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第3章 淫武御前トーナメントの章
14話 エリナVS元凶♥
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14話 エリナVS元凶♥
「ほーんと大したことないね。あれで葉月さんの娘で風魔一のくノ一なのー?? 少しロボット弄っただけで完全勝利しちゃった☆」
ナツキがレイプされている、工学チーム控え室。その様子を映すモニターを見ながら言ったのは、小学生くらいの背丈の少年だった。
坊ちゃん刈りをしていて、紺色のスモックに身体の殆どをすっぽり覆われている。
抱えるように持ったポップコーンをボリボリさせている様子は、一見すると小学生よりも幼く見える。
しかし怪訝なのはその足元だ。
灰色のスーツを着た中年・金田樽男がポップコーンの欠片を後頭部で受け止めていているのだ。
額はひたっ――、と床にくっついていて微動さえせずにいた。
慣れ過ぎた土下座、痛烈なまでに上下関係が分かる構図である。
「せっかく呼んであげたのにねー。ほーんとたいしたことないね。そう思わない? 樽男くん☆」
「あぁ……。本当にその通りだねぇ、マモン様」
樽男が頭を上げられないこの少年は、名をマモンといった。
樽男を使ってナツキ、オネエ、エリナを大会に招待した張本人である。そして、機械のプログラムをてきとうに書き換え、ナツキを壊した少年でもあった。
「小娘に過ぎないねぇ、機械なんかにやられてしまって……。本当に情けない」
「あれー?? でもきみはー、確かそのくノ一にやられて、挙げ句パシリにされてなかったー?? 気のせいかなー?? ぼくの勘違いかなー??」
「その節はお助けいただいて、ほんとうに感謝しかないよ。機械に変わってくノ一達の陵辱のお手伝いでも何でもさせてもらい、身を粉にして働くよ」
「余計なことは考えなくて良いよ。でもおっかしいなー。風魔、伊賀、古賀のトップが集まってこれ? 忍者って弱過ぎない? そんなメス雑魚マンコにやられる奴ってもっと弱過ぎない?」
「えぇ……。もう、まったく。ほんと、まったくマモン様の言うとおりだね」
――カボチャ頭のクソガキが。何百年にも渡って服部から煮え湯を飲まされ続けてきたんだろう? 服部が怖くて隠れてコソコソ暮らしていたんだろう? 古賀茂を唆して古賀忍軍を乗っ取るまで何も出来なかったんだろう?
淫魔って弱過ぎない!?
と声を大にして罵ってやりたい樽男であった。
が、樽男の命運はマモンが握っていて、そのような罵声をあげようものなら命は無かった。
古賀忍軍元頭領古賀・茂。樽男に淫魔の種を食べさせた男である。その種がきっかけで、樽男は肉体を分裂させたりといった、超常的な力、――淫魔の力を得た。
しかし淫魔のきっかけとなる力を樽男に与えた茂でさえも、元は淫魔から力をもらった人間でしかなかった。
その茂に力を渡し、淫魔に転生させた少年こそ、マモンであった。
そのマモンから、
「――ボクが茂くんに種の能力を上げたんだよねー。当然その種を食べて淫魔になった君も、指先一つで取り込めるよ? ボククラスになると君の養分なんてポップコーンの受け皿ほどにも役に立たないからいらないけどねー」
などと脅されてしまっては、樽男はマモンの言いなりになる他なかった。
もちろんそれだけが理由ではない。
――話は今から三日前に遡る。
エリナがナツキと別れた少し後、エリナが服部の待つ控え室に入る少し前。
そう、エリナが服部と戦う決意をした後の出来事である。
「……ふー緊張してきた。ポンコツマシンのデータなんて当てにならないって言っても、1人だけ雑魚確定の数字なのはやっぱねー」
