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第一一話 夏のひととき
第一一話 九
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あかりの気配に気づいたのだろう昴がうっすらと目を開ける。あかりがはっとして昴の名を呼びかけると、昴は安心させるように微笑んだ。
「心配かけてごめんね、あかりちゃん」
普段よりも弱々しい笑みにあかりの胸が締め付けられる。あかりがぶんぶんと首を横に振ると、昴はくすりと小さく笑った。
「もう、そんな顔しないで。僕なら大丈夫だよ」
「昴……」
「休んだらすぐに戻るから。その間、あかりちゃんはあかりちゃんのやるべきことをちゃんとするんだよ?」
これ以上昴に心労をかけないためにも、あかりは素直に頷いた。昴は今度こそ安心したように微笑みをこぼすと、やがて眠りについた。それと同時に清忠の治療の手も止まる。
「あかり様」
「うん」
後ろ髪を引かれる思いだったあかりだが、清忠に促されるようにして彼とともに昴の部屋を後にした。人払いされた廊下を歩きながら、あかりは清忠を振り仰いだ。
「昴、大丈夫だよね?」
「過労と暑さが原因でしょう。しっかり休めば大丈夫ですよ」
「そっか……」
あかりは曖昧に頷くと、昴の部屋を出る際に持ってきた書類の束に目を落とした。
(私にできることは……)
先ほど見た昴の弱々しい笑みが蘇る。彼はあかりのやるべきことをきちんとやるようにと言った。ならばそれが昴のためにあかりにできる数少ないことであるのは明白だ。本音を言えば昴のことが気になって政務どころではないのだが、そんなことは言っていられなかった。
廊下の途中で清忠と別れたあかりは足早に自室へと戻ると政務を再開した。
「心配かけてごめんね、あかりちゃん」
普段よりも弱々しい笑みにあかりの胸が締め付けられる。あかりがぶんぶんと首を横に振ると、昴はくすりと小さく笑った。
「もう、そんな顔しないで。僕なら大丈夫だよ」
「昴……」
「休んだらすぐに戻るから。その間、あかりちゃんはあかりちゃんのやるべきことをちゃんとするんだよ?」
これ以上昴に心労をかけないためにも、あかりは素直に頷いた。昴は今度こそ安心したように微笑みをこぼすと、やがて眠りについた。それと同時に清忠の治療の手も止まる。
「あかり様」
「うん」
後ろ髪を引かれる思いだったあかりだが、清忠に促されるようにして彼とともに昴の部屋を後にした。人払いされた廊下を歩きながら、あかりは清忠を振り仰いだ。
「昴、大丈夫だよね?」
「過労と暑さが原因でしょう。しっかり休めば大丈夫ですよ」
「そっか……」
あかりは曖昧に頷くと、昴の部屋を出る際に持ってきた書類の束に目を落とした。
(私にできることは……)
先ほど見た昴の弱々しい笑みが蘇る。彼はあかりのやるべきことをきちんとやるようにと言った。ならばそれが昴のためにあかりにできる数少ないことであるのは明白だ。本音を言えば昴のことが気になって政務どころではないのだが、そんなことは言っていられなかった。
廊下の途中で清忠と別れたあかりは足早に自室へと戻ると政務を再開した。
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