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第二五話 花開くリンドウ
第二五話 四
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三人で談笑していると、皿を持ったニアが側にやって来た。
「おやつのお饅頭食べる?」
「食べる食べる!」
「食べるっす!」
ソニアとアウィルが真っ先に食いつき、ニアは嬉しそうに笑った。ニアはテーブルに饅頭ののった皿を置くと、自身も席に着いた。慈乃が湯飲みに茶を注いでニアに渡すと、ニアは「ありがとう」と受け取った。
さっそくニアお手製の饅頭を頬張って、ソニアとアウィルは幸せそうにふにゃりと笑った。
「美味しーい」
「美味いっす」
「それは良かった」
ニアは満足そうに目を細めた。慈乃も一個をかじってみたが、まだ温かさの残る饅頭は彼らの言う通り美味しかった。
「あ~、お饅頭発見~」
「ふたりともよく来たね」
するとツクシやスギナ、ミトドリが食堂に入ってきた。その後にホノ達を連れたウタセが続く。がらんとしていた食堂が一気に賑やかになる。花見で顔を合わせたこともあり、子ども達はソニアとアウィルを見ても人見知りすることはなかった。
「饅頭だ!」
「ニア姉ちゃん、食べていい?」
「ちゃんとみんなで分けっこするんだよ?」
「はーい!」
レヤとフィオ、ニアのやりとりにソニアは笑みをこぼした。
「仲良しでいいね。今の学び家はこんな感じなんだ」
「大体は、そうですね……」
慈乃の脳裏にリンドウの顔が過った。含みのある物言いに、アウィルは目をまるくした。
「大体ってことは、一部はそうじゃないってことっすか?」
「そうなの? 私にできることがあれば相談してよ」
逡巡した後、慈乃はソニアの厚意に甘えることにした。もしかしたら何か良い意見が得られるかもしれない。慈乃はリンドウとの出来事や現状についてかいつまんで説明した。
聞き終えたソニアとアウィルは顔を見合わせた。
「なんか昔のウィルみたいだね」
「黒歴史っすけど……。まあ、確かにそうっすね」
花見のときにちらりと聞いたが、アウィルの反抗期にはまわりも手を焼いていたらしい。ソニアはその時のことを思い出したのだろう。声を低くして、反抗期のアウィルの真似をした。
「オレに触れると火傷するぜ……」
「なんすかそれ。オレ、そんなこと言った憶えないっすけど」
「なんかそんな感じだったじゃん」
「ええー……?」
近くで話を聞いていたニアとミトドリはくすくすと忍び笑いをしていた。アウィルは頬を膨らませた。
「ニア姉さんもミト兄さんも笑うなんてひどいっす。否定してほしいんすけど」
「まあ、ソニアの真似は脚色が過ぎると思うけど、まわりにひとを寄せ付けないって意味では間違ってないしね」
「そうだね。そういう意味ではアウィルはリンドウと似ていたかもしれないね」
ミトドリ達はこう言うが、慈乃には今の朗らかで明るいアウィルと反抗期のアウィルが結びつかなかった。それでも参考になることがあればと、慈乃は話を戻した。
「おやつのお饅頭食べる?」
「食べる食べる!」
「食べるっす!」
ソニアとアウィルが真っ先に食いつき、ニアは嬉しそうに笑った。ニアはテーブルに饅頭ののった皿を置くと、自身も席に着いた。慈乃が湯飲みに茶を注いでニアに渡すと、ニアは「ありがとう」と受け取った。
さっそくニアお手製の饅頭を頬張って、ソニアとアウィルは幸せそうにふにゃりと笑った。
「美味しーい」
「美味いっす」
「それは良かった」
ニアは満足そうに目を細めた。慈乃も一個をかじってみたが、まだ温かさの残る饅頭は彼らの言う通り美味しかった。
「あ~、お饅頭発見~」
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するとツクシやスギナ、ミトドリが食堂に入ってきた。その後にホノ達を連れたウタセが続く。がらんとしていた食堂が一気に賑やかになる。花見で顔を合わせたこともあり、子ども達はソニアとアウィルを見ても人見知りすることはなかった。
「饅頭だ!」
「ニア姉ちゃん、食べていい?」
「ちゃんとみんなで分けっこするんだよ?」
「はーい!」
レヤとフィオ、ニアのやりとりにソニアは笑みをこぼした。
「仲良しでいいね。今の学び家はこんな感じなんだ」
「大体は、そうですね……」
慈乃の脳裏にリンドウの顔が過った。含みのある物言いに、アウィルは目をまるくした。
「大体ってことは、一部はそうじゃないってことっすか?」
「そうなの? 私にできることがあれば相談してよ」
逡巡した後、慈乃はソニアの厚意に甘えることにした。もしかしたら何か良い意見が得られるかもしれない。慈乃はリンドウとの出来事や現状についてかいつまんで説明した。
聞き終えたソニアとアウィルは顔を見合わせた。
「なんか昔のウィルみたいだね」
「黒歴史っすけど……。まあ、確かにそうっすね」
花見のときにちらりと聞いたが、アウィルの反抗期にはまわりも手を焼いていたらしい。ソニアはその時のことを思い出したのだろう。声を低くして、反抗期のアウィルの真似をした。
「オレに触れると火傷するぜ……」
「なんすかそれ。オレ、そんなこと言った憶えないっすけど」
「なんかそんな感じだったじゃん」
「ええー……?」
近くで話を聞いていたニアとミトドリはくすくすと忍び笑いをしていた。アウィルは頬を膨らませた。
「ニア姉さんもミト兄さんも笑うなんてひどいっす。否定してほしいんすけど」
「まあ、ソニアの真似は脚色が過ぎると思うけど、まわりにひとを寄せ付けないって意味では間違ってないしね」
「そうだね。そういう意味ではアウィルはリンドウと似ていたかもしれないね」
ミトドリ達はこう言うが、慈乃には今の朗らかで明るいアウィルと反抗期のアウィルが結びつかなかった。それでも参考になることがあればと、慈乃は話を戻した。
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