――ぶっちゃけナツキが相手でも良かった。力さえ誇示できれば良かった。
古賀とか伊賀とか、そんな小さなこと関係ない。榎本はあたしが助けたい。
再度強く思ってエリナはキリッと目尻を吊る。
今榎本を助けたとしてもあんな数字を大々的に暴露されたら、どう頑張ってもナツキと服部が助けたことになる。手柄を奪われる。
お荷物だったって思われてもおかしくない。
それは凄く嫌だ。
「実績作るにはやっぱり服部でしょ。野心家の榎本もびびるだろうし、なんたって、アイツの正体は――……っ」
背後から漂ってきた粘つく気配。
空気の中に油が混じって歪んでいる。そんな錯覚を起こさせる嫌な気配だった。
振り向くと案の定、金田樽男が少し離れたところで手招きしていた。
「はぁ……。あのさーあたし今忙しいの。土下座でなんでもかんでも片付けようとする男には、女の世界の厳しさ分かんないかも知んないけどさー、……ピリピリしてるのくらいは分かるよね?」
爪先同士が触れる距離まで土下座男に詰め寄るなり、エリナはまくし立てた。
そんなエリナがブンッ! と鳴る勢いで首を背中に捻る。
ゾクンッ! と身体の中にメスを入れられた、そんな勘違いを起こしてしまうほどの鋭い悪寒に襲われたのだ。
振り向いても誰もいない。
にもかかわらず、裏腿の内部に刺さり、動くことを躊躇わせる鋭い感覚が、ゆっくり、ゆっくり臀部へと上ってくる。
「……あのー、だれですかー?」
大声で聞いてあわよくば服部に気付いてもらおうかとも思った。
が、恐怖からか喉が震えてしまい、凍えたような声しか出せなかった。
「君たちを大会に招待したマモンだよ☆ 知ってる?」
名前は初めて聞いた。
が、大会に招待した淫魔のことは嫌なくらいに理解しているつもりだ。服部からも、ナツキからもまともな説明をされていなくても、分かっているつもりだ。
古賀茂が淫魔になったきっかけであり、先代、つまりは両親の仇でもある男。
こんなあどけない声をした男の子が古賀を破滅させた?
「馬鹿にしてんの!?」
振り返るエリナ。しかしまた誰もいない。というより何も無かった。
目の前に広がるはずのレッドカーペットの敷かれた豪奢なホールが、元から何も無かったように消えたのだ。
あるのは、ブラックホールと言われてイメージしそうな黒い海一面。
「馬鹿にしていないよ?」
ここにきてやっと声の主と対面した。
ナツキよりも小さい。エリナの視線より背の低い少年が立っていた。
「凄い手品だねー。マジシャンになれるんじゃない? 子どものうちからこんな大掛かりなマジックできたらっ……」
少年なのは、声変わりする前のあどけない高い声と低身長だけだった。
しゃくり上げるように見上げてくる目はギロッとしてて、血を吸ったように真っ赤だった。
チビの癖して、気配だけは今まで対峙したどんな大男とよりも大きかった。
そのアンバランスなオーラが、この少年を必要以上に大きく見せている。
「このタイミングでやってくるってことは、戦う気満々なんでしょ? ……負ける気しないけど」
「相手の強さも分からないくらい弱いのかな? きみはやっぱり翔子さんにとっても、ナツキさんにとってもお荷物だね☆」
「カッチーンッ……いまそれゆーか? あんたいなかったら突然改名した服部とも蹴り着いてたってーーのッ!!!!!!」
手加減無しの拳を、キモ少年目掛けて振り下ろす。
ガゴンッ!! と顔から床に叩きつけられてキモ少年が這い蹲る。
そんな少年に追い打ち掛けようと、エリナは片足を持ち上げた。
「ご、ごめんなさい! ボクじゃないんですっ、マモンはお父さんで、お父さんの名前を出して、エリナさんに近付こうと思っただけなんですっ、人間の女の人を初めてみてっ、凄く綺麗な人だと思ってっ、キラキラしててっ」
――超よっわーと思ったら急になに?
