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第一五話 希望の声
第一五話 五
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北と東の社を参拝した後に向かうのは南朱湖だ。昨年ほどではないにせよ、南朱湖は人でごった返していた。
(朱咲様、昨年もありがとうございました。おかげでこうして年を越すことができました。どうか今年も貴女様の加護が皆のゆく道を照らしますように)
湖の前であかりが朱咲に語りかけると、朱咲が愛らしく微笑む気配がした。
『あかりはほんに素直で可愛らしいな。そんなそなただからこそ、妾も力を貸したいと思うのだ』
喧騒の中だというのに、何故だか朱咲の声だけが明瞭に聞こえて、あかりは動きを止めた。
『今日の民たちからの参拝を力に変えて、あかりに与えようぞ』
朱咲が告げた直後、あかりの身体は燃えるように一瞬だけ熱くなったが、すぐに熱さは温かさに変わって心までもを包み込んだ。
(あったかい)
それはまるで民の希望と朱咲の愛情を反映しているかのようだった。解呪や町の様子が気がかりで沈みかけていた気持ちが上向いた気がした。
『妾はそなたに力を与えることしかできぬが、これでそなたの憂いが払われれば良いと願っておる』
(朱咲様……。ありがとうございます)
『うむ。あとはそなた次第じゃ。それではな、あかり』
朱咲は微笑みの吐息を残して気配を消した。同時にあかりの周囲の音や声が戻って来る。
「あかり?」
結月が不思議そうな顔をして、あかりを呼ぶ。あかりは心配ないと首を振ると、彼らのもとに駆け寄った。
その後は西、中央と社を参拝した。多くの人が行き交う中、町の見回りを兼ねていたこともあって中央の社を出る頃にはあたりはすっかり暗くなっていた。
(朱咲様、昨年もありがとうございました。おかげでこうして年を越すことができました。どうか今年も貴女様の加護が皆のゆく道を照らしますように)
湖の前であかりが朱咲に語りかけると、朱咲が愛らしく微笑む気配がした。
『あかりはほんに素直で可愛らしいな。そんなそなただからこそ、妾も力を貸したいと思うのだ』
喧騒の中だというのに、何故だか朱咲の声だけが明瞭に聞こえて、あかりは動きを止めた。
『今日の民たちからの参拝を力に変えて、あかりに与えようぞ』
朱咲が告げた直後、あかりの身体は燃えるように一瞬だけ熱くなったが、すぐに熱さは温かさに変わって心までもを包み込んだ。
(あったかい)
それはまるで民の希望と朱咲の愛情を反映しているかのようだった。解呪や町の様子が気がかりで沈みかけていた気持ちが上向いた気がした。
『妾はそなたに力を与えることしかできぬが、これでそなたの憂いが払われれば良いと願っておる』
(朱咲様……。ありがとうございます)
『うむ。あとはそなた次第じゃ。それではな、あかり』
朱咲は微笑みの吐息を残して気配を消した。同時にあかりの周囲の音や声が戻って来る。
「あかり?」
結月が不思議そうな顔をして、あかりを呼ぶ。あかりは心配ないと首を振ると、彼らのもとに駆け寄った。
その後は西、中央と社を参拝した。多くの人が行き交う中、町の見回りを兼ねていたこともあって中央の社を出る頃にはあたりはすっかり暗くなっていた。
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