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第一三話 守りたいもの
第一三話 一四
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結月が急に落ち込みだしたことにあかりは気づいたが、いかんせんその原因がわからない。
(何かまずいこと言ったかな……?)
今しがた話した司との出来事に、結月を落ち込ませるようなことがあっただろうか。考えてみたがあかりにはわからないままだった。
それならば結月に直接訊こうとあかりが顔を上げたのだが、あかりが尋ねるより前に秋之介の声に遮られてしまった。ちらりと見た結月は平時と変わらない表情に戻っていたので掘り返すのもどうかと思われてあかりは結局尋ねることはしないままだった。
「って聞いてんのかよ、あかり」
あかりははっと我に返ると、ようやく秋之介の方を見た。
『ごめんね。なんだっけ?』
「さっきの話だよ。できることをやるっつってたけど、何するつもりなんだ?」
秋之介は先ほどのあかりの宣誓のことを言っているらしかった。あかりは考えつくままに紙に筆を走らせる。
『稽古と政務と声の治療は続けるつもりだよ。でも時間はあるし、他にも何かできないかなぁって』
昴が心配そうに眉をひそめる。
「僕としては無理してほしくないんだけど……」
言いかけた昴だったが、あかりの力強い瞳を目にして言葉を飲みこんだ。「……ううん。そうじゃないんだよね」と独り言ちると、あかりに微笑み返した。
「僕の方でも何かないか考えてみるよ」
あかりがぱっと顔を輝かせると、昴に続いて結月と秋之介も「うん。おれも」「そうだな。俺もちょうどいい案が浮かびそうだし」と申し出てくれた。
『ありがとう、みんな』
あかりが笑顔になると、三人も嬉しそうに笑ってくれた。
(何かまずいこと言ったかな……?)
今しがた話した司との出来事に、結月を落ち込ませるようなことがあっただろうか。考えてみたがあかりにはわからないままだった。
それならば結月に直接訊こうとあかりが顔を上げたのだが、あかりが尋ねるより前に秋之介の声に遮られてしまった。ちらりと見た結月は平時と変わらない表情に戻っていたので掘り返すのもどうかと思われてあかりは結局尋ねることはしないままだった。
「って聞いてんのかよ、あかり」
あかりははっと我に返ると、ようやく秋之介の方を見た。
『ごめんね。なんだっけ?』
「さっきの話だよ。できることをやるっつってたけど、何するつもりなんだ?」
秋之介は先ほどのあかりの宣誓のことを言っているらしかった。あかりは考えつくままに紙に筆を走らせる。
『稽古と政務と声の治療は続けるつもりだよ。でも時間はあるし、他にも何かできないかなぁって』
昴が心配そうに眉をひそめる。
「僕としては無理してほしくないんだけど……」
言いかけた昴だったが、あかりの力強い瞳を目にして言葉を飲みこんだ。「……ううん。そうじゃないんだよね」と独り言ちると、あかりに微笑み返した。
「僕の方でも何かないか考えてみるよ」
あかりがぱっと顔を輝かせると、昴に続いて結月と秋之介も「うん。おれも」「そうだな。俺もちょうどいい案が浮かびそうだし」と申し出てくれた。
『ありがとう、みんな』
あかりが笑顔になると、三人も嬉しそうに笑ってくれた。
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