「樽男さんにお願いしたら控え室の場所教えてもらえて、2人で待ち伏せしていたんです! 初めて淫魔じゃない女の人の裸見たんです。……予選ずっと見てて。ごめんなさいっ……ごめんなさいっ!」
はぁ……。淫魔っていっても、子どもは子どもだよね。
忍びも地獄のような修練積むようになるまで、普通の子どもだし。
相当げんこつ痛かったんでしょ。
投球フォームからの全力の振り下ろしげんこつで心が折れちゃったみたい。
まぁ赤くなっているところは、可愛いから良いけど。
キモ顔もマシに見えてきたし。
*****
「大会優勝したら大事なっ、男友達っ……はぁ…………、はぁ……帰ってっ、くるんだよねー。あんたのお父さん? が招待してくれたっはぁ、はぁ……お陰もあるんだけどねー。でも元凶みたいなもんだからっん……はぁ、倒すことに、なるとっ、おもうよ。……残念だけどっ」
げんこつしてからずっと、エリナは少年から淫魔の内情を聞いたりしていた。
服部やナツキへのお土産になる情報もかなり仕入れられた。
話をしている最中ずっと身体を触ってきたことには、正直かなり引いたけど。
子どもながらにも淫魔であることは隠せないと分からせられた。
「そうなんだ。エリナさん具合悪いのー? 息苦しそうだよー?」
甘えられている、そう思わせるくらいに無邪気な指先だった。
かなり際どいところを触ってくるけど、払い除ける気にもならない。
風に撫でられても払い除けないのと似た感覚だった。
そのせいで気が向くままに吹く風に、身を任せるように触らせ続けてしまう。
「返事するのも辛いかなー。おっぱい押しつけてるピチピチのシャツとかブラジャーとか脱がせてあげるねーっ」
ピシンッ!! エリナは反射的に、身体を撫で回ってた指を叩き退けた。
「っ、はぁ、はぁ…………はぁ……」
危なくやられるところだった。
まやかしの術の類だろうか? 邪気や淫気を感じ取れなくなっている。
淫魔である以上、否、生物である以上隠せない気配。存在がそこにある証明である気配。それが少年から感じ取れなくなっていた。
「これ、忍術? 油断させておいてっ、……こういうことするんだー? オネエさん騙されちゃうところだった」
宥めるように注意する中、払い除けたばかりの線の細い指先が、懲りずにエリナの手の甲を撫でてくる。
擽りながらに手の平を擦り合わせてきて、恋人繋ぎまでされてしまう。
「勝手に油断したのはエリナさんだよねー? いつ騙したって? 嘘なんてひとつもついていないけどねー☆」
「マモンはお父さんのことだって言ったよね?」
「勝手なこと言わないでよ。んふぅ……ちゅう」
「っう……あ……」
絡めていた指先を唇に寄せられて、口付けされ、しまいに舐められてしまう。
ちゅぱちゅぱと赤子のように指しゃぶりされて、初めて気付いた。
少年からは存在感が感じられなかった。風に喩えてしまったのはこれが理由――。
「少し違うねー。でも意外、一番弱いくせに洞察力はあるね。ヒントあげる」
カァッ――――――――――――!!
「ッアッ!? ――…………、か、は…………は、………………ふ、…………」
心の中を覗かれた? 戸惑わされる中、両の目をカッ、と見開かれた。
音が鳴ったと錯覚するほどに開眼され、その瞬間、強烈な殺意に刺された。
まるで最愛の人間を手にかける殺意。同時に入り込んでくる最愛の人に殺された被害者の心情。
その2つを同時にぶつけられたような混在しようのない狂気の激突に心が激しく揺さぶられて、身体が震え上がった。
それらが終わったところで、すとんっと身体から力が抜け落ちた。
ちょろちょろと股の間からは黄色い排泄液が漏れていってしまう。
「分かったかな? ぼくは意識を飛ばせるんだよ。怖いとか犯したいとか死にたくないとか。殺意も好意も飛ばせるんだよ。ぼくは意識を飛び道具に出来るんだよ」
エリナが最初に感じた圧倒的なオーラの正体は、マモンの意識の物質化によるものだった。
身体を自由に触らせてしまったのは、無意識を相手にしたことによるもの。それも存在自体を感じさせないほどの無意識。
圧倒的なまで格の違いに、エリナは戦意さえも喪失させられていた。そんな力の抜けた身体に、マモンの指先が伸びる。
