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第五話 朱咲の再来
第五話 一八
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怒りも忘れて、結月はあかりを止めよう名を呼びかけるが、あかりは最初から聞く気がなかった。不意を狙って腕を引き抜くと、式神使いに斬りかかる。
「謝って! 返してよっ!」
「相変わらず煩い女だな」
身軽に攻撃をかわしながら、器用に符を使役する。その手には忘れもしないあの符が握られていた。しかし、あかりは怯むことなく男の懐に飛び込んだ。
「朱咲護神、急々如律令!」
真っ赤な霊剣が触れたとたん、符から火があがった。式神使いが驚いた様子で距離を取ろうとするが、あかりはそれを許さなかった。追随して、剣を振り下ろす。
「赦さない、赦さない……っ‼」
鋭い剣先が式神使いの肩口を滑った。すっぱりと斬られた傷口から血がにじむ。あかりの予想以上の強さに、式神使いは戸惑っているような、あるいは恐怖するような表情をしていた。
「こいつ……っ!」
「業火焼身、急々如律令っ‼」
霊剣から火が噴き出る。まるであかりや内に潜む朱咲の慟哭のような激しい炎だった。剣が振りぬかれ、式神使いの身を焼く。
「謝って! 返してよっ!」
「相変わらず煩い女だな」
身軽に攻撃をかわしながら、器用に符を使役する。その手には忘れもしないあの符が握られていた。しかし、あかりは怯むことなく男の懐に飛び込んだ。
「朱咲護神、急々如律令!」
真っ赤な霊剣が触れたとたん、符から火があがった。式神使いが驚いた様子で距離を取ろうとするが、あかりはそれを許さなかった。追随して、剣を振り下ろす。
「赦さない、赦さない……っ‼」
鋭い剣先が式神使いの肩口を滑った。すっぱりと斬られた傷口から血がにじむ。あかりの予想以上の強さに、式神使いは戸惑っているような、あるいは恐怖するような表情をしていた。
「こいつ……っ!」
「業火焼身、急々如律令っ‼」
霊剣から火が噴き出る。まるであかりや内に潜む朱咲の慟哭のような激しい炎だった。剣が振りぬかれ、式神使いの身を焼く。
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