【本編完結】朱咲舞う

南 鈴紀

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第二三話 昇る朝陽と舞う朱咲

第二三話 一三

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(あかり‼)
 あかりを呪符から守っていた昴も式神が襲い掛かってきたことに気づいたようで驚きに目を見開いていたが、呪符を抑え込むのに手いっぱいなのは明白で対応が間に合わない。
 間に合うか間に合わないか。結月が残る力を振り絞って咒言を唱えようと口を開いたときだった。
「あ、き……⁉」
 口をついて出たのは咒言ではなく、大切な幼なじみのひとりの名前だった。
 秋之介はあかりに襲いかかる式神の攻撃を逸らしたが、直後現帝の短刀に腹を刺されていた。
(どうしよう……! おれの、せいで……)
 後悔と不甲斐なさに結月の心が掻き乱れかけるが、起きてしまった出来事を嘆くのは今ではないと自身に言い聞かせる。
(秋は、……大丈夫。信じよう。おれは、おれのやるべきことを全うしなくちゃ……!)
 ほとんど言うことをきかない身体に強く強く命令する。
(動け、戦え……! みんなを、守るために!)
 あるだけの気力をかき集めて、結月の身体がようやく微かに命令に応えた。
 息が苦しい。肺が痛い。
 結月は咳き込みながら、それでも霊符を放っては咒言を唱えることを繰り返した。
 そうしているうちにふとあることに気がついた。
(式神の攻撃が、弱くなってる……?)
 式神の主である現帝を盗み見ると、彼は菊助を憑依させた秋之介に圧されていた。力の源である現帝が弱り始めたことで、従える式神も弱くなったといったところだろうか。
(ううん、今は理屈なんてどうでもいい。それよりも、ここで式神を押さえる!)
「除災与楽、動静緊縛、青柳護神、急々如律令‼」
 その思いに比例するように、青の眩い光が結月の視界を覆いつくした。
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