ゆっくり、それでいて手際よく、ぴちっとエリナの肌に張り付くスポーティーなシャツを、大振りな乳房を包むブラもろともに脱がす。
それが終わる頃には小水染み込んだ下半身も露わにされていた。
脱がせながらに、マモンはBGMのように途切れることのない流麗な振るまいで自らも裸になり、少年らしからぬ巨物をエリナの中へとグヂュヂュヂュヂュ……と捩じ込んでいく。
「っう、あ、あぁんっ♥ す、っごっあ、すごいっ、こんなのっはじめてっ、い、いいっ、マモン様のおちんぽいいっ!!」
前戯どころかキスの一つも無い。
にもかかわらず、エリナの興奮はピークにあった。
ギュッ、ギュッ、と小水を練り込む軋んだ絡まりでのストロークを二度、三度と繰り返されて、窮屈な絡み合いを興じられて、愛液を大量に生まされる。
そこから二度、三度、じわっと漏れ溢れた発情証拠液を絡めてのストロークを繰り返される。入る込んでくる度に感触が違い過ぎるピストンに、エリナはやすやすと堕とされてしまったのだ。
「あぁんっ♥ ま、マモン様のちんちんよ、良すぎるっ! 入ってるだけで幸せすぎるよぉおおおっ♥」
軋む音を鳴らした小水を、水飴のようにドロドロな本気汁が洗い流す。
それを撹拌するように、ねちゅうっねちゅうっねちゅうっ、とマモンは愛液よりもねっとりとした腰使いを続ける。
「ボクの言うこと聞いてくれるかな?」
「は、はひっ、マモン様とおまんこできるならなんでもしますっおちんぽケースにさせてもらえるならなんれもしますっ!」
「翔子さんを堕とすんだ。ボクに言われたとおりにね」
「はひっ、なんれもしますなんれもしますからマモン様のせいえきくらさいっ、マモン様の子ろも孕ませてくらさいっ!!」
「やっぱり一番雑魚だね。でもだめ。子種が欲しいなら、しっかり翔子さんを堕とすんだ。わかったかい?」
「お願いします! お願いしますっ! せいえきっ、こどものあかしください! 翔子を絶対堕とすんで今すぐくださいっ!!」
芝居がかった懇願を繰り返すエリナであったが、当然通用しなかった。
皮肉にも、エリナは当初から決めていた翔子との1対1に全力を注ぐことになるのであった。
「ほーんと大したことないね。あれで葉月さんの娘で風魔一のくノ一なのー?? 少しロボット弄っただけで完全勝利しちゃった☆」
ナツキがレイプされている、工学チーム控え室。その様子を映すモニターを見ながら言ったのは、小学生くらいの背丈の少年だった。
坊ちゃん刈りをしていて、紺色のスモックに身体の殆どをすっぽり覆われている。
抱えるように持ったポップコーンをボリボリさせている様子は、一見すると小学生よりも幼く見える。
しかし怪訝なのはその足元だ。
灰色のスーツを着た中年・金田樽男がポップコーンの欠片を後頭部で受け止めていているのだ。
額はひたっ――、と床にくっついていて微動さえせずにいた。
慣れ過ぎた土下座、痛烈なまでに上下関係が分かる構図である。
「せっかく呼んであげたのにねー。ほーんとたいしたことないね。そう思わない? 樽男くん☆」
「あぁ……。本当にその通りだねぇ、マモン様」
樽男が頭を上げられないこの少年は、名をマモンといった。
樽男を使ってナツキ、オネエ、エリナを大会に招待した張本人である。そして、機械のプログラムをてきとうに書き換え、ナツキを壊した少年でもあった。
「小娘に過ぎないねぇ、機械なんかにやられてしまって……。本当に情けない」
「あれー?? でもきみはー、確かそのくノ一にやられて、挙げ句パシリにされてなかったー?? 気のせいかなー?? ぼくの勘違いかなー??」
「その節はお助けいただいて、ほんとうに感謝しかないよ。機械に変わってくノ一達の陵辱のお手伝いでも何でもさせてもらい、身を粉にして働くよ」
「余計なことは考えなくて良いよ。でもおっかしいなー。風魔、伊賀、古賀のトップが集まってこれ? 忍者って弱過ぎない? そんなメス雑魚マンコにやられる奴ってもっと弱過ぎない?」
「えぇ……。もう、まったく。ほんと、まったくマモン様の言うとおりだね」
――カボチャ頭のクソガキが。何百年にも渡って服部から煮え湯を飲まされ続けてきたんだろう? 服部が怖くて隠れてコソコソ暮らしていたんだろう? 古賀茂を唆して古賀忍軍を乗っ取るまで何も出来なかったんだろう?
