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第五話 朱咲の再来
第五話 二二
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激しい攻防は続いていたが、秋之介と昴が隙を作ったことで、瞬間的に結月が有利になった。叩きつけられる乱暴な力を受け流し、新たな霊符を放つ。
「除災与楽、月光照夜、急々如律令」
優しい青色があかりをふわりと包み込むと、あかりは霊剣を手から滑らせた。音もなく霊剣が霧散する。膝から崩れ落ちるあかりを結月は抱きとめた。
「ねえ、あかり、聴こえてる?」
「は、なせ……」
濡れた声はか細くも威厳に満ちていた。しかし結月はあかりに語りかけ続ける。
「ごめんね、あかり。おれ、あかりに甘えてた。本当は誰より傷ついてたはずなのに、大丈夫っていう笑顔に、どこか安心してた」
結月の腕の中で身をよじり抵抗していたあかりの身体から徐々に力が抜けていく。やがて大人しくなると、黙って結月の言葉に耳を傾け始めた。
「あかりの笑顔は大好きだけど、無理して笑わなくていいんだよ? 悲しいなら泣いたっていいし、痛いなら助けてって言っていい」
結月は腕にぎゅっと力をこめた。どうか、あかりに想いが届くように。
「泣いたっておれがそばにいるから。呼んでくれたらおれが必ずあかりを助けに行くから」
結月の胸に頭を寄せて、あかりは肩を震わせた。
「だからね、お願い、あかり。ひとりだなんて悲しいこと思わないで。全部を抱え込もうとしないで」
結月は、あかりの背に手を当てると優しくさすった。
「ひとりじゃない。おれたちが、おれがいること、忘れないで」
「この子は……、ひとりでは、ない?」
小さな小さな声が問いかける。結月は頷いた。あかりは顔を上げないままだったが、結月の動きはわかったのだろう。「……そうか」と独り言ちた。結月、秋之介、昴の気配を順に感じ取ると、朱咲はそっと目を閉じた。眦からしずくが零れ落ちる。
「そなたらがいるうちは、妾は……」
その声を最後に、朱咲の気配は消えた。
「除災与楽、月光照夜、急々如律令」
優しい青色があかりをふわりと包み込むと、あかりは霊剣を手から滑らせた。音もなく霊剣が霧散する。膝から崩れ落ちるあかりを結月は抱きとめた。
「ねえ、あかり、聴こえてる?」
「は、なせ……」
濡れた声はか細くも威厳に満ちていた。しかし結月はあかりに語りかけ続ける。
「ごめんね、あかり。おれ、あかりに甘えてた。本当は誰より傷ついてたはずなのに、大丈夫っていう笑顔に、どこか安心してた」
結月の腕の中で身をよじり抵抗していたあかりの身体から徐々に力が抜けていく。やがて大人しくなると、黙って結月の言葉に耳を傾け始めた。
「あかりの笑顔は大好きだけど、無理して笑わなくていいんだよ? 悲しいなら泣いたっていいし、痛いなら助けてって言っていい」
結月は腕にぎゅっと力をこめた。どうか、あかりに想いが届くように。
「泣いたっておれがそばにいるから。呼んでくれたらおれが必ずあかりを助けに行くから」
結月の胸に頭を寄せて、あかりは肩を震わせた。
「だからね、お願い、あかり。ひとりだなんて悲しいこと思わないで。全部を抱え込もうとしないで」
結月は、あかりの背に手を当てると優しくさすった。
「ひとりじゃない。おれたちが、おれがいること、忘れないで」
「この子は……、ひとりでは、ない?」
小さな小さな声が問いかける。結月は頷いた。あかりは顔を上げないままだったが、結月の動きはわかったのだろう。「……そうか」と独り言ちた。結月、秋之介、昴の気配を順に感じ取ると、朱咲はそっと目を閉じた。眦からしずくが零れ落ちる。
「そなたらがいるうちは、妾は……」
その声を最後に、朱咲の気配は消えた。
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