【本編完結】朱咲舞う

南 鈴紀

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第五話 朱咲の再来

第五話 二七

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 唱え終えた直後、白い光が辺りを包み込む。やがて光はお守りに吸収されるように消え、今度はそのお守りが人の形に姿を変えた。
「お母様……っ」
 あかりが思わず駆け寄るのを誰も止めなかった。
 あかりが抱きしめた母・まつりの体は生前の頃のように温かい。慈愛に満ちた微笑みもあかりの髪を梳くように撫でる仕草も、まるでかつての日常の続きのようにしか思えなかった。
「あかり、会いたかったわ……」
 まつりはあかりを抱きしめる腕に一度力をこめると身を離して、少し離れたところから見守る結月たちを見た。
「ずっと見てたわ。あかりを助けてくれて、側にいてくれて、ありがとう」
 三人は静かに頷き返した。結月たちの両親があかりにとって第二の両親であるように、まつりは彼らにとっての第二の母親である。彼女との再会に嬉しいような、悲しいような気持ちになって、思わず目頭が熱くなる。
 まつりには皆の気持ちなど手に取るように分かったからだろう。彼女はあえて明るく切り出した。
「私を呼んだってことは、何か聞きたいことがあったのよね? 時間もそうないのだろうし早く話してしまいましょう」
「うん、そうだね」
 四人の中であかりが一番気丈に振る舞う。傍から見ていた三人は、彼女たちはやはり母娘なのだなと感じ入った。また、その様子を見て、結月たちも気を引き締め直す。口を開いたのは昴だった。
「聞きたいことは三つあります。一つ、二年前のあの日、朱咲家の屋敷で何があったのか。二つ、天翔様の行方をご存じか。三つ、朱咲様の力についてです」
「わかったわ」
 まつりは昴の言葉にはっきりと頷いた。
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