淫魔って弱過ぎない!?
と声を大にして罵ってやりたい樽男であった。
が、樽男の命運はマモンが握っていて、そのような罵声をあげようものなら命は無かった。
古賀忍軍元頭領古賀・茂。樽男に淫魔の種を食べさせた男である。その種がきっかけで、樽男は肉体を分裂させたりといった、超常的な力、――淫魔の力を得た。
しかし淫魔のきっかけとなる力を樽男に与えた茂でさえも、元は淫魔から力をもらった人間でしかなかった。
その茂に力を渡し、淫魔に転生させた少年こそ、マモンであった。
そのマモンから、
「――ボクが茂くんに種の能力を上げたんだよねー。当然その種を食べて淫魔になった君も、指先一つで取り込めるよ? ボククラスになると君の養分なんてポップコーンの受け皿ほどにも役に立たないからいらないけどねー」
などと脅されてしまっては、樽男はマモンの言いなりになる他なかった。
もちろんそれだけが理由ではない。
――話は今から三日前に遡る。
エリナがナツキと別れた少し後、エリナが服部の待つ控え室に入る少し前。
そう、エリナが服部と戦う決意をした後の出来事である。
「……ふー緊張してきた。ポンコツマシンのデータなんて当てにならないって言っても、1人だけ雑魚確定の数字なのはやっぱねー」
――ぶっちゃけナツキが相手でも良かった。力さえ誇示できれば良かった。
古賀とか伊賀とか、そんな小さなこと関係ない。榎本はあたしが助けたい。
再度強く思ってエリナはキリッと目尻を吊る。
今榎本を助けたとしてもあんな数字を大々的に暴露されたら、どう頑張ってもナツキと服部が助けたことになる。手柄を奪われる。
お荷物だったって思われてもおかしくない。
それは凄く嫌だ。
「実績作るにはやっぱり服部でしょ。野心家の榎本もびびるだろうし、なんたって、アイツの正体は――……っ」
背後から漂ってきた粘つく気配。
空気の中に油が混じって歪んでいる。そんな錯覚を起こさせる嫌な気配だった。
振り向くと案の定、金田樽男が少し離れたところで手招きしていた。
「はぁ……。あのさーあたし今忙しいの。土下座でなんでもかんでも片付けようとする男には、女の世界の厳しさ分かんないかも知んないけどさー、……ピリピリしてるのくらいは分かるよね?」
爪先同士が触れる距離まで土下座男に詰め寄るなり、エリナはまくし立てた。
そんなエリナがブンッ! と鳴る勢いで首を背中に捻る。
ゾクンッ! と身体の中にメスを入れられた、そんな勘違いを起こしてしまうほどの鋭い悪寒に襲われたのだ。
振り向いても誰もいない。
にもかかわらず、裏腿の内部に刺さり、動くことを躊躇わせる鋭い感覚が、ゆっくり、ゆっくり臀部へと上ってくる。
「……あのー、だれですかー?」
大声で聞いてあわよくば服部に気付いてもらおうかとも思った。
が、恐怖からか喉が震えてしまい、凍えたような声しか出せなかった。
「君たちを大会に招待したマモンだよ☆ 知ってる?」
名前は初めて聞いた。
が、大会に招待した淫魔のことは嫌なくらいに理解しているつもりだ。服部からも、ナツキからもまともな説明をされていなくても、分かっているつもりだ。
古賀茂が淫魔になったきっかけであり、先代、つまりは両親の仇でもある男。
こんなあどけない声をした男の子が古賀を破滅させた?
