【本編完結】朱咲舞う

南 鈴紀

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第一四話 交わす約束

第一四話 一五

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 本当はもうとっくに気づきかけている感情だった。ただ、今の関係性が壊れることを恐怖してもいたから、すぐには認められなかったのだと思う。
 二年ぶりの再会の瞬間が脳裏を過る。思い返せばそのときからこの感情は芽生えていた。
お花見のとき向けられた優しい微笑を幼なじみや妹としてではなくあかり個人に向けてほしいと無意識に願った。
あかりの誕生日の買い物のとき、ガラス玉より美しい青の瞳に浮かぶ様々な色合いの感情から目が離せなかった。
ことあるごとに結月は真っ先にあかりの隣に寄り添ってくれた。その存在、言葉には何度も救われ、結月の左手のぬくもりを恋しく思う自分がいた。
(私、いつの間にか結月のこと、好きになってたんだ……)
いつからなんて明瞭なきっかけなんて思いつかないくらいに、あかりはいつしか自然に恋に落ちていたのだ。
 しかし、気づいたのはいいもののこのあとどうしたらいいのか、どうしたいのか今のあかりにはまだ分からなかった。
真っ直ぐに見つめ返してくる青い瞳をとうとう直視できなくなって、あかりは視線を彷徨わせ、逸らした。頭の中は混乱していて様々な感情が飛び交っている。
(大体結月がどう思ってるかなんてわからな……でも、待って、さっき『期待してもいい』とか『妬いてくれた』とかって言ってたような……? え? 気のせいじゃないよね? 私が都合よく解釈しすぎなの?)
 あまりの思考量に目が回りそうだ。こんなにぐるぐる頭を回すこともそうないので知恵熱まで出しそうな気がした。
(それに今まで結月がそんな素振りを見せたことなんて……。もしかして私が気づかなかっただけ? うう……、わからないよぉ)
 畳の上に視線を落とし、あかりは頭を抱えていた。
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