ、アァ゛、あぁあああ! アァアア゛!?」


「さすがくノ一。でもざんねーん、4……、3……、2……、1……」


「ン、ンゥウ゛!? ンッ゛ぃグゥウうううううううううううっ!?」


 強烈な絶頂に目の前を焼き尽くされて、意識を根こそぎ持って行かれていた。
 一分間しかまともに責められていない。
 気持ちいい、と感じ始めてからが責めだとするなら30秒も責められていない。


 しかし与えられた快感は、樽男よりもずっと重たく、悔しいけどオネエよりもずっと鋭かった。
 絶頂の深さの記録をやすやすと塗り替えられてしまうほどであった。


                  ※


「榎本ー、もう終わったのー?」


 放心状態で力なく、まるで人形のようにへたり込んでいるナツキ。そんなナツキを見下ろす榎本の元へと電話が終わったエリナが寄りながらに聞いた。


「ふ~、一応。……MARSに免疫が出来ててちょっと焦ったー。筋弛緩剤の作用も弱くて、変質の加減ミスったわ」


「へぇ……MARSって榎本の最高傑作じゃないの? 抗体出来ないって思ってたけど。――それよりさー、このままナツキ犯しちゃうの?」


「そうしたいのはやまやまだけどー、言ったろ? 調教しとけって言われたって」


「あ~、そうだったね~。おじさんさー、ナツキの話あたしに全然しないから。じゃ、今日はトドメを刺さないんだ?」


「そーゆーこと。淫魔との交渉材料にも都合が良過ぎるらしいから徹底的にちんぽ狂いにさせろってさー」


 翌日からナツキへの本格的な調教が行われていくのであった。


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