「馬鹿にしてんの!?」
振り返るエリナ。しかしまた誰もいない。というより何も無かった。
目の前に広がるはずのレッドカーペットの敷かれた豪奢なホールが、元から何も無かったように消えたのだ。
あるのは、ブラックホールと言われてイメージしそうな黒い海一面。
「馬鹿にしていないよ?」
ここにきてやっと声の主と対面した。
ナツキよりも小さい。エリナの視線より背の低い少年が立っていた。
「凄い手品だねー。マジシャンになれるんじゃない? 子どものうちからこんな大掛かりなマジックできたらっ……」
少年なのは、声変わりする前のあどけない高い声と低身長だけだった。
しゃくり上げるように見上げてくる目はギロッとしてて、血を吸ったように真っ赤だった。
チビの癖して、気配だけは今まで対峙したどんな大男とよりも大きかった。
そのアンバランスなオーラが、この少年を必要以上に大きく見せている。
「このタイミングでやってくるってことは、戦う気満々なんでしょ? ……負ける気しないけど」
「相手の強さも分からないくらい弱いのかな? きみはやっぱり翔子さんにとっても、ナツキさんにとってもお荷物だね☆」
「カッチーンッ……いまそれゆーか? あんたいなかったら突然改名した服部とも蹴り着いてたってーーのッ!!!!!!」
手加減無しの拳を、キモ少年目掛けて振り下ろす。
ガゴンッ!! と顔から床に叩きつけられてキモ少年が這い蹲る。
そんな少年に追い打ち掛けようと、エリナは片足を持ち上げた。
「ご、ごめんなさい! ボクじゃないんですっ、マモンはお父さんで、お父さんの名前を出して、エリナさんに近付こうと思っただけなんですっ、人間の女の人を初めてみてっ、凄く綺麗な人だと思ってっ、キラキラしててっ」
――超よっわーと思ったら急になに?
「樽男さんにお願いしたら控え室の場所教えてもらえて、2人で待ち伏せしていたんです! 初めて淫魔じゃない女の人の裸見たんです。……予選ずっと見てて。ごめんなさいっ……ごめんなさいっ!」
はぁ……。淫魔っていっても、子どもは子どもだよね。
忍びも地獄のような修練積むようになるまで、普通の子どもだし。
相当げんこつ痛かったんでしょ。
投球フォームからの全力の振り下ろしげんこつで心が折れちゃったみたい。
まぁ赤くなっているところは、可愛いから良いけど。
キモ顔もマシに見えてきたし。
*****
「大会優勝したら大事なっ、男友達っ……はぁ…………、はぁ……帰ってっ、くるんだよねー。あんたのお父さん? が招待してくれたっはぁ、はぁ……お陰もあるんだけどねー。でも元凶みたいなもんだからっん……はぁ、倒すことに、なるとっ、おもうよ。……残念だけどっ」
げんこつしてからずっと、エリナは少年から淫魔の内情を聞いたりしていた。
服部やナツキへのお土産になる情報もかなり仕入れられた。
話をしている最中ずっと身体を触ってきたことには、正直かなり引いたけど。
子どもながらにも淫魔であることは隠せないと分からせられた。
「そうなんだ。エリナさん具合悪いのー? 息苦しそうだよー?」
甘えられている、そう思わせるくらいに無邪気な指先だった。
かなり際どいところを触ってくるけど、払い除ける気にもならない。
風に撫でられても払い除けないのと似た感覚だった。
そのせいで気が向くままに吹く風に、身を任せるように触らせ続けてしまう。
「返事するのも辛いかなー。おっぱい押しつけてるピチピチのシャツとかブラジャーとか脱がせてあげるねーっ」
ピシンッ!! エリナは反射的に、身体を撫で回ってた指を叩き退けた。
「っ、はぁ、はぁ…………はぁ……」
危なくやられるところだった。
まやかしの術の類だろうか? 邪気や淫気を感じ取れなくなっている。
淫魔である以上、否、生物である以上隠せない気配。存在がそこにある証明である気配。それが少年から感じ取れなくなっていた。
「これ、忍術? 油断させておいてっ、……こういうことするんだー? オネエさん騙されちゃうところだった」
宥めるように注意する中、払い除けたばかりの線の細い指先が、懲りずにエリナの手の甲を撫でてくる。
擽りながらに手の平を擦り合わせてきて、恋人繋ぎまでされてしまう。
「勝手に油断したのはエリナさんだよねー? いつ騙したって? 嘘なんてひとつもついていないけどねー☆」
「マモンはお父さんのことだって言ったよね?」
「勝手なこと言わないでよ。んふぅ……ちゅう」
「っう……あ……」
絡めていた指先を唇に寄せられて、口付けされ、しまいに舐められてしまう。
ちゅぱちゅぱと赤子のように指しゃぶりされて、初めて気付いた。
少年からは存在感が感じられなかった。風に喩えてしまったのはこれが理由――。
「少し違うねー。でも意外、一番弱いくせに洞察力はあるね。ヒントあげる」
カァッ――――――――――――!!
