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第一五話 希望の声
第一五話 一四
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やっといつもの空気が戻り始めてきたことにあかりはほっと胸を撫でおろしたが、安心したことで別の気がかりが頭をもたげた。
「そういえば怪我! みんな、大丈夫なの⁉」
改めて三人を見ると、袴は煤や土で汚れたりところどころ破れたりしていて、彼らはぼろぼろだった。
結月にいたっては式神に噛まれたときにできたのだろう左腕の傷から血が滲んでいた。あかりは結月に身を寄せると彼の左腕にそっと触れた。結月の身体がぴくりと震える。あかりは自分と同じように怪我に呪詛が絡んでいたらと不安に思ったが、どうやら外傷だけらしい。
「病傷平癒、急々如律令」
あかりが唱えると、赤い光がふわりと舞った。
「どう? 昴みたいに完治はできないけど、少しは痛くなくなった?」
あかりが眉を寄せて結月を見上げれば、思いの外、近距離で視線が交わった。結月はうろたえたように目を逸らすと、僅かにまぶたを伏せた。
「う、うん。ありがとう、あかり」
「う、ううん! その、役に立てたなら、良かった……」
結月の頬が淡く朱に染まるのを目にして、あかりはさっと身を退き、顔を隠すように俯いた。頬が熱を持ち、鼓動がうるさい。
(ち、近い……っ)
今までもこの距離感で接していたことはあっただろうし、それこそ昔からの癖で手をつなぐことだってままある。しかし、結月のあかりに対する想いを知ったからか、それともあかりが結月を意識するようになったからか、今の二人の関係では先ほどの距離感は落ち着かないものだった。
その様子を遠目から眺めていた昴は目をぱちくりと瞬かせ、秋之介はすっと目を細めた。
「あかり、ゆづ。なんかあったろ?」
秋之介の鋭い問いかけにあかりは「ええと……」と目を泳がせる。別に悪いことをしたわけでもないのにいたたまれない。正直に話すのも躊躇われて言葉に窮してしまったあかりの代わりに結月が答えた。
「約束、した」
「約束?」
「うん。でも、これ以上は話さない」
結月は真剣な面持ちで秋之介と昴に対して頷くと、今度はあかりを見た。
「二人だけの秘密。ね、あかり」
そうして向けられた甘やかな微笑から、あかりは目が離せなくなった。かろうじて「う、うん」と囁くように答えるだけで精一杯だ。
秋之介は面白くなさそうに「ふうん」と鼻を鳴らしたが、隣の昴はどことなく愉しそうにしていた。
「そういえば怪我! みんな、大丈夫なの⁉」
改めて三人を見ると、袴は煤や土で汚れたりところどころ破れたりしていて、彼らはぼろぼろだった。
結月にいたっては式神に噛まれたときにできたのだろう左腕の傷から血が滲んでいた。あかりは結月に身を寄せると彼の左腕にそっと触れた。結月の身体がぴくりと震える。あかりは自分と同じように怪我に呪詛が絡んでいたらと不安に思ったが、どうやら外傷だけらしい。
「病傷平癒、急々如律令」
あかりが唱えると、赤い光がふわりと舞った。
「どう? 昴みたいに完治はできないけど、少しは痛くなくなった?」
あかりが眉を寄せて結月を見上げれば、思いの外、近距離で視線が交わった。結月はうろたえたように目を逸らすと、僅かにまぶたを伏せた。
「う、うん。ありがとう、あかり」
「う、ううん! その、役に立てたなら、良かった……」
結月の頬が淡く朱に染まるのを目にして、あかりはさっと身を退き、顔を隠すように俯いた。頬が熱を持ち、鼓動がうるさい。
(ち、近い……っ)
今までもこの距離感で接していたことはあっただろうし、それこそ昔からの癖で手をつなぐことだってままある。しかし、結月のあかりに対する想いを知ったからか、それともあかりが結月を意識するようになったからか、今の二人の関係では先ほどの距離感は落ち着かないものだった。
その様子を遠目から眺めていた昴は目をぱちくりと瞬かせ、秋之介はすっと目を細めた。
「あかり、ゆづ。なんかあったろ?」
秋之介の鋭い問いかけにあかりは「ええと……」と目を泳がせる。別に悪いことをしたわけでもないのにいたたまれない。正直に話すのも躊躇われて言葉に窮してしまったあかりの代わりに結月が答えた。
「約束、した」
「約束?」
「うん。でも、これ以上は話さない」
結月は真剣な面持ちで秋之介と昴に対して頷くと、今度はあかりを見た。
「二人だけの秘密。ね、あかり」
そうして向けられた甘やかな微笑から、あかりは目が離せなくなった。かろうじて「う、うん」と囁くように答えるだけで精一杯だ。
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