【本編完結】朱咲舞う

南 鈴紀

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第二六話 繋がる想い

第二六話 二

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 結月に手を引かれてやってきたのは玄舞家の裏に広がる竹林だった。温い夏風が吹き抜け、竹の葉の触れ合う音がさわさわと涼しげに響いている。その木陰で秋之介と昴が待っていた。
「あ、来たね」
「よう、あかり。ゆづも呼んできてくれてありがとな」
「ううん。おれが行くって、言ったんだし」
 昴はあかりの姿を目にして、目を細めた。
「そのかんざしと帯留め……」
 今のあかりは忘れてしまっているのだろうが、それらは昨年と一昨年に昴たちがあかりに贈った誕生日祝いの品だった。無意識にでもあかりが選んでくれたことが嬉しくて、昴はあかりににっこり微笑みかける。
「うん、やっぱりよく似合ってるね。髪はゆづくんに結ってもらったのかな」
「かわいい?」
「もちろんだよ」
 あかりはぱたぱたと結月と話す秋之介に走り寄り、同じことを訊きに行った。
「あき、あき」
「んあ?」
「かわいい?」
 あかりはくるりとその場で回って、秋之介に後ろ姿を見せる。結月や昴のようにてらいなく褒めることが気恥ずかしい秋之介は「いいんじゃねえの」と素っ気ない。
「素直にかわいいよって言えばいいのに」
「言えるかっ」
 昴が秋之介をからかっている間、あかりは秋之介をじっと黙って見つめていた。
「ほら、見なよ。あかりちゃんのこのもの言いたげな目を」
「だいたいぼんやりしてるのにこんなときばっか!」
「秋。あかりが、かわいそう」
「ゆづまで⁉」
 三方から迫られ、秋之介はいよいよ観念した。「……かわいいよ」とぼそりと呟く。あかりは嬉しそうにきゅっと目を細めた。
「よかったね、あかりちゃん」
「うん」
「もういいだろ、この話題は! 時間なくなるし、早く行こうぜ」
「いく。どこ?」
 秋之介は竹林に伸びる細道に顔を向けた。
「あかりが成人を迎えられたって、珠貴様と雪子様たちに知らせにさ」
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