「ッアッ!? ――…………、か、は…………は、………………ふ、…………」
心の中を覗かれた? 戸惑わされる中、両の目をカッ、と見開かれた。
音が鳴ったと錯覚するほどに開眼され、その瞬間、強烈な殺意に刺された。
まるで最愛の人間を手にかける殺意。同時に入り込んでくる最愛の人に殺された被害者の心情。
その2つを同時にぶつけられたような混在しようのない狂気の激突に心が激しく揺さぶられて、身体が震え上がった。
それらが終わったところで、すとんっと身体から力が抜け落ちた。
ちょろちょろと股の間からは黄色い排泄液が漏れていってしまう。
「分かったかな? ぼくは意識を飛ばせるんだよ。怖いとか犯したいとか死にたくないとか。殺意も好意も飛ばせるんだよ。ぼくは意識を飛び道具に出来るんだよ」
エリナが最初に感じた圧倒的なオーラの正体は、マモンの意識の物質化によるものだった。
身体を自由に触らせてしまったのは、無意識を相手にしたことによるもの。それも存在自体を感じさせないほどの無意識。
圧倒的なまで格の違いに、エリナは戦意さえも喪失させられていた。そんな力の抜けた身体に、マモンの指先が伸びる。
ゆっくり、それでいて手際よく、ぴちっとエリナの肌に張り付くスポーティーなシャツを、大振りな乳房を包むブラもろともに脱がす。
それが終わる頃には小水染み込んだ下半身も露わにされていた。
脱がせながらに、マモンはBGMのように途切れることのない流麗な振るまいで自らも裸になり、少年らしからぬ巨物をエリナの中へとグヂュヂュヂュヂュ……と捩じ込んでいく。
「っう、あ、あぁんっ♥ す、っごっあ、すごいっ、こんなのっはじめてっ、い、いいっ、マモン様のおちんぽいいっ!!」
前戯どころかキスの一つも無い。
にもかかわらず、エリナの興奮はピークにあった。
ギュッ、ギュッ、と小水を練り込む軋んだ絡まりでのストロークを二度、三度と繰り返されて、窮屈な絡み合いを興じられて、愛液を大量に生まされる。
そこから二度、三度、じわっと漏れ溢れた発情証拠液を絡めてのストロークを繰り返される。入る込んでくる度に感触が違い過ぎるピストンに、エリナはやすやすと堕とされてしまったのだ。
「あぁんっ♥ ま、マモン様のちんちんよ、良すぎるっ! 入ってるだけで幸せすぎるよぉおおおっ♥」
軋む音を鳴らした小水を、水飴のようにドロドロな本気汁が洗い流す。
それを撹拌するように、ねちゅうっねちゅうっねちゅうっ、とマモンは愛液よりもねっとりとした腰使いを続ける。
「ボクの言うこと聞いてくれるかな?」
「は、はひっ、マモン様とおまんこできるならなんでもしますっおちんぽケースにさせてもらえるならなんれもしますっ!」
「翔子さんを堕とすんだ。ボクに言われたとおりにね」
「はひっ、なんれもしますなんれもしますからマモン様のせいえきくらさいっ、マモン様の子ろも孕ませてくらさいっ!!」
「やっぱり一番雑魚だね。でもだめ。子種が欲しいなら、しっかり翔子さんを堕とすんだ。わかったかい?」
「お願いします! お願いしますっ! せいえきっ、こどものあかしください! 翔子を絶対堕とすんで今すぐくださいっ!!」
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