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第五話 朱咲の再来
第五話 一五
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日々は緩やかに、しかしあかりの心だけは穏やかでなく五日が経過した。稽古の再開も含めて、任務に復帰するのはその翌日であった。
「あかり、無理、しなくていいんだよ」
「休みがあったとはいえ、さすがにあの後じゃな」
結月の案じるような眼差しも、秋之介の珍しく労わるような声も拒絶するように、あかりは強くはっきりと首を振った。
「ううん。やるよ。……やらせて」
表情は暗いままだったが、瞳には燃える赤が強くきらめいている。
(あの日のことを思うと怖いけど、三人に任せっぱなしなんて駄目。私も私の責務を全うしないと。……みんなの仇を、とらないと……)
「あかりちゃん、聞いてる?」
はっと我にかえったあかりが顔を上げると、不審な眼をした昴と目が合った。
(私、また……)
昴に引き戻されなかったら、何か恐ろしく強大な力に吞み込まれてしまいそうな気がした。その思いすら振り払うように「ごめんね。何を話してたの?」と努めて明るく尋ねる。
「何かあったら力づくでも止めるよって話。……本当に、できるの?」
昴のあまりにも真剣な眼差しに一瞬たじろぎそうになるのをなんとか堪えた。正直、自信はない。あの日の恐怖だって今もなおありありと思い出せる。けれど……。
「できるできないじゃなくて、やらないと。それが朱咲家の……唯一生き残った私の為すべきことだから」
決然と言い切ったあかりの瞳には、音もなく昏い赤が躍っていた。
「あかり、無理、しなくていいんだよ」
「休みがあったとはいえ、さすがにあの後じゃな」
結月の案じるような眼差しも、秋之介の珍しく労わるような声も拒絶するように、あかりは強くはっきりと首を振った。
「ううん。やるよ。……やらせて」
表情は暗いままだったが、瞳には燃える赤が強くきらめいている。
(あの日のことを思うと怖いけど、三人に任せっぱなしなんて駄目。私も私の責務を全うしないと。……みんなの仇を、とらないと……)
「あかりちゃん、聞いてる?」
はっと我にかえったあかりが顔を上げると、不審な眼をした昴と目が合った。
(私、また……)
昴に引き戻されなかったら、何か恐ろしく強大な力に吞み込まれてしまいそうな気がした。その思いすら振り払うように「ごめんね。何を話してたの?」と努めて明るく尋ねる。
「何かあったら力づくでも止めるよって話。……本当に、できるの?」
昴のあまりにも真剣な眼差しに一瞬たじろぎそうになるのをなんとか堪えた。正直、自信はない。あの日の恐怖だって今もなおありありと思い出せる。けれど……。
「できるできないじゃなくて、やらないと。それが朱咲家の……唯一生き残った私の為すべきことだから」
決然と言い切ったあかりの瞳には、音もなく昏い赤が躍っていた。
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